表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
産廃水滸伝 ~産廃Gメン伝説~ 1 産廃ゴールドラッシュ  作者: 石渡正佳
ファイル1 産廃ゴールドラッシュ
22/22

逆恨み

 六甲建材事件は警察的には一件落着した。赤磐の倅が執行猶予付きの刑を受けて釈放されたとき、会社は既に解散し自宅は銀行に差し押さえられガレージに並んでいた高級外車も誰かに売り払われていた。死んだ父親が彼に残したものは前科と負債だけだった。

 「ちきしょう」事務所の鉄骨を蹴飛ばすと、赤磐は農道をやみくもに走り出した。

 翌日、県が許可取り消しに二の足を踏んだため何事もなかったかのように営業を続けているエターナルクリーンの搬入口に赤磐が潜んでいた。目の前をあのランクルが通り過ぎた。赤磐は懐に隠したサバイバルナイフの柄をしっかりと握り直した。車から降りたのは筋骨隆々とした若い衆だった。狙っていた女ではなかったが相手は誰でもよかった。死んだ親父の面目を快復すれば組を再興できると思い込んでいた。

 「ワーッ」赤磐は雄叫びをあげて男の脇腹に突っ込んだ。

 翌朝の新聞の社会面に返り討ちにあって死亡した赤磐の記事が小さく載った。六甲建材事件は伊刈にとっては環境事務所に着任して最初に手がけた本格的な不法投棄事件となった。彼はこの事件からさまざまな教訓を学び取り、そこで試みた戦略の一つ一つが後に重要な発展をとげることになった。この事件に最初に行き当たったことは運命的ですらあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