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人生、だいたい想定外。~創作・育児・日常エッセイ集~

本日の夜食はブリカマ!アサヒスーパードライ!君に決めた!と思っていました

作者: 白鐘
掲載日:2026/07/07


前日の夕方、スーパーで半額になっていたブリカマを見つけた。


賞味期限は翌日。


「これはイケる」


夜に焼けば煙や匂いで子どもたちが大騒ぎになる。ならば朝のうちに焼いてしまい、夜は温めるだけ。


子どもたちが寝静まったら、ブリカマをつまみにアサヒスーパードライをキメる。


完璧な作戦である。



翌朝。


子どもたちを保育園と学校へ送り出し、休日の私は動き出した。


まずはブリカマを水で洗って拭き取り、塩を振る。

十五分置いて浮き出た水気をさらに拭き取り、もう一度塩を振る。


そして、ナショナル製の年季が入った魚焼きグリルへイン!


このグリルが実に優秀なのだ。

最新家電には出せない、香ばしい焼き色と、身はふっくらとした絶妙な焼き上がりにしてくれる。


焼き上がりを待つ間も無駄にはしない。

子どもたちの夕飯を一気に仕上げる。


ハヤシライス、だし巻き、鶏肉のチンジャオロース、板ずりキュウリ、モヤシの甘酢漬け。


今夜は子どもたちには腹いっぱい食べてもらう。

そして、ぐっすり眠ってもらう。

迅速に。


私にはその後、ブリカマとアサヒスーパードライという至福の時間が待っているのだから。



グリルから、かぐわしい香りが漂い始める。


じゅ……じゅわ。


脂が落ちるたび、小さく幸せな音が響く。


年季が入りすぎて覗き窓はほとんど役に立たない。だから時折蓋を開けて焼き具合を確認する。



そして、焼き上がるブリカマ。


表面は脂でつやつやと輝き、塩の粒がキラリと光る。ほどよい焦げ目が食欲を刺激し、身はふっくらと盛り上がっている。


……これは反則だ。


「ちょっとだけ。ちょっとだけだから」


箸を入れる。

ふっくらとした身に、箸がすっと吸い込まれる。

じゅわっと透明な脂があふれ出し、香ばしい香りが鼻をくすぐる。


味見。味見だから。


……至福。


この一口が、すべての始まりだった。


ブリならではの濃厚な旨味と、とろけるような脂の甘みが口いっぱいに広がる。

塩だけの味付けだからこそ、その甘さが際立つ。


もうちょっと。


骨から身を外し、さらに箸を進める。

食べやすいように左手でブリカマをひっくり返す。


骨の隙間に残った身を見つけては、箸で丁寧にほじる。

この骨の周りが、また格別に美味い。

脂の甘みと、香ばしい焦げ目のほろ苦さ。

気づけば、また箸が伸びていた。


ちょっとだけ。

そう思っていたはずなのに、箸は止まらなかった。


左手はブリの脂でてかてかに輝き、指先からは香ばしい匂いが漂う。


胃袋も、なんとも心地よく満たされている。


「あー……満足ー」


そう呟いて皿へ目を落とす。


……。


…………。


骨と皮しか残っていない。


「……やっちゃった」


私の華麗なる夜の予定は、その瞬間、静かに消滅した。


ブリカマをつまみに飲むはずだったアサヒスーパードライは、冷蔵庫の中で、ただ出番を待ち続けている。


「…………まあ、美味しかったからいっか」


子どもたちには秘密の話である。



ブリカマが美味しすぎた。これは不可抗力である。

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― 新着の感想 ―
ブリカマの塩焼き!!もうこれは間違いないです!♪ いや、これは焼きたてが美味いんで仕方ないですよね。ちゃんとご家族の晩ごはんもしっかりと作りながらの調理凄いですね♪ >ナショナルの魚焼きグリル 家電…
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