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箱庭シンドローム  作者: 彩音
1章 空白の記憶~Diary~
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第一章 空白の記憶~Diary~ 1話

この話は暴力・血・死体の表現がございます。

なので、年齢制限をかける所までいきませんが、



PG12(小学生は保護者の許しがあれば観覧できる)とさせて頂いてます。



なるべく間接的な表現で書いているのと、ストーリー上必要な部分でしかそういう描写はありません が、

個人的な考えを言うと、小学校低学年はご遠慮願いたいです。

また、軽い描写でもそういうの苦手という方もご遠慮下さい。

夢を見ました。




そう、とても、とても・・・・恐ろしい夢でした。




黒い影が悪魔のような笑い声を響きかせながら、たくさんの人を殺す夢。

黒い影は、女も子供も関係なく、ただ純粋に楽しむように次々と人を殺していきます。




わたしは、怖くて、怖くて・・ただ、立っているのが精一杯でした。




頭の中が、ただ純粋に恐怖に支配されていて、身動きが取れず、「助ける」という考えも浮かびませんでした。




―――どのくらいの人を殺したのでしょうか。




黒い影がわたしの方に顔を向けて、口だけしか見えない顔が、

にやり、と笑い、黒い影が持っていた特徴的な柄のナイフがキラリ、と光ります。





―――殺される。




全身に殺気を受け、わたしは逃げようとします。

だけど、身体が金縛りのように固まっていて、動けません。

助けを呼ぶ声すらも、ヒュー、ヒューという空気のような音しか出ません。




―――いや、いや!死にたくない!やめてっ!助けて!わたしはまだ―――





悪魔は、すごい勢いで、わたしの元にやってきて、ナイフを振り下ろして―――






そこで、わたしは目が覚めました。






--------





雲ひとつないような青空。





草の匂いに、そよ風が吹いていて、世界は驚くくらい平和で・・・・





夢から覚めたわたしは、草原に横たわってました。



(もしかして・・・ここは、天国?)



一瞬だけそう思いましたが、すぐに自分の胸の鼓動を聞いて、

まだわたしは自分が生きていることを確認しました。


どうやら、わたしは昼寝をしていたようです。



・・・まだ頭がぼんやりとしていて、寝る前に何をしていたのか思い出せませんけど。



わたしは身体を起こします。





すると、手元に、あの恐ろしい夢で出てきた特徴的な柄のナイフがありました。




「・・・ど、どうして・・・・?」



あれは・・・夢ではなかったのでしょうか。



でも、それなら・・・・どうしてわたしは生きているのでしょうか。




わたしは自分の身体を見下ろします。

フリルのたくさん付いた黒いワンピースのお腹のあたりが、まるでナイフで切られたみたいに傷がありました。

幸い、傷は浅かったみたいで、あまり血は出てませんでした。



でも、ああいう夢を見た後なので、嫌な予感が頭をよぎります。

とりあえず、わたしは何度も深呼吸をして、自分を落ち着かせようとします。





―――あれはただの夢。




そう、夢です。ですから、きっと、このナイフも偶然なんです。



あんなひどいこと、わたしの目の前で起こったはずがないんです。

だって、そうでなければわたしはあの悪魔に殺されてもう死んでますから。



落ち着いてわたしは周りを見渡してみました。

10Mくらい先に、金髪の女の人がうつ伏せで寝ていました。



わたしはその人を起こそうと、その人の元に駆け寄り、起こそうとしました。





―――だけど、その人はとても冷たくて・・・



そう、まるで死んでいるみたいでした―――





「いやああああ!」





わたしは大きな声を出してその場から逃げ出しました。




誰か、誰か、誰か!!




生きている人を探そうとわたしは駆けずり回ります。




―――でも、生きている人は誰もいませんでした。



村には人がいましたが、全員もう既に亡くなった後でした。



きっと、こんな惨劇がなければここは自然豊かでのどかな村だったんでしょう。






でも、今はもうーーーーそこら中に血痕と死体がある恐ろしい惨劇の舞台になってました。







それなのに、世界は驚くくらい静かで、平和で・・・・・

こんな惨劇なんてなかったように回っていきます。




わたしは、ただ怖くて、怖くて、その場に座り込んで泣き出しました。





どのくらい泣いたのでしょう。



一時間とも、永遠とも言えるような長い、長い時間が立ちました。





「おい、お前、何があったんだ。」




人の声です。男の人の声が聞こえました。

わたしは、ゆっくりと顔をあげました。


赤茶色の髪をしたぼさぼさの髪の男の人が、そこに立ってました。




―――ああ、生きている人だ。



生きている人に会って安心したわたしは、意識を失い、そこで倒れました。



次にわたしが起きたら、病院みたいな所にいました。



「やーっと、目が覚めたか・・・・・」



赤茶色の髪色をした男の人がかすれた声でわたしの顔を覗き込みます。



「えっと、ここは・・・どこですか?」



わたしがたずねると、男の人は面倒くさそうに頭を書いて、タバコを取り出し、火をつけました。



「・・・・ノルディックタウンのクローク医院。」



男の人はタバコの煙を吐いて、それだけ言いました。




ノルディックタウン?



