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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第46話 集結

 それから数日経ったある日。

 この日は自宅から授業を受ける日であり、黒島はパソコンの前に座っていた。

 そんな時に、黒島のスマホにメールが入る。黒島はそのメールを見てみた。

 それは、霞ヶ浦基地司令部からのメールである。


『日本時間11日8時44分ごろから、アメリカ宇宙軍の観測衛星が大西洋上空120kmにて敵の艦艇が集合しているのを確認した。数は次第に増えており、現在の所1000を超えている。おそらく地上に侵攻するものであると考えられるため、現在国連軍は早急にこれを撃破しようと計画を立てている。申し訳ないが、この計画に協力してもらえないだろうか?』


 このように連絡が入った。


(どうするかなぁ)


 黒島は少し悩んだ。

 選択肢としては、行かないこともできるだろう。しかしいくら白の艦艇群であっても、地球の技術で何とかなるようなものではない。

 手を貸したところで、いつものように紅の旗艦でなんとかなってしまう可能性も否定できない。だがそうでもしないと国連軍が壊滅状態に陥ることになりかねないのだ。

 黒島は決心する。


「行くかぁ……」

「なにか言いましたか?」

「あ、いえ何でもないです」


 思わず口に出てしまっていたようだ。

 授業が終わったすぐあとに、黒島は後藤に連絡をする。

 後藤も黒島に同調しているようだ。


「国連軍の人たちも大変でしょ。私たちが手を貸さないと大変なことになっちゃうもんね」

「その通りだよなぁ」

「でもそれが次々に集合しているわけでしょ?そのうち軍勢になって押し寄せてこないかな?」


 そんなことを後藤が口走った時、レイズが湧いて出てきた。


「祐樹さん!白の艦艇が集合してきてますよ!」

「知ってます。大西洋上空でしょ?」

「そうですけど!数が多くなっています!」

「どのくらいです?このままだと、4000隻を超えそうです!」

「4000か。大変な数ですね」

「ここは紅の旗艦が先導して白の艦艇群を叩くべきです!」

「ですけど、我々は国連軍、もしくは日本軍に所属している身です。彼らの意向を汲まない限りは迂闊に動けないと思いますが」

「ぐぬぬ……」

「まぁ、八十野さんに指示でも仰ぎましょう」


 そういって、黒島はメールを打つ。

 そうしている間にも、次の授業が始まろうとしていた。

 そのまま授業を1コマ受け、メールを確認する。

 すると、そこには、ある文章が書かれていた。


『すでに敵に動きあり、現在米国上空に移動している模様。至急基地に集合されたし』


 緊迫している様子が見受けられる。

 幸いにして、この時間は昼休憩だ。黒島は後藤に連絡をとって、霞ヶ浦基地に向かうように言う。

 意図を察した後藤は手早く準備を整え、そしてワープした。

 今回は私服での基地入場であったが、身分証の提示でなんとかなった。

 基地の中を走り回り、どうにかして司令官室へと赴く。


「失礼します!現状は!?」

「やぁ、黒島君に後藤君。状況はあまりよろしくないようだ」


 そういって大型モニターに表示されている映像を見せる。


「現在のラスベガス近郊にいるアメリカ空軍からの映像だ。どうやら敵は大西洋から移動してきて、アメリカ上空をゆっくり横断しているそうだ。降下予測地点はラスベガス。今から国連軍宇宙艦隊を出撃させたところで、間に合うわけでもない」

「私たちがいます!」


 そういってレイズが言う。


「確かに君たちなら何とかしてくれるだろう。しかし、君たちはあくまで日本軍の仕組みに組み込まれたうちの一つ。命令がない限りは動くことはできないよ」

「そんな……」

「おっと、始まったようだね」


 映像には、空対空ミサイルを発射しているアメリカ空軍の姿が映っていた。

 しかし、そんな攻撃も白の艦艇の前には無力だ。

 次々とミサイルが撃ち墜とされていく。

 そして反撃を受ける。

 たった1隻からの対空砲撃によって、アメリカ空軍の戦闘機十数機があっという間に撃墜されてしまった。

 それを見かねたレイズが叫ぶ。


「これでも同盟関係でしょう!どうして助けに行かないんですか!」

「これも人類の戦いというものだよ。あくまで今の主体は米国だ」

「そんな……」

「もちろん、並行進行で国連軍宇宙艦隊の出撃に関して協議が行われているだろう」


 そんな中、司令官室に士官が入ってくる。


「失礼します。軍事参謀委員会からです。国連軍宇宙艦隊の緊急出撃を容認する命令が下されました。以降、艦艇が現場に到着次第各個攻撃を開始せよとのことです」

「だそうだ。黒島君、後藤君、レイズ君。我々も出撃する。君たちは先に現地へ向かってくれ」

「了解」


 そういって、黒島たちは部屋の外へと駆け出した。


「ふぅー」

「気に病むことでもありますか、少将」

「いや、今の地球で最も戦力を持ったのが、高校生二人と元敵の宇宙人というのが忍びなくてね」

「そうですか」

「本来なら、こういうのは我ら大人のやるべきことだ。そして人類の技術で対処すべきことなんだ。それがどうだ?現状正反対の状況に置かれている」

「それもそうですね」

「戦場に子供を出すのは、いつの世もやるべきことではないんだろうさ」


 そういって、八十野は溜息を一つついた。


「さて、私の仕事でもするかな。まずはレッド・フリートがもっと自由に動き回れる仕組み作りからだ」


 こちらでもある種の戦いが始まっていた。

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