第49話
雲一つ無い空、太陽が眩しいほどの輝きを地上に注ぐ。
その光りに照らさながら目の前には大きな門が鎮座する。
とても豪華な見た目は人々を興奮させた。
これから始まる様々な楽しい事や思い出に胸がはやる。
そんな人達が門の前で集まっていた。
「やー人が一杯だねー」
言葉とは裏腹にニコニコ笑顔で前方を確かめる桜。
それにため息で答えるのは紗英だった。
「だから時間厳守だっていったのに」
「あははーごめんごめん」
まったく反省の色が伺えない桜
それをいつもの事と諦めた紗英は
先程から気になっている後方へと視線を流す。
そこには互いに視線を外しながら付いてくる二人がいた。
進は斜め前方の空を眺めながら、
五月は地面へ視線を落としながら。
ただ、二人には共通する事があった。
それはどこか恥ずかしそうに互いを牽制していた事。
『何があったのかな……』
紗英は合流した時を思い出す。
約束の時間少し前に到着した時には
既にその場にいた二人。
紗英が近づき声をかけようとした瞬間だった。
引っかかる違和感で出かけた言葉が止まる。
それは紗英の思い過ごしだったのかもしれない。
でもどこか微妙な距離感と雰囲気が二人の間にあり、
そのせいで紗英は躊躇してしまった。
しかし、そのまま二人を眺めるわけにもいかず、
紗英はどこか後ろめたい気持ちで声をかけた。
「さ、紗英早かったねっ!」
「早いって、時間より5分程だからそんなに……」
「あ、あはは、紗英さんも俺達と同じだなー」
見るからに動揺している五月と
あまりにもわざとらしい進の微笑み。
何があったのか問い詰めたかったところだったが
次の瞬間にきた桜からの遅れるメールでそれどころではなくなった。
結局、その場は3人無言で待ち続け
桜と合流して今に至るのだが。
「ふーん、紗英は後ろが気になるのか」
物思いにふけていた紗英を現実に戻すように
いつの間にか横に並んだ桜が
意地悪そうな笑顔で問いかけてきた。
だが、そんな桜には慣れたもので
「別に、と言っても納得しないでしょ」
素っ気無く、だが本心までは読み取られまいと
小さな抵抗の言葉を返す。
そんな紗英に桜はどこか満足そうにしながら
その場でクルリと反転、すると
「す・す・む・にぃー♪」
いつもの桜、否いつも以上に悪ふざけた桜が
進の横へとその身を寄せて腕を絡める。
「あっ!」
「なっ!」
そのあまりにも早く、唐突な行動に
紗英だけでなく、なぜか五月も反応する。
それを見た桜はニンマリと心の中で笑いながら
「久々に進にぃと遊べるの楽しみ♪」
「ちょ、桜ちゃん近い近い、ってか痛いっ!」
ミシミシと進の腕を極めながら
人々が群がる夢の国の入口へと先行するのだった。
こんばんわ、作者です。
今週は先週に引き続きとっても……とってもお時間がかかりました。
ここにきてうまく書けない……まぁ元々下手くそが何言ってるの、
ではありますが、どうにも人物が動かないなーって感じがありまして
何度も何度も書き直しております、ハイ。
でも、何とか最後までしっかりと突っ走りますので
お付き合い頂けると幸いです。
ここまでお読み頂き、ありがとうございます。




