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25、王太子溺愛中

私はエドワード・ルベール・ウィンザー。この国の王太子十九歳。

昨年、雷のおかげでやっと運命の女性を見つけた。年が明けたら結婚式だ。

相手はホワイティエ公爵家の姫、つまり伯父上の娘で従兄妹同士。この国では従兄妹は婚姻不可というどうしようもない壁にぶちあたったが、国家の重大機密を父上や伯父上達から教えられ、ぶっ飛んだ。


我が愛しき姫は当時王国一と言われた魔力の持ち主ブラックウェル侯爵家の亡嫡男バサラとブルーレイ侯爵家の亡女神ユーリアの忘形見。ユーリア殿は現王妃の双子の姉だった。

リリエルの実の兄は、世界の大魔法師・雷神と呼ばれるエルラール殿だ。滅多に会えない方だが婚約式で会い、リリエルをこよなく大切にしているのがわかった。

まあ、そんなこんなで無事に婚約に至った。婚約者になって一年余りが過ぎ、年が変わればリリエルは十六歳、やっと結婚式だ。


王太子の仕事は多岐に渡って非常に多忙。外に出られないというより国王は国にとってかけがえのない存在。外に出てはいけない事になっている。つまり王城に缶詰なので、代わって王太子である私が市井を視察し民の暮らしを確認する。それも危険と言えば危険なのだが、私の場合はこの国最大(いや周辺国一と言って過言ではない)の魔法力を持っている、それも全属性に闇がおまけだ。

しかも側近兼護衛騎士のアレクサンダーは負けず劣らず魔力量が多い。これが機密事項で、実は私の双子の弟だった。その下の弟シュベールも非常な魔力量に創作魔法が強力だ。これも実の弟。

つまりホワイティエ公爵は私達三兄弟の実の父で魔法師団総監督であるほどの魔法師、現国王の兄。

まあ、そういう事なので、魔力量が多くて当たり前だった。私は強いという事だ。

で、より多忙になる。


その超多忙さに、しっかりとついてきているのが我が婚約者リリエル・ブラックウェル。最近は可愛いが過ぎて溺愛気味、リルと呼んでいる。

リルは、透き通る銀髪に淡いスミレ色の瞳がキラキラしている。顔立ちも容姿も申し分なく美しく愛らしく、性格がまた良い、良すぎるのだ。明るく誰にでも慈悲の心を持ち優しく穏やかで、しかも不思議な事に意外とサバサバしていてキリッとしている。

男女のことにはかなり疎いが、公務や慈善活動のことになると、年上ではないかと思うほど力を発揮してくる。書類整理はもちろんのこと、難解な問題を簡潔にしわかりやすくするので、民への発令文書などは、リルがダントツに良いものを作る。数ヶ月前から文官の手伝いを始めたが、文官達の間では《簡潔文書の女神》と言われているらしい。勝手に私の婚約者を崇めるな!と言いたいが、未来の王太子妃の人気が高いのは良いことだ、文官どもから取り上げたいのをいつもグッと堪えている。


ホワイティエ伯父上(実の父上)やアレクサンダーやシュベールに聞くと、幼い頃からちょっと変わっていたと言う。とにかく覚えが早く読書量も多く、何をさせても優秀だったらしい。ただ困っている人、動物、妖精を放っておけないらしく、とにかく助けたがるという事だった。それで何度も危険に遭っているらしい。自分を守るより周りを優先して守ってしまうので、市井や視察に出る時はくれぐれもも注意してほしいと何度も言われてきた。女神の生まれ変わりとまで言われる聖女の光魔法を持つわけだから、慈悲の心が過剰でも当たり前なんだな。


そのリルは、嬉しいことに、私の側に居たいという事が増えてきた。もう可愛いのなんの。

国王陛下と王妃陛下の仲睦まじいことは国でも有名だが、結構デレているのを見て育ってきた私は恋愛にはわりと興味がなかった。それに王太子という立場上、嫌というほど女が群がってくる。あの香水と化粧品の匂いが苦手で、五歳の頃には女性アレルギーになっていた。化粧品で蕁麻疹がでて、香水で吐いてしまう。母上と伯母上以外の女性は一切ダメ。私の側近も侍従も全て男になった。

結婚したくないから、伯父上の息子アレクサンダーが従兄弟だと思っていた時もアレクに王太子を譲りたいと思っていたくらいだった。

それが公爵家であの聖伝輝を見て心を奪われた。化粧っ気もなく香水もつけてないのに春の香りがした。頭から湯気が出ていたのが可愛く見えた。


最近、雷魔法のコントロールを覚えたようで、先日伯爵家の三女に私が襲われかけた後、リルは背を向けたままその女に小さな雷を放って成敗してくれていた。私は別室に運ばれながらリルの魔法を感じていた。なんせそこには私に対する愛があったから嬉しい!


婚約者になってからのリルは色々な素顔を見せてくれる。イメージは最初から変わらない。ただ時たま年上のような頼もしさを感じる。これも贔屓目か。

十五歳の美少女は年が明けたら成人し私の妻になる。結婚式が待ち遠しい。こんなに大切に思えるリルと出会えたなんて、果報者だと思っている。どんな公務も、リルとともに全てこなして行くつもりだ、なんでも来い!


読んでいただきありがとうございます。明日21時ごろに投稿予定です。

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