寝室にて
(SE:夜の虫の音)
(SE:遠くの風、障子がかすかに鳴る)
白巫女(静かに、やわらかく)
「……主様」
あなた(少し疲れた声で)
「どうした」
白巫女(丁寧に)
「本日は……ありがとうございました」
(間)
白巫女(少しだけ目を伏せるように)
「私めの力が不足しておりました」
(SE:衣擦れ、ごく小さく)
白巫女(続けて、静かに)
「洞窟での戦い……
主様の御力に、私めが追いつけなかった」
あなた(短く)
「気にするな」
(間)
白巫女
「……ですが主様、私めがしっかりしていれば……」
あなた
「大丈夫だ。全部がうまくはいくわけじゃない」
(SE:少し近づく)
ナレーション
「主と従者。
その絶妙な距離感が、静かに保たれてる」
(SE:夜風が障子を揺らす)
白巫女(低く、思い返すように)
「……洞窟の巨大妖魔」
白巫女
「最後の方、明らかに力を増していました。
あれは、外からの力です」
あなた
「大元が無理やり力を流したのだろう。
敵勢力全体で見れば、かなり効率の悪いリソースの使い方だが……」
白巫女(静かに補う)
「主様を倒す好機と……見たのでしょうか」
あなた
「そうかもな」
白巫女(少し間を置いて)
「危険、ですね」
あなた(短く、しかし強く)
「だが、その分……ここで勝つ意味は大きい」
白巫女
「……はい」
(短い沈黙)
あなた(真っ直ぐに)
「ついてこれるか?」
(間)
白巫女(強く、迷いなく)
「ついてイキます、主様」
(SE:衣擦れ、身体がわずかに動く気配)
ナレーション
「その返答とともに、白巫女の胸が大きく揺れる。
月明かりが差し込み、
横顔を、どこか幻想的に照らしていた」
(SE:囲炉裏の火が小さく鳴る)
白巫女(少し声を落として)
「……主様」
あなた
「ん?」
白巫女(穏やかに、だが熱を秘めて)
「明日も……私めは、主様のすぐ後ろにおります」
白巫女
「三歩後ろでも……主様が進まれるなら、どこまでも」
(間)
白巫女(さらに静かに)
「ですから今夜は……どうか、少しでもお休みください」
あなた
「お前もな」
白巫女(ほっとしたように、やわらかく)
「……はい、主様」
(SE:静かな呼吸)
ナレーション
「今だけは――穏やかな夜が、二人のあいだに落ちていた」




