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次なる出逢い…麗しき傭兵…

今回は少し短目になります、三人目のヒロイン候補の登場になります。

なお、本作に登場する通貨単位フランティーヌはガリア帝国が主に使用(ナポレオン戦争期のフランに相当)しており、神聖ドイッチュラント連邦帝国所属の小規模諸侯国でも流通しています。主人公達の訪れている街の名は次回で明らかになる予定です。

毛皮の販売と軍刀の購入を終えた後に衆人の前でスコルとカミラに抱き着かれると言う中々の羞恥プレイを経験したあたし達は公共の厩にヴィルヴェルヴィントを預け、その後に昼食を摂る為に二人と一緒に街中を物色していた。

道を歩くあたしの腰のベルトには購入した軍刀が装着されていてあたしの脇を歩くスコルは嬉しそうに尻尾を振りながらあたしに声をかけてきた。

「似合ってるよ、裕香」

「ああ、中々様になっているぞ」

スコルに続いてカミラもあたしに声をかけてくれ、二人の言葉を受けたあたしは笑顔で頷きながら言葉を返した。

「ありがとね、スコル、カミラ」

あたしがそう告げるとスコルとカミラは笑顔と共に頷き、それを目にしたあたしは同じ様に頷いた後にスコルに向けて口を開いた。

「そう言えば毛皮はどれくらいの値段で売れたの、スコル?」

「えっとね、65フランティーヌだよ、黒狼の毛皮5枚が1枚10フランティーヌで50フランティーヌ、他の毛皮15枚が一枚1フランティーヌで15フランティーヌだよ、結構高く売れたよ」

あたしの問いかけを受けたスコルは笑顔で販売結果を教えてくれ、あたしがそれに頷いているとカミラは穏やかな笑みと共に口を開いた。

「中々良い値段で売れたから、昼食は奮発して食べようと思ってる、期待してくれよ、裕香」

あたしは大きく頷く事でそれに応じ、それから更にカミラに向けて問いかけた。

「そう言えば知り合いの傭兵は探さなくていいの?」

「ああ、それは昼食を食べ終わってからで構わないだろう、基本的にはこの街の周辺で活動しているが、外出や仕事でいない事も多いからな」

「あたしやカミラは基本的に森で暮らして片手間に傭兵をやってる感じだけど彼女は傭兵主体で活動してるもんね」

カミラが答えたのに続いてスコルが笑顔と共に言葉を続け、それを聞いたあたしは脳裏にデッキを構成している他のキャラ達を思い浮かべながら言葉を返した。

「彼女って事は、女の傭兵なの?」

「ああ、そうだ、何度か傭兵として一緒に戦った事があるんだ」

「裕香もきっと気に入ると思うよ」

あたしの言葉を受けたカミラとスコルは続け様にそれに答え、あたしが頷いているとスコルが何かに気付いた表情になって前方を指差しながら弾んだ声をあげた。

「あっ、あれ、マリーカじゃないっ!?」

「どれ、ああ、確かにマリーカだな此方に向けて歩いてきている」

スコルの指差す先を見据えたカミラは大きく頷きながら呟き、聞き覚えのある名前を聞いたあたしが期待を抱きながらスコルの指差す先に視線を向けるとこちらに向けて近付いてくる美女の姿があった。

緩やかなウェーブを描くフワフワの薄紫のロングヘアとエメラルドグリーンの瞳の穏やかな雰囲気の美貌に薄い蒼のライトアーマーに包まれた女性らしい曲線を帯びた均整のとれた肢体、その美しさは何時もあたしが見ていた携帯の画像を遥かに上回っていて、あたしは初めてスコルやカミラに出会った時の様に近付いてくる美女の姿に見とれていた。

