幻影
コイツがファントム…
異様な気配を感じる…
マスクをしていて顔は分からないし
なんなんだコイツ…
「おかしいですねぇ?ヤマトさん。なぜ生きていられるのか…?確かに今貴方は少々ダメージを食らっているようですが。1番初めの攻撃の時、私には貴方が致命傷を食らうような場所に魔弾が当たったように見えましたが……?少々で済むはずがない。」
「………。」
それは俺も思っていた。
マリンを庇った時、明らかにあいつの攻撃は俺の背中を直撃していた。だがそこまでのダメージはない。
理由としては……
「伝説の武具ですかねぇ?」
「……!!」
そうだおそらく、伝説の靴が致命傷を避けたんだろう。しかしこうも早くバレるとは、コイツ…
「俺の伝説の武具を、狙いに来たのか!?貴様らの目的は、大いなる力を手に入れる事か!!?」
「大いなる力?くくくくく、はーっはっはっは!!……失礼。あまりにも可笑しなことを言うもんでね、つい笑ってしまいました……。」
「なんだと………!?」
「ヤマトさん、貴方転生者なのに何も知らないんですねぇ。【神】も随分と不親切だ。」
神だと?あの髭もじゃのオッサンのことか?
「おい!なんでお前が転生者の事を知ってる!?」
「…いいでしょう。無知な勇者さんに少しだけ我らの目的をお話ししましょう。」
「私たちの目標は一言で言うならカリスマの【復活】です。」
「カリスマの復活……??」
「ヒントを与えましょう。ヤマトさん…なぜ貴方のような転生者が500年に1度この世界に飛ばされるか知っていますか?」
「さぁ知らんな。あの髭もじゃの神様はイレギュラーな存在は例外なく異世界へ飛ばすと言っていた」
「ふふ、イレギュラー。なるほどそういう事か。それは半分嘘ですねぇ。普通転生者は選ばれし1人の者が生涯を終えた時、【天国】からこの世界に飛ばされるのです。なぜなら、【地獄】からの転生者を倒さなければならないからです。」
「地獄からも転生者がいるのか!!」
「ええ…天国からの転生者が勇者と呼ばれるのに対し、地獄からの転生者は魔王と呼ばれます。そして2人は戦ってきた…何千年も…時を超えて。伝説の武具というのは、その初代勇者が身につけていた装備の事です。」
「初代…。でも俺は魔王なんて聞いたことないぞ?」
「そこが計算違いだったところです。今から3年前。ちょうど前の勇者と魔王が決着してから500年が経ちました…しかし、勇者は出てこなかった…。そして魔王も…。その代わりに地獄から転生したのが我らファントム。私たちは魔王の様な力を持たなかった…。しかし5人いればこの世界を手にする事は出来る、と思っていた。しかし出来なかった…」
「お前らは5人でジパング国をやっつけるレベルなんだろ?なぜしなかった?」
「貴方たちは勘違いしてるが、私たちは伝説の武具を無闇に壊さないために本領発揮出来ないわけではない。むしろ壊したがっている。」
違うのか……!?
「伝説の武具には、強力な封印能力が組み込まれているのだ。伝説の武具に近づくほど私たちは弱くなる。だから攻めこみきれない。ヒューマンは勇者以外大して強くないため、ジパングはそこまで手こずらなかったが、それでも伝説の武具の力のせいで私たちは本領発揮出来なかった。」
ならここでコイツ倒せるんじゃ……!?
「おっと、意味のないことしない方がいいですよ?私は今そこのお嬢さん2人を殺せる位置にいますからね……。」
ちっ!
「500年に1度現れる勇者がなぜ現れなかったのかはわかりませんが、3年遅れて貴方が転生したということは、イレギュラーだったという事ですね。そろそろ時間か。ではまた会いましょう。」
「待てっ!カリスマの復活ってなんだよ!」
「ヒントはあげました。後は自分で考えなさい。我々はファントム。魔王の幻のような影。故に幻影…………。」
闇の球体に包まれるとヤツは消えてしまった。
神、天国、地獄、勇者、魔王、カリスマ、復活
伝説の武具、初代、500年、
くそっどうなってんだ……
「何を隠してやがる……!!髭もじゃのオッサン…!!」




