悪意ある言葉
「さて、そろそろ潰すぞ……」
「サフィアーノ…ホントにやるの?」
「ジュアン…お前ビビってるのか?…
パンダモンは確かに強かったが、相手のパーティーには素人が3人もいるんだぜ…余裕だろ」
「別にビビってる訳じゃないよ。
あの女の子達が凄く可愛いから、ヤっちゃうのが可哀想なだけ」
「なるほど…確かに上玉揃いだな……
おい、お前ら…そんなクズなんか見捨てて、俺達のパーティーに入らないか?」
この方は一体何を言ってるのでしょうか?
師匠を傷付けといて、そんな提案に乗るとでも思っているのでしょうか?
フィルちゃんもその質問に怒りを感じたようで、お断りの言葉を口にします
「ふざけるんじゃないわよ!…誰があなた達なんかと……」
「ちょっと!…こんなお子ちゃま達いらないでしょ?…
確かに顔は整ってるけど、色気が全くないじゃない!」
ブチッ……
あっ…またしてもフィルちゃんの地雷を……
「確かにあの二人は色気が足らないが、あの銀髪の大きい子は色気あるだろ」
「……まだまだガキよ…」
「クロアめっちゃ悔しそう~」
「ジュアンうるさい!」
「おいっ!お前ら…あんまり油断するなよ……
アイツらはこのブロックで一番pt稼いでるからな」
「はーい」
「分かってるわよ!」
「分かってますよー」
こちらが初心者マークが3人いても油断しないようです…
良かったです…簡単に倒せちゃうと、師匠へ謝らせる事が出来ませんから。
「迎え撃ちます!…あの方達は絶対に許せません!」
「もちろんよ!」
「声が不快なので、早く消えてほしいです」
「……」
こうして師匠の過去の関係を清算する為の戦いが始まります。
師匠の元気がないのを不安に感じながら……
『オープンテレパス』『オーバーパワー』
初手は私のオープンテレパスとクロアさんのオーバーパワーから始まります
(オーバーパワー…ATKを上げるスキルでしょうか?)
(恐らくそうみたいね…実際はどうなのパンダさん?)
(……)
やっぱり師匠から元気を感じません……
(……見た感じ、クロアって女がバッファーかヒーラー、サフィアーノとアズールって男は前衛アタッカー、ジュアンって男が魔法使いかしら?)
(皆さんベテランみたいなので注意です!)
「穴ぼこになっちゃえ!『サンダーパラージ』!」
ジュアンさんが魔法を放つと、私達へ雷の弾丸の雨が降り注ぎます
(この魔法はダメージが高くなさそうなのであえて防がずに耐えます!
それと、サフィアーノさんとアズールさんがこちらへ攻撃を仕掛けようとしてるので注意です!)
『ヒーリングオール』
「ちっ!…ジュアンの魔法を無視かよ……」
「じゃあ、こっちで崩してみるねー『ギカントソード』!」
(!?…アズールさんの剣が凄く大きくなりました……)
(でも直線的な攻撃よ…軽く避けられるわね)
私達はアズールさんの攻撃を楽に回避しましたが、あの方達の悪意ある言葉に傷付いてる師匠は、動きに精彩を欠いていて直撃してしまいます。
「ぐぁ!……」
「師匠!?」
「よっし!…裏切り者に直撃ー」
「お荷物から落とすぞ!『豪火斬』!」
「させません!『リフレクション』!」
「ちっ!……アズールやれ!」
「はーい!『グランドスラッシュ』!」
「ユキナカバーです!」
「承知いたしました。『パリィ』!」
「おーこのタイミングで防いでくるのかー」
(師匠!…大丈夫ですか!?)
(……)
(パンダさん!)
(パンダモンさん!)
(あ、ああ……)
やっと返事をして貰えましたが、どうすれば師匠が元気になるのでしょう…
私達が一刻も早く元凶であるあの方達を倒せば、いつもの師匠が戻ってきてくれるでしょうか?
(師匠……)
(……皆スマン…お、俺……)
(師匠は悪くありません!…悪いのはあの方達です!)
(そうよ!…勝手な人間ってのはどこにでもいるわ!…あんなの気にするだけ無駄よ!)
