4.冒険者ギルドにありがちな謎のランク制度
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異世界に行くと必ず主人公は日銭を稼ぐために冒険者ギルドに行く。
そこで尋常でない活躍を見せつけ、冒険者ギルドから一目置かれる存在となる。
とはいえ物語を書いているうちにギルドのことは頭の片隅から消えてしまうらしく、王様とか貴族とかにコネクションを持つようになると忘れ去られる、哀れな存在だ。
冒険者ギルドの必要性はともかく、ランク制度ってそこまで重要だろうか。
大抵は初心者の過信からくる事故を防ぐためとされている。
恐ろしく丁寧で親切システムである。
冒険者ギルドに登録する奴なんて絶対にロクでもない連中なんだから消耗品みたいなものだろうに。
身元不明の異世界人すら登録できるガバガバシステムだし。
そもそも冒険者ギルドに素行の悪い奴が多すぎるというのも問題だ。
身元保証するならその部分も解決に努めるべきなのでは?
まあその世界では冒険者というのはいわゆる派遣社員やフリーターみたいなもので一種のセーフティネットだとしよう。
するとランク制度にも違和感がなくなるからだ。
現実世界だって英語がしゃべれる人の方がいい給与をもらえるし学歴の良し悪しで仕事が決まる。
職歴だって一つの武器だ。
となるとランク制は職歴と同じだということだ。
なるほど難易度の高い仕事をこなしてきた人間ですよという証でもあるわけだ。
じゃあどうしてある程度ランクが上がると冒険者ギルド自体の存在が薄くなっていくのか?
ここで最初に書いた王様とのコネクションが出てくる。
王様はいってしまえば大企業の社長だ。
社長が目の前の派遣が圧倒的に優秀で、多くの金を生み出す金のガチョウ的存在だと気がつくとする。
それと同時に他の貴族、つまりライバル企業が狙っているとしたら……。
現実世界ではこんな簡単な話ではないかもしれないが、ヘッドハンティングという単語が存在するくらいなのだ。
別におかしい話でもあるまい。
では冒険者ギルドはどうしてそんな雲の上の存在になってしまった彼らに未だにAだのSだのランクを与え続けているのだろうか?
派遣やバイトの雑誌を見ていると答えがわかる。
「正社員への雇用あり」
誰だっていつできなくなるかわからない綱渡り的な生き方よりも貴族に使えて悠々自適に暮らす人生の方がいいのだ。
たまに冒険者を貫くフロンティアスピリットの持ち主もいるかもしれないが、大抵の冒険者ギルドは開拓やら未踏の地を旅する変態どもの応援団というわけでもない。
もちろん並大抵の努力では黄金のチケットは手に入らない。
その努力を煽るのが一握りの成功者の存在。
冒険者ギルドから見れば彼らはいるだけで下位の連中の質を底上げすることができるのだ。
とっても便利だし誰も損しない。
どこかで冒険者ギルドはハロワと同じとつぶやかれていたが、こう見るとリアルもファンタジーもとても世知辛いものがある。