村人
こっから、怒涛の展開、にはなりません。
村長のお家に、村人の代表たちが集まった。
って言っても、各家の家長が来ただけみたい。
お家も、20件くらいの小さな村。
お年寄りが多くて、若者は遠くの街で働いてるらしい。
子供も、村長さんちの孫たちくらい。
平均年齢、60オーバー?
そんな面々は、私を恐る恐る見てる。
なんか、怯えられてる?
村長さんが、私の紹介をしてくれる。
山の泉から出てきた辺りで、みんなどよめく。
それよりさ、違う世界から来たことを驚いてくれよ。
まあ、想像つかないだろうけど。
ラザも村長の隣にどっかりと座っていて、村の重要人物っぽい。
村長のあとに、厳かな雰囲気で口を開く。
「前の寄り合いでも告げていた、山の神がとうとう降臨下さった。この髪と目の色が何よりの証拠じゃ」
確かに、とお年寄りたちが顔を見合わせて頷いている。
まずいぞ。早めに誤解解いておかねば。
「えーっと、、、私、普通の、、、」
「皆の者、心してよく聞くが良い。山の神からの、ありがたいお言葉じゃ。ワシらのこれからの命運は、このお方次第となる」
ラザさんが、全くもって余計な盛り上げをする。
全員が、期待と不安、羨望の眼差しで、私に注目している。
唾を飲む音も聞こえる。
これ、ほんとのこと言えなくない?
村長さんを見ても、ふにゃふにゃ笑ってるだけ。
「えと、、、山を、、、大切にして下さい?」
おーーっ!と歓声と大きな拍手が起きた。
やべー、森山新奈、山の神のフリしちゃいました。
すみません、まだまだ食堂開きません。