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慈愛の聖女  作者: クー
第3章 第三回公式イベント~本戦編~
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因縁の終わり


パンダモンさんのユニークロール獲得…確かに凄い事ですが、それよりも私は先程の告白の方が衝撃的すぎて……


「いちゃついてると思えばユニークロール獲得だと…あり得ない…あの糞パンダモンが……?」


あの失礼極まりない男が項垂れてますね…いい気味です。

あれ?…なんでしょう?……なぜ私はあの男が項垂れている姿を見て爽快な気分になっているのでしょうか?

先程の下卑た目で見てきた不埒な兄弟を裁く時はこんな気持ちにならなかったのに……


「悪いなサフィアーノ…これで俺達の負けはなくなったで」



ッ……自信満々な彼を見るとなんで動揺するのでしょうか…?

もしかしてこれが恋なのですか?…ちょっと告白されただけで靡くほど私はチョロい女じゃない筈です……

今までも有象無象から告白された事あるじゃないですか…なんで彼だけ……



「ハッ!…どうせ大したユニークロールじゃねぇだろう?」


「確かにー ユニークロールにも当たりハズレがあるもんね!…パンダモンの事だし絶対ハズレでしょ!」


「それには同意するけど、あの小娘達は厄介だから警戒しないと足を掬われるわよ」



また彼の悪口を……はっ!…なんで私はまた怒ってるのでしょうか…?

