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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第22話 味方

 時は少しさかのぼり、日本時間10月11日夜22時前。

 レイズは紅の旗艦の中にいた。

 そこにはトランスも一緒におり、これから国連本部に向かうというところだ。


「何もトランスさんまでついてこなくてもいいじゃないですか」

「こういう監視は生で見ておいた方がいいからな」

「あなたは私の親ですか」

「何か言ったか?」

「なんでもありませーん」


 そういうと、時間が迫ってくる。


「それじゃあ、そろそろ行きますか」

「ちゃんとやってくれよ」

「分かってますって」


 そういって、レイズは動画の撮影を開始する。


「はい、皆さんこんばんわ。レイズ・ローフォンです。これから私は国連本部に向かおうと思います。こうなったいきさつはですね、なんと国連本部にお呼ばれしちゃったんですよ。そこで、私はこれから国連本部上空に行ってきたいと思います」


 そういって、レイズは艦を動かす。

 そしてワープする。

 その様子も映像に残す。

 次の瞬間には、国連本部の直上にいた。


「はい、皆さん、ここが国連本部です。すごく大きいですねぇ」


 そんなことを約10分ほどしゃべり通す。


「おっと、私のレーダーにアメリカ空軍の戦闘機が映ってきました。まだ遠くですが、そろそろお暇しようと思います。それでは!」


 そういって、レイズは艦を動かす。

 艦を上空に上昇させ、そのままワープした。

 いつもの亜空間に戻ってきたレイズは撮影を終了する。


「ふう、これでいいですか?」

「あぁ、問題ない」

「あとはこれを編集して投稿しないと……」

「だいぶ人類側に染まってきたな」

「そうですかねー」


 そんなことを言いつつ、レイズたちは黒島のスマホに戻ってきた。


「あ、おかえりなさい」

「ただいまです」

「ツイッチューブでも大騒ぎでしたよ」

「そうですか。とにかく、これを編集しないと」


 そういって、レイズは映像をチャチャッと編集する。


「いやぁ、さすがレイズさん。編集が早い」

「そんなおだてても何も出ませんよ」


 1時間もしないうちに、約4分程度の動画が出来上がる。


「さ、投稿しちゃいましょう」


 そういって、レイズはレッド・フリートのアカウントに動画を投稿した。


「よし、これで問題はないですね」

「さて、次の現れる場所を決めようか」


 そんな感じで黒島たちはワイワイとやっていく。

 一方、国連本部上空に紅の旗艦が現れてから1時間後、軍事参謀委員会では今後の対応を話し合っていた。


「先の紅き艦の登場、これは確信してもいいんではないかね」

「あれは我々の味方と見てもいいだろう」

「それには賛成だ。しかし、感情論で推し進めるのは些か不都合というものではないか?」

「それもそうだ。我々は理的な人類だ。理論的に紅き艦を味方につけるべきだろう」

「しかしどのようにしてこちら側に引き込むか?」

「今の所、頼りになるのは、このツイッチューブのアカウントだけだな」

「どうやってここから味方にするべきか、案はあるのか?」

「現状としては、国連安保理に意見具申して、各国の警察に協力を仰ぐしかあるまい」

「このアカウントの追跡調査を行うというのか?」

「気の遠くなるような作業だな」

「だがほかに方法がないのも事実だ」

「そうだな。ひとまず、これを決議案として安保理に提出しよう」


 こうして、国連安保理の非公式協議としてこの決議案は提出され、そして決議された。

 この決議案は、インターポールを経由して、世界各国に対してレッド・フリートのアカウントを捜索するように勧告するものである。

 このアカウントの捜索にいち早くとりかかったのはアメリカであった。

 もともとツイッチューブの本社がアメリカにあるのが大きな理由であり、次いで紅き艦を味方につけることができれば自国の軍事力の強化につながると考えたからである。

 そのころ、日本の公安も動いていた。

 公安としてはまったく乗り気ではなかったものの、現在の国際情勢や政府からの圧力、また日本語が使用されている経緯などを踏まえた上での判断である。

 それから数日後。

 いつも通りの日常を過ごしている黒島のもとに、レイズが不穏な報告をする。


「この携帯端末が調べられています」

「どういうことですか?」

「おそらく公安が動いているということでしょう。私のことを調べているのかもしれません」

「そんなこと分かるんですか?」

「えぇ、これでも攻撃特化の艦をやってませんよ」

「それ関係あるんですか?」

「それはそうとして、もしかすると1週間くらいしたら黒服の人間がやってくるかもしれませんよ」

「そんな怖いこと言わないでくださいよ……」

「とにかく、これから1週間は気を付けてくださいよ」

「へーい」


 黒島は適当に返事を返すのだった。

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