クローク医院?




全く聞き覚えがない地名を言われ、わたしは混乱しました。



「えっと・・・ノルディックタウンってどこですか?」



「アルテミス王国のはしっこにあるだろ。」



「・・・えーっと、アルテミス王国って何ですか?」



男の人は怪訝そうに眉をしかめました。



「お前、そんなことも知らないのかよ?世界最大の王国だろ?」



そんなこと言われても、思い出せないものは思い出せないんです。



「まあ、別にどうでもいいけどよ・・・それより、お前、なんであそこにいたんだ?」



「えっ?」



「ノー村だよ。あそこで倒れていただろ。」



あそこで倒れていた・・・

ということは、さっきの悪夢のような出来事があった村のことを言っているのでしょうか。



「えーっと、よく分からないんです。」



「は?」



「その・・・夢を見ていて・・・目が覚めたら、草原で寝ていて・・・寝る前のことは覚えてません。」



男の人はしばらくわたしを見て、大きなため息を付きました。



「覚えてねーって・・・そういうことがあるのかよ・・・」



「まあまあ、アレクサンダー君。起きたばかりの患者に無理をさせてはいけないよ。」



扉が開いて、メガネをかけ、白衣をきた男の人が入ってきました。

たぶん、服装から見るとお医者さんなのでしょう・・・たぶん。



「あと、病院では禁煙だよ。そのタバコはしまって貰えるかな。」



お医者さんが、穏やかな声で注意をすると、

アレクサンダーと呼ばれた男の人は不貞腐れたようにタバコの火を消しました。



「はじめまして。僕はこの医院を経営しているクロークだよ。君の名前は?」



「えっと、わたしの名前は・・・・」



わたしはそう言って、自分の名前を思い出そうとしました。




わたしの名前・・・・わたしの名前は・・・





あれ?





思い出そうとして、わたしはある事実に気づいてしまいました。





―――そう、わたしの記憶がすっぽりと抜け落ちたかのように、空白だったのです。




「・・・・・・そんな、どうして・・・」



わたしはとても怖くなりました。


わたしは自分が誰なのか、どういう人間なのか、

どういう人生を歩んできたのか、全部きれいさっぱり忘れてしまっていたのです。



「・・・どうしたのかな?」



「・・・・えっと、覚えてないんです。」




「えっ?」



「思い出せないんです。・・・わたしが誰なのか・・・・どういう人生を歩んできたのか・・・・」



「マジかよ!じゃあ、お前、あの事件についても何も覚えていないというのか!」



「ひっ!」



いきなりアレクサンダーさんがサイドテーブルを叩いて、ずごい形相で睨んできました。



「すみません・・・すみません・・・・。本当に、何も分からないんです・・・・。

夢から覚めたら・・・草原に寝ていて、側にナイフが転がっていて・・・金髪の女の人が倒れていて・・・」



あの景色を思い出すと、気分が悪くなってきます。


世界は平和なのに、血と人の亡骸が転がっている異様な光景。



思い出すと、ぐるぐるとめまいがして、気持ち悪くて吐きそうで―――



「もう、いいよ。」



青い顔をしたわたしを、お医者さんはなだめました。

その一言でわたしは現実に引き戻されます。



「・・・くそっ!」



アレクサンダーさんが、悔しそうにうつむきました。



「・・・あの、何が・・・あったんですか?」



「・・・・・・そこのアレクサンダー君はね、この町ではなく、隣のノー村に住んでいるんだ。

彼がノー村に帰ってきた時、村中の人々が皆誰かに殺されていたんだ・・・ただ一人、君を覗いて・・・。」



「そ、そんな・・・・」



あまりの事態にわたしは言葉が出ませんでした。


もしかして・・・あの惨劇を見る前に見た悪魔が人を殺す夢は、夢ではなかったのでしょうか。




だとしたら・・・・



「・・・顔が青いね。少し寝た方がいい。

とにかく、少し寝なさい。起きたら、どのくらい記憶が抜けているのか確認しよう。

アレクサンダー君、そういうわけだから、明日またきてくれ。」



「分かったよ・・・」


アレクサンダーさんはとぼとぼと扉を開けて外に出ていきました。

気のせいでしょうか、彼の背中がとても小さく見えます。



「・・・あとで彼にお礼を言いなよ。

彼はここまで君を運んでくれて、目が覚めるまでずっと側にいてくれたんだ。」



お医者さんがこっそり教えてくれました。




そうか・・・あの人が、わたしを・・・:



