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【冒頭風】一番しっくり来る書き方

あくる日、彼は目を覚ました。


「うっ……」


明瞭としない頭、ぼやける視界を不快に思ったのか、手で目を塞ぐと軽く頭を振る。


明瞭となった頭で目で、周囲の状況を把握する。


暗く、四角い部屋。部屋に置かれた棚や道具、木で作られた物は朽ち果て、床共にホコリまみれ。


「今は何時だ?」


朽ち果てた様子からすると数十年は経過してると思われるが正確ではない。


男は天井を見上げると手を伸ばす。


「#=*℃✸Ⅱ」


呪文らしき物を唱えると伸ばした手からビームのような物が飛び出し、天井を一直線に貫く。


パラパラと土や砂利が落ちて来る。


目に入って来る小さな土や砂利を気にせず、男は穴の奥へと目を向け続ける。


「森、か……?」


男は不思議そうに呟くと、顎に手を添え考え込む。


(私の記憶が正しければこの辺りは街だった筈だが……数十年で森に変わるものか?)


「無いな」


それが男の出した結論だった。


男はフッと笑うとその場から転移をし、地上の森へと出る。


「鬱蒼とした森。人の居た形跡は全く無い」


自分の記憶との齟齬を無くすかのように呟き、辺りを見回す。


「あの忌々しい街だった場所が今や森になるとは……」


“想像だにしていなかった。だが、愉快だ”


男は不気味な笑い声を上げる。


笑う男の瞳はギラギラと輝き、身体から不気味なオーラを漂わせる。


もしこの現場を見た者が居たら口を揃えて言うだろう。


『悪魔の帰還だと』

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