表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/25

帝国総司令部

これからも宜しくお願いしますm(__)m

第5軍団司令部


ドイッチュラント南部に展開の部隊の編成とその目的、あたしはそれ等についての説明を第5軍団長ジャンヌ・ランヌ元帥に行い、ランヌ元帥は全てを聞き終えた後に静かにあたしを見詰めながら口を開いた。

「……なるほどね、確かにスーシェ中将の説明してくれた通り興味深い話だったわ宝積寺くん、貴女が指揮する部隊の編成とその部隊の目的双方ともね」

ランヌ元帥はそこで一度言葉を区切り、それから微笑を浮かべながら更に言葉を続けた。

「安心しなさい宝積寺くん、貴女と貴女が指揮する部隊の我が軍への仕官を認めさせる様取り計らってみるわ、当面は我が軍に協力してくれる傭兵隊として扱い、その後に正式に我が軍に仕官して貰う形になると思うわ」

「分かりました、ありがとうございます、元帥閣下」

ランヌ元帥の言葉を受けたあたしは好ましい言葉に安堵の念を抱きながら感謝の言葉を告げ、それを受けたランヌ元帥が微笑を浮かべて頷いているとスーシェ中将が立ち上がって笑顔を浮かべながら口を開いた。

「話が纏まった様なので、私は師団司令部に戻るとしよう、元帥閣下、失礼します」

「……そうね、スーシェ中将得難い人物の紹介感謝するわ」

スーシェ中将はランヌ元帥の返答に微笑しながら頷き、あたしは二人の会話が終わったのを確認すると立ち上がってスーシェ中将に向けて口を開いた。

「……スーシェ閣下、御足労ありがとうございました」

「……ウム、それでは失礼するぞ宝積寺君、次に会う時は戦場で轡を並べていたい物だな」

あたしの言葉を受けたスーシェ中将は渋味のある微笑を浮かべて返答すると颯爽とした足取りで部屋を出ていき、あたし達が遠ざかるその背中に深々と一礼した後にランヌ元帥に視線を戻すとランヌ元帥は穏やかな笑みと共に口を開いた。

「……さて、これで取り敢えず貴女達の仕官の話は済んだ訳だけど、もう少し貴女達の事を詳しく知りたいから今夜の晩餐に貴女達を招待したいのだけど大丈夫かしら、宝積寺くん?」

「は、はい、あたし達が参加を許されるのであれば是非お願いします」

ランヌ元帥の御誘いの言葉を受けたあたしは即座にそれを了承し、それを聞いたランヌ元帥は頷きながら満足気に微笑んだ。


1900・第5軍団司令部


ランヌ元帥から晩餐への招待を受けたあたし達はブローニュ市内に移動して宿屋に旅装を解き、そこで休息した後に服装を整えて宵闇の中を第5軍団司令部へと移動した。

「……ようこそ、宝積寺くん、歓迎するわよ」

あたし達が司令部前に到着するとそこには華麗な軍装に身を包んだランヌ元帥の姿があり、ランヌ元帥はにこやかにあたし達に声をかけると一拍の間を置いてから更に言葉を続けた。

「馬車を用意しているからそれに乗り込んで頂戴」

「分かりました」

ランヌ元帥の言葉を受けたあたしがそう言いながら馬を降りるとアイギス(スコルはそもそも騎乗していない)もそれに続き、それを確認したランヌ元帥はにこやかな表情であたし達を近くに止められている馬車へと案内してくれた。

ランヌ元帥はあたし達を馬車に乗せた後に自分も乗り込んで御者に発進するよう告げ、ランヌ元帥とあたし達が乗った馬車は微かな揺れと共に進み始めた。

「……さてと、到着するまで暫く時間があるから少しお話しましょう」

馬車が動き始めると同時にランヌ元帥はあたし達を見ながら口を開き、あたしが内心で身構えながら頷くとにこやかな表情を冷徹な指揮官のそれに変えながら言葉を続けた。

「まず聞きたいのはアイギスくんの事かな?」

「……私の事、ですか?」

ランヌ元帥の唐突な言葉を受けたアイギスは戸惑いの表情を浮かべながら口を開き、ランヌ元帥はゆっくりと頷いた後に更に言葉を重ねた。

「宝積寺くんに協力しているスコルくんやドイッチュラント南部に展開している部隊の指揮官達は元々その地域を中心に活動していた傭兵達、でも君の身形や雰囲気は通常の傭兵、まあ、スコルくん達も並の傭兵とは格が違うけど君の場合はそれとも少し違う様に感じられるの、だから、君の事も少し教えて欲しいなって思ったのよ」

ランヌ元帥の言葉を受けたアイギスは窺う様にあたしに視線を向け、その視線を受けたあたしがゆっくりと頷くと小さく頷き返した後にランヌ元帥に視線を向けながら口を開いた。

「仰有る通りです、元帥閣下、私、アイギス・アウステルリッツはさる国の王女に護衛として仕えており、その方の指示で宝積寺隊長率いる傭兵隊に参加しております」

「……成程ね、宝積寺くんの率いる部隊に参加しているっと言う事は、その国は我がガリア帝国に味方してくれるっと言う認識で良いのかしら?」

アイギスの言葉を受けたランヌ元帥は推し量る様な眼差しでアイギスを見詰めながら問いかけ、それを受けたアイギスは暫しの間を置いてから言葉を返した。

「残念ながら我が国には昔日の面影はありません、我が国は対ガリア大同盟加盟国の中でも特にオストラント、ロジーナ両国に対して多いに含む所がありますが現状でそれを表明する力はありません、ですので私の仕える王女様は宝積寺隊長の率いる部隊に私を参加させる事で我が国の立場を貴国に示そうとしています、そして現状の我が国に出来る事はこれが精一杯です」