お医者さんは、アレクサンダーさんがノー村に住んでいると言いました。

きっと、出かけている間に住んでいた村が様変わりして、彼もかなりショックだったのでしょう。



それなのに、全く知らない赤の他人のわたしを助けてくれるなんて・・・・



・・・態度は悪くても、きっとやさしい人なんですね。




その日は色々なことがありましたが、

アレクサンダーさんのことを思うと何故か安心できて、ぐっすり寝ることができました。




彼のことを思うと心があったかくなって・・・

全然彼のことを知らないのに、何故だか信頼できると思っているんです。



自分が誰なのかわからないし、

何が起こっているのかもイマイチ理解できていませんが、



彼のことは絶対絶対信頼出来るんです。





こうして、わたしの一日目は過ぎていきました。




次の日の朝早く、アレクサンダーさんは病院に来てくれました。



「おい、どうだった?」



「結論から言うと・・・日常生活には問題はない。だけど、それ以外は思い出せないみたいだ。

事件のことも何も覚えてない。」



「そうか・・・」



アレクサンダーさんはがっくりと肩を落とす。



「すみません、お力になれずに・・・」



「まあ、きっと事件の影響だろうし、時間が立てば思い出せることもあるだろうから。

君は気にしなくていいんだよ。」



わたしが落ち込んでいる所をお医者さんが、慰めてくれました。



「ああ、そう、アレクサンダー君。

彼女、今日で退院出来るから、後は君で責任持って預かってよ。」



「な、なんで俺が・・・」



「彼女を先に見つけたのは君だろう?

病院は孤児院ではないんだよ。まあ、彼女じゃ、孤児院も難しそうだけど・・・」



「捨てられたペットかよ・・・」



アレクサンダーさんは面倒くさそうに、ため息をつきました。



「そうそう、ついでだから、彼女に名前を付けてあげたら?」



「だから、なんで俺が・・・」



「医者は名前をつけるのが仕事じゃないんだよ?」



「・・・・・。」



お医者さんは、優しいけど、ちょっとドライな人のようです。


まあ、わたしにとってはどうでもいいことなんですけれど。

そんなアレクサンダーさんはしばらく頭を抱えてました。



「あー、それじゃあ、マグノリアでどうだ?」



「マグノリア?何ですか?それ?」



「春に咲く白い花だよ。ほら、病院の窓の外にも咲いている。」



お医者さんに言われてわたしは窓の外を見ました。


そこには白い大きな花が咲いてました。

とても可愛らしくて綺麗な花です。



「いいですね。マグノリア。わたし、気に入りました!」



わたしがアレクサンダーさんに笑顔を向けると、何故か彼は少し複雑そうな顔をしました。



でも、すぐに面倒そうな顔に戻って、



「おい、お前、早く記憶思い出せよ。」



とぶっきらぼうに言いました。



「ああ、そうそう。彼女が着ている患者服、明日までに返してね。」



「てめえ・・・俺にこいつの面倒を押し付ける気か。」



アレクサンダーさんが恨めしそうにお医者さんを睨みつけました。



「最初に彼女を見つけてここに運んできたのは君だろう?

それなら、君が面倒見るのが筋ってものだよ。

まあ、彼女の記憶についてはちゃんと定期健診で様子を見るからさ。」



アレクサンダーさんはしばらく不満そうにお医者さんを睨みつけました。

しばらくして、舌打ちをして、



「おい、マグノリア行くぞ。」



とぶっきらぼうに病室を出ていきました。



わたしは彼に置いていかれないように早足でついていきます。



病院を出ると、化学工場の煙突がたくさんあるような所に出ました。

左側を見ると、少し古い建物が並んでます。どうやら、あそこが住宅街のようです。


えーっと、お医者さんから聞いた話だと、

このノルディックタウンは化学工場がたくさんある街、ということでした。

なので、この街はこういう感じの街並みなんでしょう。

なんだか、工場も建物が全部ぼろぼろで、地震がきたら崩れてしまいそうです。



「ったく、面倒なことに巻き込まれちまったなー。」



アレクサンダーさんは病院を出るなり、タバコに火を付けました。



「アレクサンダーさん、タバコは身体に悪いんですよ。」



「あー、はいはい。知っているっての。

つーか、お前、そういうどうでもいいことは覚えているんだな。」



昨日病院で起きたばかりの時は頭がはっきりしませんでしたが、

寝たらなんとなく頭がはっきりしてきました。


・・・と、言ってもわたしが思い出せることはほんのちょっぴりです。



例えば、包丁の使い方とか・・・お料理の仕方とか・・・・食材の名前とか・・・そういうことは思い出せます。


それをアレクサンダーさんに伝えると、



「それ、全部食べ物関係じゃねーか。」



と、呆れられちゃいました。



「むむっ!失礼な!食べ物以外も思い出せるんですよ!

