猫の死
数ヶ月前に猫が死んだんだけど、数ヶ月経ってもまだ心の中に猫がいるので、ビビり散らかしている今日この頃、いかがお過ごしですか。私はまあまあ元気です。すごいの。愛したものがいなくなっても、別に翌日に世界が終わったりはしないんだわ。まあ犬もハムスターもデグーもヘビもメダカもいるので、終わってもらうわけにはいかないのだけれど。
自我が確立してから、人生で初めて猫がいない日々を過ごしているので、戸惑うばかりです。ペットショップに行くじゃん。ハムスターの餌とか犬のおやつを見るじゃん。そのまま流れるように猫コーナーへ行って、「ウエッティなごはん、安くなってないかな」と見るわけよ。ウエッティなごはんとは、猫用パウチのことを我が家ではそう呼んでいました。
食べる者は、もはやこの世にいないのに!?
ペットショップに入った瞬間、何らかの精神攻撃を受けて、猫がいないという事実を忘れさせられている可能性がある。たすけてくれ……。
今回亡くなった猫は、オス猫のおこちゃん。本名は千歳と書いてチトセ。長生きするようにと、当時まだTwitterと呼ばれていた場所でフォロワーに名付けてもらったものでした。十八歳くらい生きたので、オス猫としては寿命をきっちり生き抜いたと言ってよかろうね……。
来た時は子猫だったから、こねちゃん、おこねちゃん、おこちゃんと、ニックネームの方で呼びすぎて、老爺になっても子猫の時の名前を呼び続けたまま終わりました。最終進化としては、オコチャロス・キャット・チュピチャとかになっていた。猫の名前は流動体なので仕方ないね。
おこちゃんに長生きしてもらいたかったのは、その前に飼っていた猫が、子猫のうちに持病で亡くなったからです。その時は二匹飼っていて、平太くんというオス猫が、乳首が禿げ上がるまでその子に乳を吸わせていた。乳が出ていたのかは分からない。オス猫なので。でも爆裂母性で、せっせと育てていました。
ほぼ平太のワンオペで育てられた子猫、きくらげ。享年、生後半年。職場の車の隙間に挟まっていたところを発見され、私に押し付けられし猫。治療費に八万円かかって、その直後に宝くじで八万円が当たり、きっちりペイしたので、彼は人に借りを作らない武士のような子猫でした。
これから新しく猫を飼うことは、何かしら人生のイベントが起きない限り、たぶんないと思います。箱の中で震えている野良猫とエンカウントするとか、そういう不可抗力がない限りは、飼わない。一人暮らしなので、私の方が先に死ぬ可能性を考えると、それはあまりにも残酷だからです。
つまり、これから猫がいない人生が、連続して続いていく……!?
気が、狂いそう!
いずれ慣れる日が来るのだろうか。猫コーナーの前で立ち止まらず、ウエッティなごはんの値段を確認せず、その値札を見ながら「もう買わなくていいんだった」と思い出さなくなる日が。
救われたい。