アイギスの言葉を受けたランヌ元帥は静かに目を閉じると暫く思案にくれた後に目を開け、今度はあたしの方に視線を向けながら口を開いた。

「宝積寺くん、君は当然アイギスくんの事情を把握している筈よね」

ランヌ元帥の今度は受けたあたしは頷く事でそれに応じ、それを確認したランヌ元帥はアイギスの時と同じ様に推し量る様な眼差しであたしを見詰めながら言葉を続けた。

「アイギスくんの仕える国が我が国への協力の意を示す、それはありがたい話ではあるけど我が国にとってプラスなだけの話では無いわ、アイギスくんの仕える国を味方として扱うと言う事は現在対立しているオストラントやロジーナ、更に言えばオストドイッチュラントとの関係が更に悪化してしまう可能性も秘めているわ、君はそれを理解した上で彼女を連れて来たと理解して構わないのかしら?」

「はい、理解しています」

ランヌ元帥の問いかけを受けたあたしはその視線に気圧され無い様に下っ腹に力を籠めながらしっかりと応じ、あたしの反応を確認したランヌ元帥の表情が柔らかな物になる中更に言葉を続けた。

「確かにアイギスの仕える国がガリア帝国に接近し、ガリア帝国がその見返りをその国に与えると言う事が他国、特にロジーナの関係に大きな影響を与えると言う事は事実だと思います、ですが、その国との関係強化はその点を考慮してもなおガリア帝国にとって有益であると考えています、それに対ガリア大同盟が既に三度も形成されている以上エウロペの強国のかなりの部分がガリア帝国の存在を疎んじていると言えます、ならば元々大して友好的でもない相手に気兼ねして数少ない味方との関係に遠慮する必要は無いと考えます」

あたしはランヌ元帥を見詰め返しながらしっかりと言葉を告げ、それを聞いたランヌ元帥はあたしの答えに満足した様に大きく頷きながら口を開いた。

「……いい答えね宝積寺くん、アイギスくんと彼女が仕えている国の事については考慮しておくわ」

「ありがとうございます、元帥閣下」

ランヌ元帥の言葉を受けたアイギスは深々と頭を下げながら感謝の言葉を告げ、ランヌ元帥は穏やかな笑みと共に頷く事でそれに応じてくれた。

それからランヌ元帥は雰囲気を緩めてあたし達との会話を続け、あたし達も少し肩の力を緩めてランヌ元帥との会話を楽しんだ。

そうしてあたし達が暫くランヌ元帥との談笑を楽しんでいると馬車が止まり御者から到着した事が告げられ、その言葉を聞いたランヌ元帥は手早く軍装を整えながら口を開いた。

「到着したわね、私が先に降りるから後に続いて頂戴」

ランヌ元帥の言葉を受けたあたし達は頷く事でそれに応じ、それを見たたランヌ元帥が降りるのを確認したあたし達はあたしを先頭にして馬車から降りた。

元帥との晩餐の場所と言う事で高そうな雰囲気のレストランを予想しながら馬車から降りたあたしだったけど目の前に広がる光景はあたしの予想を裏切る物で、その光景を目にしたあたしは絶句して立ち竦んでしまった。

あたしの目の前には魔法の灯に照らされるしっかりとした造りのかなりの大きさの建物が存在していて、その周辺では士官とおぼしき軍装に身を包んだ人達がかなりの頻度で出入りを続けていた。

「……ここって、まさか」

「……へえ、気付いたんだ」

あたしが目の前に広がる光景に掠れ気味の声をあげているとそれを耳にしたらしいランヌ元帥が発した楽しげな口調があたしの鼓膜を揺さぶり、あたしが視線をランヌ元帥に向けるとランヌ元帥は悪戯っぽい笑みを浮かべながら言葉を続けた。

「言ったでしょ宝積寺くん、もっと貴女達の事が知りたいとね、だから今宵の晩餐でもっと聞かせて貰うわよ、貴女達の事を……」

ランヌ元帥はそこで一度言葉を区切って元帥帽を脱ぐと、それを小脇に抱えて典雅ささえ感じられる動作で一礼し、その後ににこやかな表情であたし達を見詰めながら言葉を続けた。

「ここが今宵の晩餐の舞台よ、宝積寺くん、ようこそ、帝国総司令部へ」

そう言うとランヌ元帥の悪戯っぽく微笑みあたしは驚きの中、ランヌ元帥とその後ろの建物、正確に言うならその建物に設置されている大陸軍グランド・アルメとガリア帝国双方の中枢、帝国総司令部を見詰めていた。



ランヌ元帥との会談の結果ガリア帝国への仕官を受諾して貰ったあたし達はランヌ元帥から晩餐への誘いを受けた。

ランヌ元帥の案内を受けたあたし達が到着した、晩餐の舞台、そこは大陸軍とガリア帝国双方っとて頭脳であり心臓であるとも言うべき中枢地帯、その名は帝国総司令部……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