表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20XXの人間失格者  作者: 来栖総一郎
26/78

手帳2-8

普通ふつう生活せいかつ

当時とうじ過酷かこく生活せいかつだとおもっていなかった。


他所よそ他所よそうちうち他所よそ比較ひかくするな。」

両親りょうしんともに、そうわたしたち兄弟きょうだいに、口癖くちぐせのようにっていた。


風呂ふろは1週間しゅうかんに1、それをのがすと身体からだ清潔せいけつたもことはできない。


洗濯物せんたくものはいつもあらわれず、風呂場ふろばまえにある洗濯機せんたくきまえ腐臭ふしゅうはなち、やまになっていた。


食事しょくじいまかんがえたらかなり粗末そまつなものがていたが、はは料理りょうりたびに、ためいきをついていた。


「めんどくさい。」

それがはは口癖くちぐせだった。


わたしの、わたしたち兄弟きょうだい面倒めんどうること、料理りょうりつくること、洗濯せんたくをすること、いきをすることすらもめんどくさそうにえた。


わたし学校がっこうで「いえのお手伝てつだいをおかあさんにって、お手伝てつだいをしてみましょう。」とわれたことがあって、それをつたえるとははは「わたし仕事しごとるな!絶対ぜったいさわるな!」と怒鳴どなりつけられてから、家事かじ全般ぜんぱんさわらなかった。


「おまえたちがずっと学校がっこうてくれたらいいのに。」

わたしは、わたしたち兄弟きょうだいは、ははにとって必要ひつようではない存在そんざいであって、はは人生じんせい邪魔じゃまであって、必要ひつようとされていない存在そんざいなのだとおもうと、わたしなみだまらなかった。


学校がっこうやすみのときさら顕著けんちょ態度たいどていた。

300えんわたされて、指定していしたものっていと、無責任むせきにん放任ほうにんされていえからされるのだ。


わたしはそんな駄菓子だがしって、公園こうえんみずんでせてしまう身体からだ誤魔化ごまかしていた。



「いってきます。」

3みっか着替きがえていない、洗濯せんたくされていないふく小学校しょうがっこうくためにいえる。


「もうかえってなくていいぞ。」

そういうははを、わたしはとてもうとましくおもっていた。


ガスをめられ、カセットコンロでなべべる夕飯ゆうはん


電気でんきめられ、ゆらめくロウソクのほのおなかほんよる


水道すいどうめられ、公園こうえんみずみにった、バケツをつあのいたみ。


かねたいして、異常いじょうほど無頓着むとんちゃくで、めんどくさがりのははが、わたし大嫌だいきらいになっていたのだ。


わたしをこの記憶きおくめる。

もっとい、他人よそさまのような生活せいかつおくれたらどんなにかっただろうという、嫉妬しっと気持きもちがあることで、わたしはなんというあさましい人間にんげんなのだろうかと、記憶きおくからの気持きもちがわたしめて、いまでもむねいたむのだ。

2017.7.23 日曜日 平成29年

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