私が今まで悪口を言われて怒るってたのは、大切なお嬢様や桜ノ宮家の方、後は九条家の方ぐらいの筈なのに……



「皆スマンな…ここは俺一人にやらせてくれんか?」


「「「えっ?……」」」


「アイツらとは俺の手で決着つけたいねん。

も、もちろんヤバなったらフォローして欲しいし、今回は俺のせいで散々迷惑かけたから無理は言えんけど……それでもやらせてくれんか?」



「分かりました」

「しょうがないわね」

「……」


「やっぱユキナさんは反対か?…ホンマ勝手なこと言ってるし、そ、その告白で恥ずかしい想いもさせてもうたしな……」


確かに、あの無礼者達に制裁を与えれないのは惜しいですが、私が黙ったのはそんな理由ではありません。

ただ、彼と目を合わせて話すのが恥ずかしいのです……

本当に私…どうしてしまったのでしょう……


動揺しているのがバレると恥ずかしいので、私はいつもの冷静な感じで口を開きます



「あの者達と決着をつけたいですか…お好きになさっては?…それと告白の件も特に気にしてませんよ」


「えっ……もしかしてユキナさん怒ってるん?」


「怒っていませんよ」


「その割には、目も合わしてくれへんやん…気に触ったら…いや気に触る事ばっかやけど、何か不満があるなら言ってくれ!…直すから!」


「だから怒っていませんってば!」


「そ、そうか…ならなんで目を合わせてくれへんの?」


「そ、それは……」


「ユキナさんが言いにくいほどの何か致命的な事を、俺がやってるんやろろうな…」



彼のせいではないのに、どんどん卑屈になっていきます……

このままではまた彼が傷付いてしまいます。

私のちっぽけなプライドよりも、彼に傷付いて欲しくない気持ちが勝ったので、腹を括り距離を詰めて彼の耳元で理由を囁きます。



「…あなたが悪いわけではありません。ただ私が恥ずかしくて目が合わせられないだけです……」


「近っ!……そ、そうやったんか……安心したで……

ん?…ってことは俺の事を意識してくれてるんか?」


「もう!…私の口から言わせるのですか?」


「……スマン」

「…なんやアレ…可愛すぎるやろ……しかもリアルと違って匂いとかもせんハズやのに、めっちゃええ香りしたんやけど……ああ…俺もう思い残すことないかも……」



何やらブツブツ呟いてますが、なんとか誤解は解けたようです。



「くそがぁ…俺を舐めるなよ……『豪火斬』!!」


「おっと!…悪い悪い…お前らの事忘れとったわ!」


「なんだと!!」

「調子乗りすぎ…」

「こんなに苛ついたのは久し振りね……」


「そんな怒るなよ……あっ…それと新しいスキル確認したいからちょっと時間くれん?」


「て、てめぇ!…マジでふざけんなよ!」


「すぐ終わるから頼むわ!」


「ふざけすぎだね!…『ライトニングランス』!!」


「宵月!!……パンダさん、吹っ切れて図々しくなりすぎじゃないかしら?…暫く防いであげるから早く確認を済ませてね」


「私もお手伝いします!」


「はぁ……なんでこんな人を……

仕方ありません…私も手伝います」


「皆ありがとうな……」


彼がスキルを把握してる間、私達はあの不埒者の攻撃を防ぎます。


「そう言えば、街中でもないのにユニークロールの付け替えって出来るのかしら?」


「うーん…出来ないと思いますが……」


「でも、先よりも圧みたいのが増してるわよ……」


「そう言われると……」



「君らの言う通り俺はユニークロールをセットしてるで。

コイツは他のロールと違って戦闘中でもセットする事が出来るみたいや」


「師匠!…確認はもういいのですか?」


「バッチシや!」


「どこでもセット出来るって、やっぱりユニークロールは特別なのね」


「まあ、二度と外せへん仕様はキツいけど、ユニークロール…正直破格の強さやで」


「お手並み拝見ね」


「任せとけ!…3人ぐらいすぐに倒したる!」


「『バーサク』!…潰す!」


「フォローするわね『オーバーパワー』!」


「援護するよ!『ボルトアロー』!」


「おっと…」「隙だらけだぜ!『爆炎断』!」


「わざとやで…『オールカウンター』!」


「グハッ!…」


「うそでしょ!?…サフィアーノのHPが一瞬で…ちっ!…サフィアーノ馬鹿なの…バーサクなんて使うから回復出来ないじゃない!」



「しょうがないだろ!!『灼熱斬覇』!」


「援護するよー『エレクトリックレイ』!」


「この脳筋共…少しは頭使いなさいよ!『アストラルバインド』!」


「クロアナイスだ!…これで避けられないだろ!」


「別に避ける必要もないねんけどな…」


クロアとか言う女に行動が封じられて、絶体絶命の彼をフォローしようとするけど、当の本人は全く意に介してないとばかりにヒラヒラと手を振ってきた。


「どこまでも舐め腐りやがって…バーサクとクロアのオーバーパワーで強化されてる俺の一撃で潰れてしまえ!!」



余裕な姿とは裏腹に身動きが出来ない彼は、雷の閃光と炎の剣に飲み込まれる……


「よし!直撃だぜ!」

「大口叩いてた割にやられてやんのー」

「アンタ達油断するんじゃないよ!…パンダモンにはアンブレイカブルがあるからまだ生きてるわ!」


「クロアの言う通り、俺はまだやられてへんで」


「ちっ!…ゴキブリ並みの生命力め……」


「アンタ達!…パンダモンの口を塞ぎなさい!…フェニックスライフを発動させたらダメよ!」



「ジュアン!…アイツの口を塞げ!、俺がトドメを差す!」


「口なんか塞がんでも、フェニックスライフは使わんから安心せえ」


「はぁ?…そんなハッタリ…」「もう5秒たってるからアンブレイカブル解けてるで」


「何を考えてやがる?…まあ、いい消えろ『業火剛斬』!!」



私達は何か策があるのかと見守ってたのに、あっさりと彼のHPが0になり唖然とします。


「えっ?……」


「おいおい、アイツ何かしたかったようだが、普通にキル出来たぞ!……ザマァ!」



あの男を今すぐ倒しにいきましょう……

私がそう決意し一歩踏み込んだ瞬間、彼がいた場所から光が上がります。



「ふぅ…生き返るってこんな感じやねんな……」


「て、てめぇ!…なんで……」


「これが俺の新しいスキルのリバースソウルや!

コイツはな一度戦闘不能になっても復活出来てな、しかもHPとMPが全快になる上に、スキルのクールタイムもリセットされるヤバイ代物やで」


「嘘でしょ…その話がホントならパンダモンを倒すのはかなり難しくなるわね……」


「復活スキルとかチートじゃないのー」


「お前らうるさいぞ!…もう一回アイツをぶっ殺せばいいだけだろ?」


「それは無理やな…『リベンジスラッシュ』!」


「なに!?…ジュアンが一撃で……」


「もう一丁…『アビスセイバー』!」


「!?…剣先が伸び……」「クロア!?……」



彼は復活したと思えば、瞬く間に二人を倒してしまいました……



「残るはお前だけやで…サフィアーノ」


「何なんだそのデタラメな強さは!?」


「これがユニークロールの強さやで」



「くそっ!……」


「HP1しかないのに逃げても無駄やろうに……

あばよサフィアーノ…お前らのお陰で本当に大切なもんが分かったわ」


「この糞がぁぁぁぁ……」


逃げる男に彼が剣を突き立てると、断末魔をあげながら彼を苦しめていた男は消えていった……


「終わったなぁ……」



彼はこの一言にどんな想いを込めてるのでしょうか?

過去の因縁を清算した事による安堵かユニークロールに至れた事への感慨か、それとも……



「皆ありがとうな!…俺達の勝利や!」




こうして本戦二回戦が終わります。

次は決勝戦…またあの男達との戦いが待ってます。

一難去ってまた一難…ですが今の私達なら勝てそうな気がします













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