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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第70話 世界情勢

 次の日。

 日曜日であるため、黒島は家でゆっくり過ごしている。

 と同時に、スマホを使って情報収集を行っていた。

 そんな中、黒島はある記事を見つける。

 それは中国の中央論報新聞の社説であった。

 その内容は以下の通りである。


『日本はレッド・フリートの活動を制限すべきだ』

『最近のレッド・フリートの活動は、単純に見れば、傲慢そのものである。先日の朝鮮半島爆撃事件の時もそうであったが、レッド・フリートの活動が不透明な中で、このような事件が発生したのは、日本という国が積極的に民間の手綱を取らずに自由主義という名の元で活動をさせ続けているに他ならない。これでは国家の恥であることを自覚したほうがよい。それと同時に、高校生と宇宙人という、年端も行かない少年少女と、得体の知れない存在に地球の防衛を任せていること自体が間違っている。ここは国家が主導して彼らを管理し、また代替が効くような状況に持っていくことこそが、本来公務員や役所が行うべき仕事であるだろう。なぜ、日本がこのようなことをしないのか不思議でたまらない。これでは人類を守れないだろう。そこで一つの提案がある。レッド・フリートの活動を国連に任せ、さらに代替可能なように、軍人を配置するというのはどうだろうか。軍人ならば青年二人に任せるよりかは、はるかに効率的にレッド・フリートを活用することができるだろう。中国共産党はこれを日本政府に打診すべきだ。そうすれば、真の意味での国際平和が実現できるだろう』


 なんとも辛辣なことが書いてある。

 しかし言っていることも確かであろう。青年二人と宇宙人、それの肩に人類の希望が乗っかっているわけだから。すると、彼らには荷が重すぎる。適任の軍人でも充てるのが筋ということだろう。

 しかし、それは叶わないことだろう。それは、中央論報新聞の中で言っている宇宙人だ。

 この宇宙人であるレイズが、人類の代表は黒島であることを公言している。これは言い換えれば、黒島しか人類の代表であることを認めないということになる。

 これでは、仮に黒島の代わりとしてやって来た軍人にはなんの興味を示さないことを意味するだろう。

 そうなってしまえば、レッド・フリートの活動どころではなくなってしまう。

 しかし今、そのような論調が世界中を駆け巡っている。

 例えばロシア。日本が有する独占的な知的生命体の技術を全世界に向けて発信すべきであるという動きが高まってきている。

 例えばイギリス。日本が白の艦艇から技術を得た可能性があるという報道があってから、国際協調から二ヶ国間優先の外交に切り替えてきている。

 例えばフランス。白の艦艇の機関から未知の物質が採取されたことを受けて、早速共同研究の打診を行ってきた。

 どちらにせよ、この国々が考えていることはただ一つ。


「日本ばかりが恩恵を受けていてズルい。俺にも受けさせろ」


 この一点のみである。

 実際恩恵ばかりを受けているわけではないのだが、それでも「隣の芝生は青い」というような言葉があるように、他の者がやっていることは何でも良く見えてしまうのだ。それが多かれ少なかれ、日本に降りかかってきているということだろう。

 さらに翌日。この日は学校があるため、黒島は学校へ登校していた。その道中でも簡単にニュースをチェックしていた。

 その内容の一つに、様々な軍事機構から声明で、日本に対する技術的優位性について、不公平であるという旨の通告があったようだ。

 傍から見ればそのように見えるのだろう。しかし、当の日本もやるべきことはしているようだ。

 それは昨日の記者会見にて、総理大臣の発言である。


『現在、知的生命体、通称流浪の民に関しまして、世界各国から問い合わせが続けざまに来ています。そのような中で、あえて国名は申し上げませんが、レッド・フリートの管轄を国連軍に完全に移行するか、解散するかといった脅迫めいた文言が届いています。結論から申しますと、これらは全く考えていません。レッド・フリートはあくまで我が国が主体となって、国連軍と共に知的生命体と戦っていく所存です。また、そこから得られた新しい技術や知恵は、我が国のみならず、世界各国の研究所と共に歩んでいくことをお約束したいと考えています』


 これは、簡単に言ってしまえば、国はレッド・フリートのことを守ることを宣言したことに過ぎない。

 そして、世界各国と協力していくことも視野に入れているということだろう。

 これはこれでありがたいことではある。

 レッド・フリートが日本の支援の元に活動できることを表しており、また研究などは他国にも協力を仰ぐことを示しているのだ。

 日本にしてみれば、このような言葉通りにしておかないと、今後の外交にて支障をきたす恐れがあるが、この言質を取った各国からしてみればありがたい話ではあるだろう。

 早速外務省にはその関連の問い合わせがやってきていたようだ。

 とはいっても、ここまでは黒島に取ってはあまり重要なことではないが。

 重要なのは、トランスが主導で開発を続けている無人艦の研究くらいだろう。

 これがどうなるかは、しばらく時間が経ってみなければ分からない。

本日も読んでいただきありがとうございます。

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