29、いつまでも
『大好き』
そう伝えたものの、恥ずかしくて顔から火が出そうだった。
「彩乃…オレも好きだよ」
シンは彩乃に顔を近づけ、キスをする。
「っ…!!」
突然の事に驚いて、顔を離そうとするが、シンはがっちりと頭を掴んでいて離れる事ができない。
うまく息がすえなくて、
「んーー!!」
と暴れると、シンはやっと離してくれた。
「あ、ごめん」
濃厚なキスを交わしたばかりなのにケロリとして言う。
「ー!シンくん大胆ーっ!!」
きゃーという未子の黄色い声が響く。
「へ」
しかも、みんなの前であるのだった。
周りをも気にしずに、シンは彩乃にそんな事をしていたのだ。
「〜!!」
微々は複雑そうな顔をしてその光景から目をそらしていた。
そんな微々に気付いてシンは声をかけた。
「微々、、!」
彩乃を守るように抱く。
が、微々は諦めたような目線を向ける。
「…もう彩乃を狙ったりしないわよ。」
そういって手にもった小さなコビンを持ち上げる。
「なんだ、それ…」
「彩乃の力の残り。」
微々は、に、と笑う。
自分の気持ちを隠すように。
「もうもらったの。」
「うん、私の力で倒れたシンを助けてもらったの。」
誰という必要もない。
それをやれるのは、微々でしかないのだから。
「……微々、、」
「、うるさいわよ。」
ふん、と鼻で笑って微々はそっぽを向く。
「残りの力は好きなように使わせてもらうからね」
ころん、と手の平でコビンをころがす。
「…あなたはもういいわ。人間に恋するような悪魔なんて悪魔じゃないし。」
…つまり、それは。。
「王にならなくていいっていってんの!」
「!」
いままで、ごめんねシン。
だけど、大好きだったよ
、、幸せで、いてね
「っあたしはあたしで作ってく!闇の世界を明るくするわ。」
微々はそう宣言した。
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……………………………………
「で、あんたはどうするわけよ」
未子は一人、その場から離れようとしていた博に尋ねた。
「…僕は、彩乃を失ってしまったけど、新しい道を目指すよ。」
なんだか博のその表情がすっきりと晴れきっているように未子は感じた。
同時に、眩しいとも。
「良かったことに、僕にはこんな技も備わった事だしね」
ふわりと微笑んで大きな鳥のシキガミを出して、それにまたがる。
「ちょ、博!!またどこかにいくの!!?」
「うん。僕はここにいるべきじゃないと思うし。彩乃は今、幸せだろうから。」
未子は飛びさっていく博の背中が見えなくなるまでその場でみつめた。
「彩乃は、幸せ、か…」
幸せという単語に自然に笑みがでた。
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「…大好き、だよ…」
彩乃は赤らめた顔を隠すようにうつむき、いう。
「オレはずっと好きだった」
「…嘘っ!?」
彩乃は目を丸くしていう。
ナンパ男だったくせに、、
そんな目でシンを見ると、
「ホントだぜ?」
といじわるそうな顔を近づけて来る。
ちかい、近いですカラ…!!
彩乃はできるだけシンとの距離をとろうと離れようとした。
が、
「ばか、逃げんなよ」
シンは彩乃を抱き寄せる。
シンの温かさを身近に感じすぎて、彩乃は全身を固くする。
「……っ」
何もいえずに時が過ぎることを願い黙っていると、
シンは彩乃の耳元でささやいた。
「絶対、離さないからな。覚悟しとけよな、」
「……ぅん、、」
そんなの反則技だ、
なんて思いながら、
彩乃はシンの腕の中にいられることを心地好く感じていた。
私も、
ずっと離れたくないよ、
なんていつかいってシンを悩殺してやる、なんて意思を決め、
シンの優しいキスを受け入れた。
次は、現代ものを書こうと思います。
「恋の雫」(カラフル★←同一著者です。。汗)とはまた違った恋愛でいきたいです。
兄妹ものだったので‥;
次は、コメディー路線で!
では、
またいつかお会いでき、
読んでいただけるような小説をかけるように
頑張ります!




