娘は可愛い。そして孫娘も可愛かったが、曾孫はますます可愛いらしい…陛下の場合。
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私には娘がひとりいる。
最初の子は男の子だった。そして次の子も…その次の子も。
息子が3人。
跡継ぎには困らない。王妃である妻は立派にその勤めを果たした。
身体が弱かった妻にとってはこれは充分すぎる程の功績だと誰もが言った。
私もそう思ったし、実際、健康で賢く育っている息子達に不満はなかった。
だが、妻がどうしても『娘が欲しい』と言ってきかず、生まれたのが第4子王女フリーダだ。
しかし、生まれてみると同じ兄妹(血)だというのに末娘はことの他可愛かった。
妻もやっと出来た末娘をとても可愛がっていたし、息子達にとっても妹は特別可愛かった様だ。
それこそ…我が姫は皆に愛されてスクスクと育っていった。
娘も息子達にたがわず健康で賢く育っていたが、
誰に似たのか女の子にしては気が強く、兄達にも意見して
すぐ上の息子などは歳も近いせいか娘に毎日振り回されていた。
今思い返しみても微笑ましい。
しかし、その時のお陰なのだろう。
第3子は随分としっかりした、アドリブに強く大変応用力の抜きん出た子になり、留学などを経て国に戻ると今では第1子の右腕として務めている。
気まぐれに「王になりたくはないか?」と聞いてみたら
本人曰く「私はサポートする側で、間違ってもされる側ではない。」との事だった。
そうこうしているうちに
『あっ』と言う間に娘は成長するもので、いつの間にやら絶世の美姫と言われ
求婚者が後を立たなくなっていた。
兄妹仲が良く、大抵のお願い事は兄達に叶えてもらっていた様だが
そんな中、娘は私に『一世一代のお願い』をしてきた。
「私もお父様とお母様の様に、ただ1人の人と添い遂げたいと思っています。私のワガママを聴いてはいただけないでしょうか?」
最初は驚いたが、娘が言いたいこともわかる。
私と妻は政略結婚だったが、王妃はひとりだけだと大切にしてきた。
その姿を娘は小さい頃から見てきているのだ。
幸いに我が国は強く、政略結婚をさせなくても問題ない。
それなら娘の好きな所に嫁がせてやりたいと思うのが親心だ。
私は二つ返事で許可を出した。
こんな願いを口にする娘は、すでに好きな男がいるのだろうと思っていたのだが・・
それは全くの早とちりだった様で、娘は2ヶ月かけて相手を厳選してきた。
それに慌てたのは、息子達。
何んだかんだと『いちゃもん』をつけて阻止しようとしたが、留学中だった第3子が慌てて呼び戻される頃には婚約を整えており、きっちり1年後には隣国へ嫁いで行った。
その後 娘は、「あの時を逃していたら私は立派な行き遅れになっていた。」笑顔で話していた。
計画的で思い切りがよくて・・本当に あの子らしい。
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それから数年後に孫娘が生まれた。
王族特有の婿の家の色彩を纏ってはいたが、容姿は娘にそっくりだった。
つまり、とても可愛らしい。
すでに孫は何人もいたが、なんせ女の子は初めて。
私や妻はもちろん、息子達も自分の事の様に喜んで祝った。
孫娘ミーナは、日に日に可愛らしくなっていき
これまた唯一の『姫』として皆に愛された。
そして、どうやら我が同志 アビ に幼いながらも恋したらしく
嬉しいことに毎週の様に城を訪れて、私たちを喜ばせた。
実は、容易に行き来出来るように娘の住む屋敷に魔法陣を用意すること
それが、私が娘に出した結婚の条件であったのだが・・
思った以上に役にたった様だ。
一方、アビは まったく相手にしていなかったが、それこそ好都合だった。
幼い頃から、優しくて魅力的だったミーナに同世代の者たちは皆 夢中になってアプローチしていたが
なんせ、そのミーナの理想はアビなのだ・・青臭い信奉者なんて眼中にない。
いい虫除けである。
そのミーナが嫁入りする。
それがわかった時、激震が走った。
しばらく前から、頻繁には遊びに来なくなっていた。
でも、月に1度は相変わらず顔を出していたのだ。私としては寝耳に水だった。
妻はミーナが結婚を前提につき合っていたのは知っていて、すでに馴れ初めなども聞いていたらしい。
初耳だ!知っていたなら、なぜ知らせなかった?
・・と今更言ってもあとの祭り。
出来るなら我が国の将来有望な者と目合わせてみたかったのだが・・残念だ。
孫娘は『まだまだ幼い』ままだと思っていたくて、タイミングを逃してしまったようだ。
相手はそこそこ使える魔法使いらしい。
息子達は結婚式直前まで騒いでいたが、好きあっているというのだから仕方ない。
でも・・やはり結婚後
訪れは年に一回ほどに減ってしまった。
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そして、ついに曾孫が生まれた。
それも待望の女の子。
数年前に妻に先立たれて、心持ち沈んでいたのだが
妻も可愛がっていたミーナの娘。
ものすごく可愛いに違いない。名前はリコと言うらしい。
残念な事に誕生祝いの席には公務で出席できなかった。
その後、曾孫誕生の話を聞いた同世代の大臣らが
「孫も可愛いが、曾孫はますます可愛いですよ」と惚気ていた。
私も滅多に会えないのであまり交流は無いが、男の曾孫なら数えきれない程いる。
どれも特に可愛くはない。(成長が楽しみなのはいるが)
反対に むさ苦しいのもいるのだが・・と本音を漏らすと。
「そうですか?可愛いのに・・」と不思議がりながらも、女の子なら尚更なのだと締めくくっていた。
それでは、私の仕事を今すぐ減らしてくれ。可愛い曾孫に会いに行く時間が欲しい。
・・そう言い続けて3年がたった。
羨ましいことに、先日アビは『曾孫のリコ』に会ったらしい。
利発でものすごくお可愛らしい姫様でしたよ。と報告を受ける。
私は報告を聞きたいのじゃなくて、会いたいのだが・・
しかし、しばらく経った頃。幸い向こうからアプローチがあった。
リコからのプレゼントを使いだという妖精が持って来たのだ。
何やら紙を折って何かの形を模写している様だが、可愛らしい字で自分の名前と『お爺様へ』とある。
それが素直に嬉しかった。
使いの者から今だ会ったことのないリコの話を聞く。
やはり、もの凄く可愛いらしい。
その後もリコとはやり取りを続けている。
日増しに増えていくリコのプレゼントを見る度に目尻が下がる。
こんなに毎日が楽しみなのは久しぶりだ。
今日やっと会える。
うん。陛下とリコちゃんは相思相愛。
だと思う。
頑張れリコちゃん。陛下をたらしこんでしまえ〜




