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異世界で転生した俺は勇者へ  作者: ハヤブサ
おてんば鍛治とお人魚姫
12/38

おとぎばなし

「おい、お前ら、怪我ないか?」


「な、ないわ……」

「ウチもない…」


「そうか、ならよかった…」


「なぜ!?なぜ…助けたの?まだ会って間もない私たちを……。」


ナナもマリンと同じ疑問を抱いているようだ。

なぜってそりゃ決まってるよ。


「助けたいと俺が思ったからさ。」


「そ、それだけ?たったそれだけの為に?」


「俺にとってはそれが全てさ、無事で良かった。」


2人の頭にポンと手を乗せると

2人とも目尻に涙を浮かべ抱きついてきた。


俺たちはしばらくそのままにしていた。


帰り道、重要な事を思い出したので聞いてみた。


「そういやお前ら勝負どうする?俺の見た感じではマリンがトドメさしたように見えたけどファントムの介入で確認出来なかったからな。」


そういうとマリンはニコリと笑った。

「私はもういいや、勝負!やーめた!」


それを聞いたナナも笑って

「ウチもやーめた!!」


「「ふふっ!」」


え?なに?急に仲直りしたの?

なんで?

女ってよくわからんなぁ……

「というわけで今回は引き分けとなり、ナナを許すことにしました。」


「ウチもマリンを許すことにした!」


「「お騒がせして、ゴメンなさいっ!!!」」


「との事だ。どうする?お二方。」


2人の族長は考えているようだ…

だが少しして、2人とも笑い始めた。


「そうか!仲直りしたか!!なら今夜は宴じゃあ!!オラやるぞ!!タジン!」


「おー!そうですな!!めでたいめでたい!!騒ぎましょうぞ!!ガンゴ!!」


「!?」

ど、どういうこと?

俺が疑問に思っているとミミが寄ってきた。


「待っている間、いろいろと話を聞いたんですが、どうやらこの種族、ケンカするたびにこうやって仲直りして宴をするらしいです。アホですね。」


アホだわ…


そしてどんちゃん騒ぎが始まった。


「おい、ヤマトも飲め飲め!!」


「いらねーよ」

それより、そうだ!

「族長たち!聞きたいことがあるんだが」

俺はさっきの事をかいつまんで説明した…


するとドワーフの族長は

「ふむ、なるほどな、そんな事が…ファントム達にとってのカリスマか…」


「おそらく初代魔王ではないかと思いますが」


初代魔王…

「どういう事だ?人魚の族長。」


「我々たちが昔から語り継いでいる伝説に初代勇者と魔王の対決があるのです。初代魔王は唯一、勇者を倒した人物であるので、悪のカリスマと言ってもいいでしょう。」


勇者を倒した!?

「どういうことだ!?」


「絵本になっているので、そちらを読んだ方が早いと思います。」


その話を聞いていたアスリが絵本を持って出てきた。

「その本ならさっき読んだぞ。私がヤマトに読み聞かせてやる。」


えっ?お前が音読すんの?マジ?

そんな事を思っている間にアスリは読み始めた。


『【勇者ライド】


むかーしむかし、あるところの沼からとっても怖い人が出てきました。彼の名前はデモンズ。彼は来るなりあらゆる種族に攻撃を仕掛けました。デモンズはとても強く、誰も歯が立ちませんでした。


そこでジパングという国で人々が神に祈りを捧げていたところ、ライドという青年が現れたのです。

彼はデモンズの侵攻を止め、互角の戦いをしました。


何日間も戦い続けたある日。

デモンズが生まれた沼で彼らは戦っていました。

ライドは渾身の力を振り絞り、デモンズにトドメの一撃を加えたのです。しかし、最期の力を使ったデモンズは己もろともライドを沼に引きずり込み道連れにしたのです。


尊い犠牲のもと平和が訪れた世界は、ライドの事を勇者と崇めデモンズを魔王と呼びました。そして、彼らが沈んでいった沼の名前を【地獄沼】と名付けましたとさ。


おしまい』


「なるほど……地獄沼が魔王発祥の地だったのか。」


「そして今でも勇者と魔王は地獄沼の奥底で眠ってると言われてるんじゃ!」


「だとしたら、今日あのテラローシャって奴が地獄沼に現れた理由は…魔王関連か…!」


まずいな、事態が飲み込めてきた…


「オッサン!伝説の武具あんだろっ?くれっ!」


「あげたいのは山々じゃが……儂たちどっちも盗まれちまったんだ。戦争中に、ファントムに」


えええええええええ!

「行くのか?」


「ああ、とりあえず他の武具を探しに行ってくる。」


マリンとナナが頬を染めてこっちを見ている。

「「あ、あの………」」


「ん?」


「また来てね、いつでも、待ってるから!」

そう言うとマリンは俺の頬にキスをした。


「ああー!!ウチも待ってるぞ!!」

ナナは背が届かないのでギューっと抱きしめてきた。


お、おいっ!なんてやつらだ。

アスリとミミが凄い顔でこっち睨んでるし……


「…ああ、また会おう」

そういうとマリンとナナは笑った。


「あー真似しないでよね!ナナ!」


「真似したのはそっちじゃろ!!」


「なによっ!チビ!」

「なんだよ!エラっ!!」

「チビッ!」「エラっ!」「チビッ!」「エラっ!」


「「むむむむむぅ!!」」


「「戦争だああああ!!!!!!」」


やっぱこいつらアホだわ。

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