ご主人様喜ばせ対決
俺は龍の里を後にしようとしていた。
「じゃあそろそろ行く。また会おう」
そう言うと族長はマジの顔で言った。
「女が欲しくなったらここへ来い。よりどりみどりだ。いつでも歓迎するぞ。」
周りの竜族の顔を見ても
今にも襲ってきそうな顔をしている。
「あ、あぁ。わかった。婚活する前にここに来るよ……」
「必要ないですよ!ヤマト様には私がいますから!」
それは違うと思うが…ミミ。
そして、ヨミがジッとこちらを見つめていた。
俺もその意味には気づいていた。
「おい、まさかヤマト?」
「ああ、だが止めるなアスリ。もう決めたからな。」
「はあ。」
アスリは深く溜息をつくと、諦めた顔をした。
すまん、迷惑かけるぜ。
「一緒に……来るか?」
俺がそう言うと、ヨミはパーっと明るい顔をして
「うん!!」
そう言った。
「ま、また増えるのですか……アスリ様、どう思います?。」
「まぁあれだな。こうなったら手をつけられる前にヤマトを無理やり襲うか……。」
とんでもない会話が聞こえたが俺は聞こえないフリをした。
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「さてヤマト。次はどこへ行くんじゃ?この近くだと犬族じゃが、そこへ行くのか?」
「うーん。そうしたいんだけど、ミミがね…。」
「私嫌です!犬族なんて!」
「ふーん。じゃあミミはここで待っとれ。妾とヤマトとアスリだけでいってくるからの。」
そう言うとヨミはわざとらしく俺の腕に手を絡ませた。何故か反対側はアスリも絡んできた。
それを見たミミはフー!と息を荒くして、
「わかりました!!行きます!!」
勢い任せにそう言ってしまった。
策士だな…ヨミ。
しばらく移動すると犬族の村が見えてきた。
門番がいたので、要点を説明し、族長がいる中に入れてもらった。
「へえ、確かにみんな犬みたいな耳してるな。」
そう、犬族の特徴は垂れた耳と尻尾であった。
族長もそのような特徴をしており、若く綺麗な女性であった。
「話は聞いています。伝説の武具は差し上げましょう。」
えっ!
「そんな簡単で、いいの!?」
「ええ…我々一族は主を決めたら、その人に全てを持って尽くすという習慣がありますが、私たちはヤマト様の噂を聞いてから、貴方を主にすると決めたのです。協力は惜しみません。」
「へえ、そうか。ありがとう!じゃあくれ!」
「もちろん。ただ1つ問題があります。」
やっぱあんのかよなんか。
「問題?」
「ええ、エルフ族、竜族が仲間にいるのは構いませんが……問題はそこの女!猫族!!猫族がいる限り私たちは伝説の武具を与える事は出来ません。」
「え、何?どういう事?」
族長とミミを見ると、目でバチバチと火花を散らしていた。そして、ミミが口を開いた。
「ヤマト様には言いませんでしたが、我ら猫族と犬族は昔から相容れぬ仲なのです!何かあっては揉め、その度に揉める原因は決まっていました。」
な、なんか嫌な予感がするぞ。
「原因って?」
「男です!!自分の使える主人を取り合って、最終的にいつもケンカになるのです!それは今回も!」
すると、族長は深くうなずき、
「そう言うわけですので、そこの猫族をメンバーから外していただきたい!、と言っても優しいヤマト様の事ですからおそらく断るでしょう。だから我ら犬族で1番優秀な彼女と、猫族の女で戦ってもらいます!」
そう言うと部屋の奥から犬族の女の子が出てきた。
「初めまして、ヤマト様!そして、久しぶりだね。ミミちゃん。僕だよ、ハナだよ。」
出てきた少女は、黒髪でボブヘアー。セクシーではないものの、不思議な魅力を持っていた。
「ハナ!!まさか貴女と戦う事になるとは…!でも、良いでしょう!私は負けません!ヤマト様に仕えるのは、私一人で十分です!」
「ふふ、僕だって負けないよ?」
さっそくヒートアップしている2人だが、俺は気になることがあった。
「戦うってなにで戦うんだ?」
やっぱり純粋な格闘かな?などと思っていると、犬猫の2人は声を合わせて言った。
「「ご主人様喜ばせ対決!!」」
「なんじゃ、その頭悪そうな対決は……」
俺もヨミと全く同じ意見だった……。




