表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

異世界はどうして中世ヨーロッパ風が多いのか

———

しょうたが目を開けるとそこには中世ヨーロッパの街並みが広がっていた。

石畳の道に赤い屋根。

道行く人も見慣れないヨーロッパの民俗服のようなものを着ていた。

そうだ。

しょうたは異世界にやってきてしまったのだ。

———

 異世界といえば中世ヨーロッパの街並みだ。

中国や日本、アラブなどいろいろな舞台がある気もするがほぼ一択でヨーロッパだ。

ヨーロッパといっても建築様式が違うような気がするが……。

大抵はドイツあたりではないかなと思う。


 そういえば中世ヨーロッパの建築とは一体どういったものなのだろうか。

中世といえば教会だ。

教会の力が最も強かった時代といっても過言ではないだろう。

教会のような型建築物はかなりの特徴が見られる。

中世といえばビザンツ、ロマネスク、ゴシックの建築様式だ。

ビザンツは丸屋根にモザイク壁画、ロマネスクはアーチや石作りの天井、ゴシックになるとステンドグラスや尖塔など、それっぽいものに変わってくる。

大体の作品は彫刻細工などが見られるため、中世のなかでも後期のゴシックと推測されるだろう。


 ただしそれは教会だけの話。

踏ん反り返る悪徳な王様の住まう場所である王城は基本的に戦う城でもある。そのためきらびやかな装飾なんて不要!

石でガッチガチに作られたベ●セルクに出てきそうなごっつい城塞が中世のホットトレンドであった。

みんなの想像するおしゃれできれいなお城は近世の入り口であるルネサンスの開花を待つ必要がある。

街並みに関してはもう何も言うまい。


 そもそも中世の考えでは冒険者は職業になり得ない可能性すらある。

なんたって中世は人の移動に関税をかけていた。

農民が領地から流出するのを防ぐためだ。

度重なる戦争によって一部を除き、流通もまともではなかった。

こんな世界観で旅をするなんて自殺行為だ。

さすがに思想が中世レベルと表記している小説は少ないが、書いているなら今すぐ近世ロマネスクあたりに書き換えたほうがいい。

それまでのヨーロッパはマジキチ医療に黒魔術、モヒカン野郎も真っ青な野盗の群れで、生き残ることがそもそも困難な状況だ。

多分みんな想像しているのは文化が花開いた近世以降だろう。

マリーアントワネットやシンデレラ城みたいなものを想像しているならほぼ間違いない。


 ところでどうしていつも中世ヨーロッパが舞台なのだろうか?

アラブはともかく中国や日本を舞台にすることはあまりない。

中国だって仙術があるし日本にも呪術が沢山ある。

舞台として不人気な理由に我々が詳しすぎるという点がある。

あの城松本城みたい! といわれれば確かに想像はしやすいがリアルに近すぎてファンタジー感はどうしても薄れてしまう。

想像する余白が少なくなってしまうのだ。


 もう一つは既存のゲームや小説に囚われているという点。

中国っぽい感じでかつ魔法の出てくるゲームなんて正直有名タイトルがひとつ当てはまるくらいだ。

日本風であればそこそこ見当たるがそれでもまだまだ少ない。

ヨーロッパが圧倒的多数なのだ。

もちろん某最後の物語のように舞台が近未来になったりスチームパンクになったり忙しい作品もあるが大抵はドラゴンクエ●トをそっくり拝借した世界観なのだ。


 だから私は声を大にして言いたい。

ヨーロッパ風でも別に構わない。

アラブ風とか絶対資料が足りなくてパンクするし中国風、日本風もなまじ知っている分書き辛いものがあるだろうから。

ただもうちょっと具体的で魅力的な描写を頑張って欲しい。

みんなと同じじゃ寂しいじゃないか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