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慈愛の聖女  作者: クー
第3章 第三回公式イベント~本戦編~
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久し振りの再会と悪しき敵


予選三回戦が終わり、昼休憩も兼ねた一時間のインターバルが与えられます。

次からは遂に本戦です…もっと気を引き締めて挑みたいです!


「アイツら上手く話し合えたかな……?」


師匠が先ほど戦ったトワイライトさんとタリアさんについて触れると、フィルちゃんから不穏な呟きが漏れてきました……


「あの男…タリアを泣かしたら埋めてやろうかしら……」


「「……」」


「あなた達…何か言いたいのかしら?…」


「「なんでもありません……」」


今のフィルちゃんはブラックフィルちゃんです。

触らぬフィルちゃんに祟りなし…なので先程の呟きは聞かなかった事にします……


「そ、そうや!…昼飯食わなあかんな……ちょっとログアウトするわ!」


師匠はそう言い残して去ってしまいました……


「わ、私もお昼ご飯を頂いてきますね……」


私も師匠に続くようにログアウトしました……

















「あんなに慌ててログアウトしなくても良いのに……

そうね。私も昼食を頂こうかしら…ユキナさんもログアウトするでしょ?」


「はい。私も昼食を頂いてきます。

ステータスの確認やロールの付け替えもあるので、開始10分前に集合でよろしいでしょうか?」


「ええ。そうしましょうか…シアにもそう伝えといてくれるかしら?」


「承知致しました。パンダさんへの連絡どういたしますか?」


「メッセージ投げとけば大丈夫でしょ。

それもユキナさん、お願いしても良いかしら?」


「承りました。それと司様のご予定も聞いてきますね。」


「……」


しれっと、私を揶揄う材料を残してからユキナさんもログアウトしていったわ……

私がユキナさんとパンダさんとの仲を取り持ってる事、バレてそうね……


「うーん…ユキナさんにはまだまだ敵いそうにないわね……」


ほんのり悔しい気持ちを抱えながら、私も昼食を食べにログアウトしました……

















「遂に本戦ですね!」


私達はお昼ご飯を頂いた後、本戦開始10分前に再びログインをしてステータスの確認とロールの付け替えを行います。


「後3回勝てば優勝ね!」


「おっし! 絶対勝つでー」


「はい!」


「お嬢様…気合いを入れるのは素晴らしい事ですが、ステータスの確認等はしなくてもよろしいのでしょうか?」


「あっ……す、すぐに確認します!」


ユキナに促されすぐにステータスの確認とロールの付け替えを行います。


「師匠…新しいスキルが3つ増えました!」


「3つもか!?…どんなスキルや?」


「"エラストカーテン"と"ブレッシングエッジ"と"オープンテレパス"の三つです。」


「オープンテレパスは知ってるけどあと二つは知らんな……」


「師匠でも知らないのですか?」


「俺の知ってるスキルなんてごく僅かやで。

このゲームのスキル数は万を越えるらしいし……」


「そんなにあるのですね……」


「長押ししてスキルの詳細を確認したらどうや?」


「そうですね…時間もまだありますので見てみます。」


【エラストカーテン】…対象者に一定時間ダメージを軽減する付与を行う。


【ブレッシングエッジ】…一定時間、祝福された力を刀剣類に付与する。


【オープンテレパス】…一定時間パーティー内で思想の共有をする事か出来る。


「……よく分かりませんが強そうです。」


「まあこのゲームのスキルは、実際に使ってみんと分からんからな……」


「では、早速使ってみます!」


「いやいや…もうそろそろ試合始まるで……」


「あっ…」


「本番でのお楽しみやな!」


「はい!」


「ふふ、フェリシアちゃんは相変わらずね」


師匠とお話をしていると、少し懐かしくて優しい声音が耳に届きます。


「ゆ、ユーピョンさん!?……」


「久し振りね。フェリシアちゃん」


「お久し振りですっ!……」


感極まって思わずユーピョンさんに抱きついてしまいます……


「えへへ、ユーピョンさんです~♪」


「あ、甘えん坊さんね……」

(ヤバいわね…前よりも可愛さがパワーアップしてない?……)


