32話 エピローグ
――同刻。
氷獄帝フローゼが治めるフロスト・ランドの白零城の浴室。
勇者ローランを同盟である魔王軍にけしかけた罪を問われ、フローゼはしばしの間、城内での謹慎を命じられていた。
フローゼは氷水の張られた浴槽で、氷浴みをしていた。
「フローゼ様。入浴中に申し訳ございません」
「そんなに急ぎ立てて、いったい何かしら」
フローゼは部下の報告に目も合わせず、浴槽のなかで雪のような白い肌を拭い続ける。
「外に奇妙なモンスター娘がいたので、捕まえて参りました」
「奇妙?そんなのいちいち報告しなくと、そのまま葬ればよくてよ」
「しかし、フローゼ様。そのものは自称・異世界出身の魔道士と言ってます」
「異世界?」
フローゼがようやく部下のモンスター娘のほうをちらりと見る。
「面白いわ。案内しなさい」
「はっ。かしこまりました」
フローゼは浴槽から立ち上がると、濡れた髪のままばさりとローブを羽織る。
そこにいたのは、両腕を後ろで縛られて、正座をさせられている少女がいた。
フードの部分がサメの口になったパーカーを着たサメ型のモンスター娘だ。
サメのモンスター娘はこちらに気づくと、視線で上から下まで、じっとりと舐めるように眺めると。
「おほー! 濡髪美人! そんな恰好でまったくけしからんです」
「……死刑よ」
「ははっ!フローゼ様!仰せの通りに」
「ちょっと! こんなにかわいい乙女をいきなり処刑なんて酷いですお」
「ほう、じゃあ。ダンジョンで奴隷として働くのがよろしくて」
冷笑気味で汚物でも見るように見下す。
「ダンジョンをつくる? そんなのお手のもの」
「そう、面白いわ。じゃあやってみなさい。貴様。名前は?」
「フジキ。世界を構築する赤魔導士だお」
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第2部からは、より大規模で複雑化したダンジョンを大魔王の無茶ブリに応えつつ、ローゼリアとヨシヒロたちがなんとかやっていく話しを展開予定です!




