対決の行方
「では、これより三回戦を……」
「良いよ、三回戦やんなくて。」
「「えっ?」」
ハナがそんな事を言った。
てっきり族長も止めるのかと思いきや…
「ふ、そうですね。先ほどの素晴らしい主従関係を見せられたら、そうなるのも頷けます。」
どうやら感動されたらしい。
「うん。ちょっと僕じゃ敵わないかなぁって思って。僕も魅入っちゃったよ。」
「ハナ……」
「ミミ…ご主人様を支えられるのはキミだけだよ。いろいろ言ってごめんね?」
「ううん、良いんです、もう。ハナのお陰でヤマト様の気持ちもわかりましたし、ちゃんと主従関係も持てましたから。」
そう言って2人は抱き合って、お互いの健闘を称えあった。
よくわからんが、仲直りしたらしい。
「では、ヤマト様こちらが我らの伝説の武具となります。」
族長が箱を差し出した。
これは……
「弓矢だな。」
アスリが言った。
そう、弓矢である。
「俺、弓使えねーよ!てか初代勇者って剣だけじゃなく弓も使えたのか!」
「おそらく、アスリ様でも使えるはずです。伝説の武具は勇者が使えるのではなく、選ばれし者が使える物ですから。」
なるほどな…
「ならヤマト、私が貰っても良いか?」
「ああ、もちろんだ!」
「この弓矢の効果はなんだ?」
「その弓の矢は発すれば当たった瞬間相手のその部分を何倍も活性化する事が出来ます。しかし矢は1度放てば消えてしまい、しばらくたたねば復活しません。」
「つまりは、味方を援護するためのものか。」
「そうじゃな。それでヤマトの不動にぶつけたらとんでもないことになるじゃろ。」
「ふ、面白い。ヤマト!私とのコンビネーションが重要になってくるぞ!!」
やけに「私」を強調してきたが…
まぁ確かに強力な技だ。
「ああ、宜しく頼むアスリ!」
その後俺たちは族長とハナと軽く喋った。
「じゃあそろそろ行きましょうか。ヤマト様!!」
「よし!行こう!」
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「次はこのまま行くと、オーガの里ですね。」
オーガ!てことはドムのオッサンの故郷か。
「オーガは基本的に野蛮だと言われています。他種族に対して基本的に排他的な態度をとる事が多いです。その代わり仲間意識が強く、仲間がやられたりすると必ず報復するようです。」
んん、確かにドムのオッサンそのままだな。
あの人テンプレオーガだったんだな。
「なるほどな、慎重に行った方が良さそうだな。」
俺たちはしばらく歩きオーガの里に着いた。門番にはいかにも怖そうなガタイのいいオーガがいた。彼はかなりピリピリしているようだった。
「動くな、貴様、何者だ?」
「ジパング王国から来たヤマトと言う。ファントムを倒すため伝説の武具をいただきに来た。コレが紹介状だ。族長に会わせてもらえないか?」
「ファントムを倒すだぁ?まぁいい、寄越せ」
オーガは紹介状を一読した後、一応納得はしたようで門を解放してくれた。
「な、なんじゃ?コレは…」
「酷い……」
俺は里に入り、異変に気付いた。
周りを見ると、建物は損壊しているところが多く、がれきがそこら辺に散布している。
「こ、これは一体何が……?」
すると門番のオーガは苦渋の顔をした。
「つい先日、ファントムが襲ってきたんだ。伝説の武具を奪いにな。一瞬のことだった。」
俺たちは事態の全貌が掴めぬまま族長のいる家へと向かった。
族長は赤い角、そして巨体であった。
「貴様がヤマトか…噂は聞いている。ふん、確かになかなかの面構えだ。」
「伝説の武具を奪われた、というのは本当か?」
「ああ、ファントムの奴らにな。無駄足だったな勇者よ。」
「無駄足でもないさ。」
「?どういう事だ?」
「ファントムは俺が倒すべき敵でもある。教えてくれ、ファントムはどっちへ向かったんだ?」
そう言うと族長は高らかに笑った。
「ガハハハ!なるほどな、面白い。気に入ったぞ小僧。度胸も勇者級のようだ。ファントムなら今、東の【再生沼】におるはずだ。ワシの能力で感知している。」
「そうか、なら今すぐ行くぜ。今なら取り返せるはずだ。」
「ワシも手伝いに行きたいところだが、残念ながらワシは今里の復興で手が離せん。伝説の武具ならくれてやる。すまんが頼めるか。」
「もちろんだ!!」