ユーピョンさんが何やら呟いてますが、久し振りのユーピョンさんを堪能している私はあまり気にしません。


「ユーピョンさん…ユーピョンさん……」


「うっ!……お持ち帰りしたい……」


「それはダメよ」

「ユーピョンさん久し振りね…仕事の方は大丈夫なの?」


「やっぱりダメかー」

「フィルちゃんも久し振りね。

なんとか終わらせてきたのよ……本戦は観てるから頑張ってね!」


「ええ。」


「久し振りやな。元気そうでなによりやわ!」


「パンダ君も元気そうね。フェリシアちゃんに手を出してないでしょうね?」


「あ、アホ!…出すかいな!」


「それなら良いのだけど……」


「ユーピョンさんお久し振りです。」


「ユキナさんも久し振りね」


「お元気そうでなによりですが、後でお話がありますのでお時間頂けませんでしょうか?」


「ひぃ!……ユキナさん…目が笑ってないわよ……」


「なんの事でしょうか?……」


「うっ!……ごめんフェリシアちゃん…ちょっと離れてもらってもいいかな?」


「えっ!?……嫌です。」


「えっ!?……なんで?」


「だって久し振りのユーピョンさんとの再会ですよ…

しっかりと堪能しないと……」


「えっと……私ってフェリシアちゃんの栄養源かなんかなの…?」


「そうです!…そろそろ試合も始まっちゃうのでいっぱい補充しないといけないのです!」


「……私としては嬉しいけど、そろそろ離れてもらわないと命の危険があるのよね……」


「?」


「…………………ッ。もうこのままで良いわよ……

後の事は考えないようにするわね……」


ユーピョンさんは何だか葛藤していたようですが、許可が出たので引き続きユーピョンさん成分を補給します……




「そろそろ時間やな…」


「むっー!…まだユーピョンさん成分が足りません……」


「あはは…この試合が終わったらまた抱きついていいか……」


「絶対ですよ!」



ユーピョンさんに見送られ、本戦一回戦が始まります。

そして、この試合の後、ユーピョンさんとの約束が果たされることはありませんでした……




















「今回は森や川、平原とかの複合フィールドのようやな……」


「場所によって様々な戦略が取れそうね」


「そうやろうな……俺達が今いるのは森の中やから、さっきの試合みたいに不意打ちに気を付けんとな……」


「南西に3人、北東に1人います…どちらも結構近いです!」


「予選一回目と同じで11パーティーいるからな…エンカウント率も高そうや……」


「沢山倒せて良いじゃない」


「フィル様…司様はまだ来られていないのにやる気十分ですね。

あっ…もしかして司様が来ないから八つ当たりでしょうか?」


「……関係ないわよ」


「本当でしょうか?」


「うっ……」


あのフィルちゃんが押されています!?

ユキナ恐るべし……


「そ、それよりも、どっちを先に倒すのかしら?」


「そうやな…セオリー通り1人の方から狩ろうか。

今回は上位2パーティーの勝ち抜けやからな、そこまでリスク取らんでもええしな!」


「そんな逃げ腰でどうするの…狙うはトップ通過よ!」


「もちろんそのつもりやけど、油断は禁物やで」


「油断するつもりはないわよ…どっちでも良いから早く倒すわよ」


先程の照れ隠しかフィルちゃんはずんずんと森の奥へ行っちゃいました……

慌ててフィルちゃんの後を追い北東へ進むと、男性プレイヤーを発見します。


「ちっ!…合流前を狙われたか……」


「結構ええ装備しとるな……油断大敵やで!」


「花踏!!…そして、瞬月!!」


「早!?…くっ……いきなりやってくれるじゃん……」


相手の方と出会って早々フィルちゃんが攻撃を仕掛けましたが、惜しくも防がれてしまいます。

やはり本戦に残られた方達は一筋縄ではいかないようです……


「あら、防がれちゃったわね……」


「あの速度に反応出来るレベルか……」


「なら防げないように打ち込むだけよ!」

重月(じゅうげつ)!!」


「うっ!……体勢が……」


「終わりよ!…細雪(ささめゆき)!!」


あっという間の出来事でした……

居合の要領で放たれた重月で相手の体勢を崩し、細雪の連撃で追い詰める…綺麗に技のコンビネーションが決まると、成す術がありませんね。


重月は相手の肩に思いっきり柄頭を打たないと体勢を崩せず不発に終わりそうで、女性のフィルちゃんには中々難易度の高そうな技ですが、見事に決まりましたね…さすがフィルちゃんです。


「俺の出る幕ないやん……」


「私の出番もありませんでした……」


「……早い者勝ちよ!…それに南西に3人いるんでしょ?…そっちで活躍すれば良いじゃない」


「せやな。早速南西に行くで!」


「!?……南西にいた方達がこちらに接近しています!

それに、先程より1人増えてます!」


「空間把握使ってくれたんか…助かるで!

このまま相手の出方を待つで!」


師匠が方針を言いきるタイミングと同時に、男性2名と女性2名のパーティーが姿を現します。



「ちっ!……完全に待ち構えられてるな……」


「あちゃー向こうにも索敵持ちがいるんだろうね~」


「あ、あの…私達はどうすれば…?」


「お前達はいつも通り魔法で援護しとけ。

俺達兄弟がほとんど片付けるからよ。」


「ちっ!…キール兄弟か……」


「お知り合いでしょうか?」


「アイツらは悪い意味で有名なプレイヤーや」


「おいおい酷い言われようだな…俺達が何をしたって言うんだ?」


「よう言うわ!…数多くのPKでは飽きたらず、恫喝、恐喝、強姦、略奪などかなり悪いことやってるそうやないか!」


「へぇ…よく知ってんじゃねぇか……

でもよ…なんで、それだけやってる俺達は捕まってねぇんだ?」


「PKKを返り討ちにしたり、犯罪紛いの事もシステムの抜け穴をついてやってるって話やな……」


「正解~♪ 俺達は悪いこと沢山やってるのに捕まってねぇんだわ…つまり俺達の行動は許されているって事だろ?」


「そんな訳ないでしょ…あのクズ男達にはエパクトシステムが機能してないのかしら?」


「してるはずや…ただエパクトシステムは感情と行動を感知するもんやから、悪いことをやってもそっちに振り切れるだけで特になんもペナルティはないねん…

被害者が通報しないと裁かれへんのや……」


「……つまり、エパクトシステムは悪しき感情でも力に変わるって事ね」


「そう言うこと~♪ よく見るとお前かなり可愛いな…俺の女にしてやるよ!」


「兄者ズルいぜ…じゃあ俺は銀髪の子二人貰うね~」


「二人はズルいだろ……あの二人もレベルかなり高いな……全部俺の女にしてやりてぇな……」


「一人ぐらい残してくれよ…」


「中古で良ければな」


「え~兄者のお下がりの女…ほとんど壊れてるじゃん……」


「とても不快ね……さっさと片付けるわよ」


「ああ、てめぇらの悪事もここまでや」


「ひゅ~♪ 威勢が良いねえ~」

「男はいらないからさっさと消すぜ」


『『ファイアランス』』


「!?……『燐光の籠手』!」



先手はまさかの相手側の女性からでしたが、ユキナが素早くカバーに入り、燐光の籠手で上手くファイアランスを捌いた事で開戦の火蓋が切られます……










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