手帳3-4
悪への制裁 2/2
「ええっ!本当ですか?はい、…はい。わかりました。」
帰宅すると母が電話の対応をしていた。
多分相手は担任教員だろうと察した。
自分で報告しろと言いつつ、担任教員が直接電話で親に報告しているのならば、私を殴ったのも、呼び出したのも、ただの自己満足でしかなかったのかと考えたら、担任教員に怒りと不信感が沸いた。
「何てことをしてくれたの!」
電話を置いた直後、母がヒステリックに私の胸を掴んで叫んだ。
私は理由を説明しようとしたが聞いてくれなかった
「またお金がかかる」
母は髪の毛を振り乱しながら爪を噛み、リビングをうろうろと歩き回っていた。
「二度とするんじゃないわよ!いいわね!」
母がそう叫ぶと、私の主張を全く聞いてくれない母に対して、以前感じた感情が沸いていた。
ヒステリックに母が、父に今日私が起こした事案に対して報告していた。
父は今日の件について何も言わずに、「うるせえ」とだけ言って、父は背中をこちらへ向けて横になった。
後日
「今回は申し訳ございませんでした。」
母と共に泥棒生徒の親に謝るために、彼の家のリビングで正座していた。
「あなたも謝りなさい」
母の隣で正座している私に、母は肘を入れてきた。
「私は悪くない。」
発言した直後に思いっきり母に殴られた。
それを見ていた泥棒生徒の母親が、口を割って話し始めた。
「子供のやることですから。それに私の子も話を聞くと、息子の悪いところがありましたから。」
泥棒生徒の母親は申し訳ないような声で、私たち親子に言葉を掛けた。
「治療代の足しにしてください。」
母が茶封筒を泥棒生徒の母親に差し出した。
「ありがとうございます。」
泥棒生徒の母親は笑顔で封筒を受け取っていた。
それがどうにも引っかかっていた。
帰り道。
「二度と人を傷つけるんじゃないよ!誓いなさい。」
高圧的な態度で母が私に言った。
「どうして。悪いのはあっちなのに!」
私は正しい事をしたのに、先に手を出してきたのは泥棒なのに、そんな感情で私は母に尋ねた。
「お金がかかるからよ!」
茶封筒にはお金が入っていたのだろう。
母はお金を失った事に対して苛立っていたのだ。
そんな母を、私は、「母を汚物のように感じ始めた」のは、この頃からだった。
両親を汚物のように感じて、その感情は黒く、怒りを呼び、私はその怒りの感情を抑えると胸が苦しくなったのを覚えている。
その怒りは弟にぶつけられ、私は父のように振舞うようになった。
これは「私の正義」と「世間様の正義」が著しく乖離していたこと。
これが私を責めるている記憶の1つなのだ。
2017.7.27 木曜日 平成29年