「カミラさんにスコルさん?お二人だけじゃ無いなんて随分珍しい光景ですわね」

近付いて来た美女はその穏やかな雰囲気に相応しい穏やかな口調でカミラとスコルに声をかけ、カミラは穏やかな笑みを浮かべて頷きながら口を開いた。

「彼女は私とスコルが仕える事になった主だ、今日は買い出しを兼ねて主にこの街を案内しているのさ」

カミラがそう言うとスコルが笑顔と共に大きく頷き、それを目にした美女は少し驚いた様な表情になりながら口を開いた。

「あらあら、貴女達が仕えるのを決めたなんて、よっぽどのひとなんでしょうね」

美女はそう言いながらあたしに視線を向け、一拍の間を置いた後にあたしに向けて丁寧に一礼しながら口を開いた。

「……お初に御目にかかります、わたくしはマリーカ・ヴァイセンベルガーと申しますわ。カミラさんやスコルさんとは時々一緒に戦った事がありますの、どうぞお見知りおきを」

「は、はい、あたしは宝積寺裕香、カミラやスコルには主だなんて言われてますが、まだまだ半人前です。此方こそ宜しくお願いします」

美女、あたしのデッキを構成していたURキャラ、マリーカ・ヴァイセンベルガーの丁寧な挨拶を受けたあたしは慌てて頭を下げながら挨拶を返し、それを受けたマリーカは穏やかな笑みを浮かべながら頷くとあたしが腰に装着した軍刀に視線を向けながら言葉を続けた。

「中々良い軍刀をお持ちですわね」

「はい、この街に来て買い求めました、カミラやスコルの主として相応しくある為に、あたしを主として認めてくれたカミラとスコルが決して軽く見られる事が無い様に」

マリーカの言葉を受けたあたしは軍刀の柄を軽く握り締めると真っ直ぐにマリーカのエメラルドグリーンの瞳を見詰めながら言葉を返し、それを聞いたマリーカは真摯な表情を浮かべるとゆっくりと大きく頷きながら言葉を続けた。

「……とても真っ直ぐな言葉ですわね、その言葉、真っ直ぐに私に届きましたわ、この一言で感じました、カミラさんやスコルさんが貴女を主として認めた理由を……」

マリーカはそう言うと穏やかで柔らかな微笑みを浮かべ、あたしが頷いているとカミラが微笑を浮かべながらマリーカに声をかけた。

「今回は街を案内しつつお前に裕香の事を紹介するつもりだったんだ、本来は三人で昼食を摂った後で捜すつもりだったんだが、手間が省けたな」

「あら、それは好都合でしたわね、それにとても楽しそうな話ですわね、宝積寺さん、もし宜しければ私もご一緒させて頂いて宜しいですか?」

カミラの言葉を聞いていたマリーカは頷いた後にあたしに向けて問いかけ、あたしはカミラとスコルに視線を向けて二人が頷いたのを確認するとマリーカに視線を戻しながら言葉を返した。

「勿論です、是非ご一緒して下さい、マリーカさん」

「ありがとうございます、宝積寺さん、それではご一緒させて頂きますわ」

あたしの答えを受けたマリーカはそう言うと穏やかな笑みを浮かべ、あたしはその穏やかな笑顔に思わず見とれてしまっていた。


初めて訪れた街であたしが経験したのは三度目の出逢い、今回出逢ったひとは穏やかで落ち着いた雰囲気に包まれた麗しき傭兵……

本作品に登場する国名と現実世界に於ける地域・国名の対比(一部)


登場国・現実の国名


ガリア帝国・フランス帝国


神聖ドイッチュラント連邦帝国・神聖ローマ帝国


オスト・ドイッチュラント王国・プロイセン王国


オストラント帝国・オーストリア帝国


ロジーナ帝国・ロシア帝国


ブリタニカ王国・大英帝国


地域名・現実の地域名


ガリア・フランス


ドイッチュラント・ドイツ


オストラント・オーストリア


イタリカ・イタリア


ブリタニカ・イギリス


地方名(例ラインラント)や都市名(例ケルン)等は現実世界に於ける地名と同一としております。


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