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異次元無双の紅き艦  作者: 紫 和春


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第124話 第二次地球防衛戦 中編

 新ISSの周りに集結している旗艦級に、白の艦艇群が迫って来た。

 そこへ、まずは先制攻撃と言わんばかりに、紅の旗艦が攻撃を開始する。


二重銃身回転式狙撃銃ダブルバレルスパイラルスナイパーライフル発射!」


 こちらに向かってくる一本の糸のような白の艦艇群に、狙撃銃のビームが命中する。

 それにより、白の艦艇群は簡単に数千が撃墜される。

 されど数千隻だ。地球を取り囲んでいる白の艦艇群は1億を超えている。


「橙の旗艦出撃!白の艦艇群の生体艦長を破壊せよ!」


 そうトランスが指示すると、橙の旗艦はゆっくりと前進し、白の艦艇群に向けて攻撃を開始する。その様子を見ていた、プレイヤーである橙の艦艇群も攻撃を開始した。


「おっしゃ俺たちも行くぜ!」


 そういってロビン率いる翠の艦艇群が白の艦艇群を翻弄するために猛スピードで突っ込んでいく。その速度はマッハ12にも達しようとする程である。

 翠の艦艇群はその勢いのまま、白の艦艇群に攻撃を加えていく。白の艦艇群は翠の艦艇群の攻撃を回避することができずに、簡単に撃墜される。


「私たちはここで防衛」


 蒼の旗艦とその艦艇群は、新ISSと黒の艦艇群を防衛するため、その宙域に展開する。

 そしてバリアを展開し、黒の艦艇群の防衛に入った。


「俺たちも出ましょう!」

「そうですね」


 そういって黒島たちは前線に赴く。

 そこには、レッド・フリートのことを沈めようとする白の艦艇群で視界が埋め尽くされていた。


「こんだけの白の艦艇を相手するのも初めてですね」

「全部撃沈できるか不安だなぁ……」

「大丈夫、そのために紅の旗艦がいるんだから」


 そういってレイズは後藤に笑いかける。

 実際その通りで、この危機的状況を打開するために紅の旗艦がいるようなものだ。

 黒島は紅の艦艇群を率いて、積極的に白の艦艇群を攻撃する。


「機関出力310%!なおも上昇中!」

「主砲一斉射!」


 全方向に向かって、紅の旗艦は主砲を射撃する。もちろん、味方である紅の艦艇群や、他の旗艦級とその艦艇群に攻撃が当たらないようにしている。

 しかし、その配慮は余計だったのか、攻撃を避ける白の艦艇群が出てきた。

 そして紅の旗艦や艦艇群の攻撃を躱した白の艦艇群が、紅の艦艇群を次々と撃沈していく。


「ちぃ!」


 黒島は振り回すように、紅の旗艦自体を旋回させる。

 そしてぶん回した状態で、砲撃を敢行した。

 多少白の艦艇群による攻撃で沈んだ紅の艦艇群もいたものの、紅の旗艦の活躍によって白の艦艇群を沈めることに成功する。

 しかし、ある宙域に留まっていたため、どんどんと白の艦艇群がやってくる。


「不味いな……!このままじゃ白の艦艇群に包囲される!」

「黒島君、下!」


 後藤の忠告に、黒島は素早く下を見る。

 するとそこには、紅の旗艦に突貫しようとする白の艦艇群がいた。

 思わず黒島は身を捩るように、紅の旗艦を横に移動するようにロールする。

 直後、先ほどまでいた場所を白の艦艇群が通過した。


「あっぶねぇ……」

「黒島君、まだ来るよ!」


 通過した白の艦艇群が方向転換し、再び紅の旗艦めがけて飛び込んでくる。


「全門前方に火力を集中!」


 艦首を白の艦艇群の方に立てて迎撃する。

 先頭にいる艦艇を筆頭に、次々と撃沈していく白の艦艇群。

 しかし紅の旗艦も無傷ではいられなかった。

 白の艦艇群の残骸が、慣性の法則にしたがって紅の旗艦に降り注ぐ。


「きゃあ!」


 思わず後藤が叫ぶ。

 しかしやるべき仕事はきっちりやっているようで、紅の旗艦はバリアによって防御されていた。


「こうなったら必殺技を出すしかないですね!」

「必殺技?」


 レイズの言葉に、黒島が聞く。

 すると、レイズは何かを操作する。


「紅の艦艇群、スフィアモード!」


 そういうと、紅の旗艦の周りに紅の艦艇群が群がってくる。

 そしてそれは艦尾を紅の旗艦に向けるようにして球状に整列した。


「これが、スフィアモード?」

「紅の艦艇群の攻撃力を最大限に引き出すための方法です。これなら、全方向からの攻撃にも耐えられます」


 そういった直後、一部の紅の艦艇群が撃沈される。


「……最強ではないんですけどね」

「そういうの早く言ってください!」


 そういって黒島は穴の開いた方に艦首を向けて、白の艦艇群に攻撃を敢行する。

 スフィアモードになった紅の艦艇群は、白の艦艇群の攻撃を受け止める代わりに、全方位に向かって攻撃ができるという強力な攻撃力を得た。

 もちろん、白の艦艇群の攻撃をまともに食らっているわけだから、相当数の紅の旗艦が撃沈していることになる。

 しかしそれ以上に白の艦艇群が墜ちていることもあって、スフィアモードの紅の艦艇群は多いに活躍した。

 そしてそのまま10分ほどしただろうか。

 白の艦艇群の攻撃が止んだ。


「攻撃が止んだ……?」

「今この周辺の宙域に存在する白の艦艇群がすべて撃沈されただけですよ。そのうち地球の裏側にいた白の艦艇群がやって来ますよ」

「そっちは無事だったか」


 そんな中、トランスがやってくる。


「だいぶやられたな」

「えぇ、損耗率15%とったところでしょうか」

「えらくやられたものだな。こちらは蒼の旗艦と艦艇群がいたからそこまでではないが、そこそこやられた。特に橙の艦艇群の損耗が激しい」

「そりゃ、こんなに敵がいるなら、無双システムでもなければ難しいでしょうよ」

「とにかく、第二陣が来る前に準備を整えておけ」

「了解」


 そういって、レッド・フリートは次の襲撃に備えるのだった。

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