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2.お手軽カタルシス、クラス転移

 今度の話は異世界転移の話をしようと思う。

これは大抵成り上がりとゲームのようなステータスがセットで付いてくる。

転移自体は転生と同じような流れだし、ステータスは後述するとして今回はなろう独自の文化、クラス転移を記述しようと思う。


 クラス転移はつまり学校ごと異世界に拉致されるというこれまた理不尽な話だ。

大抵不良グループと美少女グループが存在し、そのグループに幼馴染ないしは片思いの相手がいるのがテンプレだ。

ちなみに片思いの相手は大抵悪女だし幼馴染はハーレム要員の一人で決して正妻ポジションにはなり得ない。

主人公は不良グループになぜか目をつけられており、転移時に手にした能力がしょぼいせいもあって今まで以上に過酷ないじめにあうのだ。

もちろんそのあとはクラスと別行動になる、もしくは離れ離れになり、しょぼい能力が実は凄い能力でそれを操りながら現地の美少女、大抵は異種族といちゃいちゃしながら自由気ままに旅をする。


世界がやばい?

そんなの関係ないね。


 やがて不良グループが支配する殺伐としたクラスの仲間と再会。

アグレッシブな主人公であれば能動的に接触を図るかもしれない。

どちらにせよ不良を抹殺。

まんまと美少女グループをハーレムに加えるのだ。

最終的にはノリで世界を救ったりするのだが、なぜかこの手の転移は必ずクラスメートの殺害が含まれている。


 普通仲良くクラスの仲間と世界を救ったりするのではと思う人もいるとは思うがそもそもそれならクラス転移の必要がないのだ。

幼馴染の少女と知らないあんちゃんとおっさんあたりが巻き込まれて転移のほうが描写しなければいけない人が少ない分、楽なはずだ。

ではなぜクラス転移なのか。


 それはこのストーリーの一つに現実世界でのいじめっ子への復讐が含まれているからだ。

誰だって嫌いな奴の一人や二人はいる。

もちろん嫌いだからという理由で殺害するなんてことは普通ありえない。


 だが物語の中であれば嫌いな奴を物語から残酷な方法をもって退場させることだって可能なのだ。

考えてみれば現代人の割に、どいつもこいつも殺人への忌諱が薄すぎるのだ。

明らかに殺す気があるとしか思えない不良に、それを受け入れる生徒たち、そして不良を惨たらしく殺害する主人公。


 これは現実でないから受け入れられることであり、誰でも妄想したことのあるだろうことをはっきりと文字に書き出しただけのことなのだ。

その証拠に、クラスの美少女は主人公のハーレムに加わるか悪女かのどちらかしかいない。

主人公以外の男とくっついて幸せに、ということは滅多にないのだ。

それは筆者、ないしは読者の欲望がそれを望んでいないからに他ない。


 ほの暗い作者と読者の心の奥の欲望を描いたもの、それがクラス転移なのではないだろうか?


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