それに、わたし、お医者さんが知らない料理の名前を知っているんですからね!」



「は?何だそれ?」



「パルティルコって名前なんなんですよ!」



「・・・知らねーな。どんな料理だ?」



「えっと・・・バンの一瞬なんです。

小麦粉の変わりに米粉を使ったパンのことをパルティルコって呼ぶんですよ。」



「・・・それは初耳だな。」



ふふっ。他人が知らないことを知っているって快感なんですね!

今度、アレクサンダーさんにパルティルコをご馳走してみましょう!きっと、喜んでくれますよね!



「つーか、んなことはどーだっていいんだ!事件だ、事件!お前、本当に何も手がかり知らねーのか?」



アレクサンダーさんがすごい剣幕で怒鳴ってきました。


ううっ、そんなに大きな声で怒鳴られてしまうと萎縮してしまいます。



本当はアレクサンダーさんの為なら何だってやりたいのですが・・・覚えていないものは、覚えていないんです。

思い出そうとしても、頭の中は全くの空っぽで何も書いてません。



真っ白な紙をどう見ても文字が見えないのと一緒です。



どこをどうやっても、記憶は真っ白なんです。



「・・・すみません、お役に立てなくて・・・夢なら見たんですが・・・」



「夢?なんだそれ?話してみろ。」



「えっと・・・悪魔のような黒い影がたくさんの人を殺す夢です。」



わたしの言葉を聞いたアレクサンダーさんは一緒だけ虚をつかれたような顔をしました。



「・・・あくまでも、夢なんですけど・・・・」



「どんな夢だった?」



「えっと・・・悪魔が・・・たくさんの人を殺していて・・・

わたしは、全然動けなくて・・・

最後に悪魔が振り返って、わたしに特徴的な柄のナイフを振り下ろすんです。

・・・そこで、目が覚めました。」



今でも、あの夢を思い出すと恐ろしくて身体が震えてしまいます。

でも、アレクサンダーさんのお役に立てるのなら、こんな恐怖なんて可愛いものなんです。


自分なんかどうなったっていい。


とにかくわたしは、アレクサンダーさんの役に立ちたいという一心で彼に夢の内容を喋りました。



アレクサンダーさんは難しい顔で何か考えてました。



「そのナイフって・・・これか?」



アレクサンダーさんは懐からあのナイフを取り出してわたしに見せました。




―――間違いありません。



夢に出てきたあのナイフです。




「はい、それです!」



わたしが即答するとアレクサンダーさんはまた難しい顔で何か考え込んでしまいました。



「・・・・・おい、お前、またあの村に行けるか?」



「えっ?」



「ノー村だよ。もう一度現場をみれば何か思い出すかもしれないだろ?」




あの血と死体の光景を思い出すと、今でも身体が震えます。



本当だったら、もうあそこには行きたくもないし、思い出したくもないんです。




でも・・・・




「頼むよ。あそこで何があったかを知るには、お前の記憶だけが頼りなんだ。

俺は・・・絶対にあの村をあんなことにした奴をつきとめてーんだ。」



アレクサンダーさんはとても真剣な瞳でわたしを見つめます。



彼の目には、大きな覚悟がありました。



絶対に真相を暴くという・・・覚悟が。




―――本当は、とても怖いし、逃げ出したい。あんな所、行きたくない。




でも・・・アレクサンダーさんはわたしを助けてくれました。




だから、今度は・・・・




―――わたしが助ける番なんです。




本当は、わたしは記憶なんて思い出したくありません。

むしろ、思い出さない方がいいんです。



でも、少しでも彼の力になりたいから。



彼に恩を返したいから。




全部思い出さなくてもいいんです。




ただ、わたしが体験したであろう惨劇のことをちょっとだけ思い出せればいいから。



「行きます。」



わたしは、ちっぽけな勇気を振り絞って彼に言いました。



「・・・・ありがとな。」



そう言って、彼は小さく笑いました。

その笑顔がとても可愛くて、わたしの胸がどきん、と鳴ります。



その笑顔を見れるのなら、わたしの恐怖なんて全然大したことありませんね。



「おっし、まずは服買いに行くぞ。その服汚したらクロークがうるせーからな。」



と、アレクサンダーさんは面倒くさそうにタバコをふかしながら歩きはじめました。



「歩きタバコは危険ですよ!子供に当たったらどうするんですか!」



わたしは彼の後を追いかけます。



「うるせー。俺は身長高いから当たらないって。」



アレクサンダーさんはわたしの忠告を全く聞かずにタバコの煙を吐き出しました。



服屋に行く間、どうしたらこの人にタバコを辞めさせるかを考えながら、

わたしは早足でアレクサンダーの後について歩いて行きました。




END

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