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第二十一話 畜生道1 / 本当の恐怖とは

 気がつくとヨウは地面に突っ伏していた。

 ここは修羅道のように草木がある、けれど修羅道のように背の高い木が多いのではなく、草原のような場所、そして雲がかかっていて太陽が見えない。

 ヨウは身体を起こし周りを見る、周囲には人の気配はない。座り込みこう呟く――


「……やっぱ、戻ってなかったんだ」


 人間道であんなことを言ったが、ほんの1パーセントでも戻ってるんじゃないかと思っていた。

けれどこれが現実。

 正直落ち込んでいないと言えば嘘になる。だからこう強く思った。

何がなんでも帰ろう、と。


 そしてヨウは立ち上がり歩き始めた、人間道でキムワが言ってことを警戒しながら。

けれどすぐに止まった。それはなぜか、餓鬼道、修羅道、人間道と常に歩き、走り続けたヨウは身体的に無理が来てしまった。


「足……これ以上は、一旦長く休も」


 ヨウはその動かすのが辛い足をなんとか動かし、身を隠せる場所を探した。


 数分歩き、ある場所を見つけヨウはそこに隠れようと決めた。そこはしゃがめば確実に見えなくなる程の背丈がある草が生い茂った場所。

 ヨウはそこに入り座り込み、足を伸ばす。そして足をもに軽くマッサージ的なこともした。


「んー、やっぱりちょっと痛いなぁ」


 そうしていると近くでなにかが唸るような声が聞こえた。

その声は人間のものとは思えないけれどヨウはここがどこかキムワから聞いていて、それが人間であることを知っていた。

 ヨウは背の高い草から頭を少し出した。

 そこにいたのは、全裸の男。その男の目は獲物を狙っているように見える。そしてなぜか男性器は勃起している。

 ヨウはその男にものすごい嫌悪感を抱く。

 

キムワが言っていたことは、それはこれのことだった。


(次の地獄は、たぶん畜生道。そこは正直ヨウの年、というか女の子にとってトラウマになりうる場所なの)

「トラウマって?」

(畜生道、そこはあらゆる生物が本能で動くように、人間も野生動物みたいに活動するの)

「つまりどうゆうこと?」

(……生物は子孫を残すことを本能的に理解してる。男は特にそれが強い。つまり性別が女である君は子孫を孕ませられる対象なの)

「えっ」

(だから男を見つけたら絶対に逃げて)


 という会話があった。

 ヨウはまだ男性経験がなく、特に仲がいい男友達もいない。正直その事がイメージがしにくかった。

けれどあれをみたら一発で危険性が理解できた。

 なんだか今とは別の恐怖を感じる。見つかったら終わり、今の足の状態じゃ逃げきることも出来ない。だからヨウはその男を監視していたこっちに来ないように。当然下半身に指で隠しながら。

けれどヨウはその男を気にしすぎるあまり周囲がおろそかになっていた。

 ここは畜生道、全方位を警戒していなければ一生負う傷を付けられる――


 ヨウは後ろから男に覆い被さられた。

よだれを滴し、まさに獣そんな雰囲気をかも男。

恐怖以外の感情は出てこない。

男はすぐに男性器をヨウの女性器に押し付けようとしたが、その一瞬の隙を見て立ち上がり走り去ろうとしたが男に足を掴まれ転けてしまった。

 そして男はすぐにうつ伏せのヨウの上に行き、また男性器を押し付ける。

そのとき感じ男性器の感触は吐きそうなくらい気持ちが悪く、これまでにない程に男性に恐怖を抱いた。 

 ヨウはうつ伏せの状態でなんとか逃げようと進もうとするが男はそれを逃さず両腕を強く握った。


「気持ち悪い離して」


 その叫び声でヨウが見ていた男もこちらに気付き唸り声をあげながら向かってきた。

 ヨウの上にいた男は男性器を離した。そして両腕も離した。

その瞬間ヨウはすぐに逃げようとしたが、男が手を離したのはヨウの履いていたズボンと下着を脱がすためだった。

 ほんの少しも動けずされるがままのヨウ。


イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ。


 太ももまで下ろされたズボンと下着、ちょうどそのタイミングでヨウが監視していた男が目も前に現れた。

 その姿はその瞬間、脳裏に焼き付き一生離れない恐怖を脳に植え付けた。

ヨウの上にいる男は自分の男性器を掴みヨウの女性器経挿入しようとする――

 あとコンマ数秒でヨウは一生消えない傷を負いかけた、その瞬間誰かがヨウの上にいる男に飛び蹴りを噛ました。


「トオーーーウ」


 その人はまるでヒーローのような登場をした。

そして着地した男はすかさずヨウの目も前にいる男に回し蹴りを噛ました。倒れた二人の男。

その人はヨウに手を差しのべた。


「ほら早く」


 ヨウは咄嗟にその手を掴もうとしたが、手を差しのべた人は男だった。

それでヨウはすぐに手を引っ込めた。


「どうした? 早くしないと尻丸出しの君はあいつらの餌食になるぞ」


 もう騙されない、どうせこいつも。そう思ったがよくみれば服を着ているし勃起している様子はない。なんだか男二人とは違いを感じた。

 手を出すのに躊躇していると男二人が起き上がってきた。


「あーもう、次のチャンス逃したら君を置いて逃げるからな、俺もケツが危ないんでね」


 その男は二人に前蹴り見舞いした。

そしてもう一度ヨウに手を差しのべる。

 ヨウはついさっき体験した男に対する恐怖、それが色濃く染み付いていてまだ信用出来ない。けれどここにいては確実に本当に死にたくなる。

ヨウはその手を掴み立ち上がる。


「よしそれじゃ行くぞ、その前にズボンと下着を穿いてな」


 男は起き上がらした時にヨウに背を向けた。

ヨウはすぐにズボンと下着を穿いた。

そして男はすぐに走り出したけれどヨウに呼び止められる。


「私もう走れない」

「はぁ?」


 男はヨウの方をみると蹴り飛ばした二人が立ち上がろうとしていた。すぐさま男はヨウのもとに向かい、お姫様抱っこをした。


「えっちょ……」


 その瞬間男はとてつもない早さでその場から遠ざかっていった。

ようを襲った二人の男も追いかけてきたがそんなのは意にも介さず、どんどんと距離を離していった――

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