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村に一度戻る

(山の風/遠い虫の声/湿った土を踏む音)


ナレーション(低く、ゆっくり)

「洞窟を抜ける。空気が変わる。重くまとわりついていた圧が、背後へとほどけていく。」


(足音、やや重い)


ナレーション

「湿った土。滑らぬよう踏みしめるたび、足裏に現実が返ってくる。」


白巫女(息を整えつつ、まだ浅い)

「……はぁ……っ……」


ナレーション

「歩みは、わずかに遅い。呼吸は整い始めている。だが、完全ではない。」


白巫女(小さく呼ぶ)

「……主様」


(半拍)


あなた(短く)

「何だ」


白巫女(迷いを含みつつ)

「先ほどの判断……正しかったと思います……申し訳ありません」


(間)


白巫女(言葉を選ぶ)

「……私めが足を――」


(言い切れず、息が落ちる)


あなた(低く、確かに)

「大丈夫だ」


ナレーション

「それだけ。だが、その一言で、すべてが繋がる。」


(足音、少しだけ軽くなる)


(遠くに人の気配/煙の匂い)


ナレーション(わずかに明るく)

「村が見える。煙。畑。人の気配。戻る場所の匂いがする。」


(ざわめきが立ち上がる)


村人(気づいて)

「おお……!」


村人(声が広がる)

「帰ってきた……!」


村人(駆け寄る)

「無事だったのか……!」


村人

「巫女様も……!」


村人

「洞窟はどうなった……!」


(足音が止まる)


ナレーション

「立ち止まる。前に、村。後ろに、戦い。」


あなた(落ち着いて)

「奥に大きいのがいる。だが――」


(半拍、視線を向ける)


あなた

「敵は削った。この村に直接の脅威は、しばらく来ない」


(ざわめきが変わる)


ナレーション

「空気が、ほどける。恐れが、安堵へと変わる。」


村人(小さく)

「……本当か……」


村人

「助かった……」


(頭を下げる気配、連鎖)


ナレーション

「頭が下がる。その連なりが、静かに広がる。」


あなた(軽く制して)

「まだ終わっていない。だが、時間は作った」


ナレーション

「重い言葉。だが、確かな前進。」


(半歩、近づく足音)


ナレーション

「白巫女が、一歩前へ。三歩ではない。今は、寄り添う距離。」


白巫女(静かに、よく通る)

「皆様、ご安心ください」


(息を一つ整える)


白巫女

「主様が前に立たれる限り、この地は必ず守られます」


(胸に手を当てる小さな音)


ナレーション

「呼吸はまだ完全ではない。それでも、声は揺らがない。」


白巫女(ほんの一瞬、間を置いて)

「そして、私めも……この身の限り、支えます」


(ざわめきが落ち着き、芯が通る)


ナレーション

「視線が変わる。守られる者を見る目ではない。戦場を越えた者へ向ける目だ。」


村人(低く、願う)

「……頼む……」


村人

「どうか……この地を……」


(短い間)


あなた(小さく)

「……ああ」


(風が抜ける)


ナレーション(やわらかく)

「風が変わる。軽い。戻ってきた空気が、村を満たす。」


(遠くの生活音が戻る)


ナレーション(締め、静かに強く)

「戦いは続く。だが、この一歩は確かだ。――守れた。その重みが、ここにある。」

挿絵(By みてみん)

世界、人物、引用、元ネタ、テキスト等【引用、参考文献等】

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cien(全年齢)

https://ci-en.net/creator/11836

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