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スリー・ドッグ・ナイト
「結局のところ、さ。どっちがどっちとデキてんだい? それとも三人で――?」
今まで何度となく訊かれたし、これからだって同じだろう。
俺の左隣の奴なら、その質問が終わる前に奴さんの下の歯を全部脳天にぶち込むだろうし、右隣の奴なら舌が回る限り大喜びで嘘八百を並べ立てる。俺の答えは一番つまらない。少し眉尻を下げて、こう言う。
「俺たちはそういうんじゃないんだ、本当に」
真実はいつだってご期待にそえない。
俺たちは必ず一緒に眠る。
絶世の美女とベッドを共にしてても、どてっ腹に風穴が空いてても、眠るときは残りの二人が待つ毛布や、テントや、廃墟や、ゴミ箱の後ろや、死体の山の影だ。折り重なって、幸福な仔犬のように。ただし母犬はいないし、主人を温める気はさらさらない。
誰かが欠けたりしない限り、じいさんばあさんになってもそうやって眠る。誰かが欠けたら? 全員が終わる。俺たちは三人じゃないと眠れない。古臭い歌詞みたいな比喩じゃなく。俺たちは互いの体温がなければまどろめもしない。
まるで業病だ。
(了)




