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エピローグ2 彼女のこれから

 月曜日の学校。

 あれから、スタンの高校は大混乱だった。トレイス教諭が行方不明になった後、亡くなっていたことが分かったからだ。

 生徒達の間では、噂の「アレルヤ」が言っていた「調停者」に殺されたんだとか、いやいやトレイス先生が「調停者」だったんだ、などという噂が飛び交っていた。


 そんな噂が飛び交う中なので、ドロシーやロブなど、多少なりともスタンの心配をしていた人間達は、なかなかスタンが姿を見せないことに、もしや「調停者」に殺されてしまったのではないかと、良くない想像をしてしまう。

 だから、ドロシーは昼休みに廊下でスタンの顔を見たとき、思わず叫んでしまった。


「生きてたの!?スタン君!!」

『何言ってんの、ドロシーちゃん。』

 スタンよりも先にマリアが突っ込んだ。

「何?俺、死んでるかも知れないとか思われてたの?」

 スタンも思わぬ第一声に驚いている。

「いや、何かニュースとかで、『調停者』とか言ってるし、トレイス先生も亡くなったらしいじゃない。だからさ・・・。」

 ドロシーが説明する。

 トレイス先生の名を出したときに、スタンが悲しそうな顔をするので、「そんなにトレイス先生と仲が良かったかな?」とドロシーは思ったが、それよりも、今は待ちに待ったマリアだ。スタンのウェアラブル端末に向かって話しかける。

「マリアちゃん、今繋がってるの?もー、すごい話したかったんだよ!」

『ワタシも!ドロシーちゃんと話したかった!!』


 カフェテリアに移動し、アニメの話に花を咲かせる。何しろ、ここのところ、2人のお気に入りのアニメの展開が良すぎたので、話題が尽きることがない。


 2人の話を聞いている内にスタンは机に顔を伏せ、眠りだしてしまった。

「ありゃ、寝ちゃった・・・。スタン君。」

『うん、昨日こっちに帰ってきた後、お父さんと遅くまで話をしてたからね・・・。』

 マリアがどこか嬉しそうに話す。

 なぜ、そんなことを知っているのだろう。もしかして、夕べマリアはスタン君の家に泊まったのだろうか?ドロシーは2人の関係を勘ぐり、あれこれと妄想を巡らす。

「『こっちに帰ってきた』って、そういえばロブ君に聞いたけど、スタン君、バルデニアにいたんだよね?どうして?」

 ドロシーに問われ、マリアがウェアラブル端末に顔を映し出した。

「何?マリアちゃんのアバター?すっごい可愛い!」

 画面のマリアは笑顔で話し出す。

『うん、実はワタシね・・・』


 そろそろ夏の暑さを感じる日差しが差し込むカフェテリアの中、マリアは自分のことを、今までのことをドロシーに話し出した。




かつて、世界に「AI」があった。 完

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