(いつもの貴方なら鼻で笑い飛ばしてる筈です!…あんな有象無象の言うことなんて気にしなくて大丈夫です)
(み、みんな……)
「おいアイツ…オープンテレパスで慰められてるみたいだぞ!」
「女の子に慰めてもらうなんてダッサ……視界にいれるのも不快よ!…ジュアン早く倒してよ!『マジックブースト』」
「OK…パンダモンって、でしゃばるくせにホントに男らしくないよね!『スパークカノン』!」
この方達は…どれだけ師匠を傷付ければ済むのですか!
「師匠はダサくなんてありません!…頼りになる男性です!!…『オリオンベール』!」
「ちぇ、防がれちゃった……」
「ハッ!…アイツはダサいぜ!…なんせ、こっちがちょっと命令したらヘコヘコと従う男だからなぁ!…『火炎衝』!」
「それはダサいとは言わないのでは?……
実際は救いようのないあなた達の我儘を聞いてあげていただけでしょう」
「かっちーん…お姉さん綺麗だからって調子乗りすぎ!…『ライトニングランス』、『ライトニングブラスター』!」
「また癇癪ですか…『マジックブレイク』!!
人を思いやれないくせに自身が貶されると怒るなんて、まさに子供ですよね…それに気付いてないあなた達は本当に救いようがないですよ……」
「人に説教するなんて何様のつもりー
全員潰れちゃえ!…『ジャイアントスラッシュ』!」
「貴方ちこそ何様のつもりよ!…轟月!!」
「うそー僕のスキルが普通の攻撃に弾かれるなんて……」
「いや…剣が淡く光ってるから何かスキル使ってるみたいだぜ……
まあいい、パンダモンが弱点だ!…アイツから狙え!」
「OK!『ボルト…』あれ?…魔法が撃てない……
うん?…雷系のスキルだけ封じられてるや……」
「封印系のスキルね!…解除するわ『クリアシール』!」
「クロアありがとう!…これで俺っちの魔法で潰せるぞ!『コールライトニング』!」
「させません!…うっ!……」
「ええっ!?…役立たずのパンダモンを庇って雷撃を受けたのー?」
(ふ、フェリシアちゃん…俺なんかの為に……)
(なんかではありません!!…師匠は素晴らしい方です!)
(フェリシアちゃん……)
「はっ!…パンダモンを庇うとは馬鹿だな!くらえ!『黒炎斬』!!」
「お嬢様!…『フローウィ……』」「おらっ!『ソウルキャリバー』!!」
「師匠!!」
「ちっ!…役立たずの分際で俺の攻撃を防ぎやがって……
おい知ってるか俺達のパーティー名の由来…
ビトレイアルは日本語で裏切り者…つまりお前の事だよ!パンダモン!」
「なっ!?……」
折角師匠が前向きになったのに、この方はまだ師匠の事を……
「もう一度言ってやるよ!…俺達は裏切り者のお前を許さない為に結成したパーティーなんだよ!」
「ッ……」
「何を言っているのですか!!…先に師匠を裏切ったのはあなた達でしょう!?」
「なんなのよアンタ!…関係ないのに首を突っ込まないでよ!
それに師匠って何?…パンダモンはゲーム内で師弟関係を強要してるの?…キモッ……」
「師匠は強要したことなんて一切ありません!…私が勝手に呼んでいるだけです!」
「なにアンタ…アイツに惚れてるの?」
「惚れっ!?……でも、ある意味そうなのかも……
師匠は何の見返りも求めずに、初心者の私達へゲームの事を沢山教えてくれる方で、そんな優しい師匠を私はとても尊敬し、人としてほ、惚れているかもしれません……」
「あー確かに、パンダモンは聞いてもないことをペラペラと喋ってくるよね…上から目線でマジうざい」
「アイツのは優しいじゃなくて、ただのお節介なんだよ!」
「ホントよ…至近距離で馬鹿みたいにペチャクチャ話してきてマジキモい……」
この方達はどうしてこんなに歪んでいるのでしょうか?
人の優しさを嫌悪するなんて……
「……もうあなた達に師匠の素晴らしさを伝えても無駄なようです。」
「そうね。話の分からない輩ってのはどこにでもいるものよ……」
こうして分かり合えない私達の戦いは更に激化していくのでした……




