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TS魔王の『モン娘』ハーレム綺譚  作者: 九條葉月
第二章

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閑話 お留守番の人馬さん。(ニィル視点)


 閑話 お留守番の人馬さん。(ニィル視点)



「――なにやら危機感です」


 私の部屋でお茶を飲んでいたゴーレムのタロンが、窓の外を見上げながらそんなことをつぶやきました。えぇ、ラーク様の作ったゴーレムは食事ができるのです。ラーク様に対して常識を語ってはいけませんね。


 ちなみにタロンとはここ最近で親しくなりました。なんだか知らないけど気が合ったんですよね。きっかけはタロンが小細工したというエイルさんの弓(自動追尾効果付き)について話を聞いたことだと思います。私はこれでも弓兵ですからね。


 昔から友達を作るのは得意なんですよねぇと私が新しいお茶菓子を準備していると、



「――楽くんもだけど、ニィルも天然の女たらしだよね。いや、恋愛には至らないから人たらしと言った方が正確かな? さすがとしか言いようがないよね。そりゃ楽くんも落とされちゃうってものさ」



 いつの間にやら現れた不肖の友達、ユルがまたアホなことをほざいていました。


「友達に対して『不肖』って表現はどうかと思うな!?」


 失礼。不出来で残念な友人と訂正しましょう。


「表現って、そういう意味じゃないよ!? しかも悪化しているし!」


 この小悪魔めぇー! とユルは床をゴロゴロと転がっていました。こんなのが創造神ではそのうち世界は滅びるのではないでしょうか?


「あ、それは大丈夫。楽くんのおかげでいくつかルートは潰れたから。いや~さすが私の楽くんだよね! 無意識のうちに世界を救うとは!」


 さらりととんでもないことを口走るユルです。床の上で身悶えながら。

 まぁしかしラーク様はユルと違って優秀ですし、世界の一つや二つ救っていても不思議じゃないですよね。


「楽くんへの信頼と、私への酷評が胸に突き刺さるユルちゃんであった……」


 自分で『ユルちゃん』とか、恥ずかしくないんでしょうか?


「ニィルはもう少し私に優しくしてくれてもいいと思うな!」


 こんなダメ創造神を追い出さないだけ優しい対応だと思いますが?


「うぅ、ちょっと納得しちゃった私はやっぱり扱いが悪すぎると思う……」


 床に手をついて黄昏れるユルです。

 まぁそれはいつものことなので放置するとして。こんなユルよりも気になることがありました。


「タロン。危機感って、どうしましたか?」


 タロンは神話の時代から生きている凄いゴーレムらしいですからね。スーパーパワーで何らかの危機を察知してもおかしくはないです。


 タロンは何か言いたそうな顔でユルを見つめた(というか、見下した?)あと、私の質問に答えてくれました。


「はい。お姉ちゃんの『妹』としての立場が怪しくなる予感がします」


「……はい?」


「具体的には『くーる』でありながら心の中には熱いものを宿している系の妹が爆誕する気がします。リュアいわく『クーデレ妹』ですね。これは強敵に違いありません」


「……みょ、妙に具体的ですね?」


 なにやら真っ白なアラクネが脳裏に思い浮かんだのは気のせいでしょうか?


 た、タロンは凄いゴーレムですからね。スーパーパワーがあれやこれで色々察知したのかもしれません。えぇ、あまり深く考えたくありません。


 そもそも、妹系といえば私でしょう? 私ほど『妹力』が高い存在もそうはいないと思いますが。私には危機感を抱かないんですか?


「はっ」


 鼻で笑われました。ちょっとショックです……。


 と、そんな私を見てユルがガバッと起き上がりました。


「……ふっふっふっ! ニィルもぞんざいに扱われる辛さを身をもって理解したようだね! 分かったならこれからはもっと私を敬いなさい! 私! これでも! 創造神!」


 自分で『これでも』って言ってるし。

 創造神としてそれでいいのでしょうか?


「…………」


 タロンがとても冷たい目でユルを見下していました。それはもう心の弱い人だったら再起不能になるレベルで。

 気持ちは分かりますけどもうちょっと手心を加えてあげてもいいんじゃないでしょうか?


 ユルは私に対するように元気いっぱいハイテンションに文句を言うかなぁと思ったのですけど、意外や意外、何かを恐れるように私の背中――というか馬体の後ろに隠れてしまいました。


「くっ! 恐くないよ! いくらタロンが神殺しのスキルを持っているからって、創造神は恐れないのです!」


 神殺しスキルが恐いと。そりゃあまぁ物理法則すらねじ曲げたと伝わるユルにとっては唯一の天敵になるでしょうからねタロンは。ビビってしまってもしょうがないのでしょう。


「び、ビビってなんかないよ! ただちょっと安全マージンを多めに取っているだけで!」


 それを世間ではビビると言います。

 そんなユルを見てタロンがわずかに首を横に振りました。


「……神様ってこんなどうしようもないのしかいないのでしょうか?」


 タロンがそれはそれは深いため息をつきました。彼女の事情は本人の口から聞いています。幼女趣味で自分の作ったゴーレムに欲情してしまう鍛冶神や、なんちゃって創造神を目の前で見せつけられているのですから致し方無しですね。


「仕方なくないと思うな! 神様の中にもまともなひとは……、…………、……………………い、いると思うよ?」


 ダメだこの創造神ウソもつけない。


「嘘をつかないのは美点だと思うな!」


 つかないことと、つけないことは違います。前者は高潔な精神の持ち主ですが、後者はただの天然ボケです。


「天然ボケ……ひどい、創造神なのに……」


 いつものようにうなだれるユルでした。まぁお茶菓子を食べれば機嫌も治るでしょう。


 今日はタロンしか来ない予定だったのでユルの分のお茶菓子が足りません。というわけで、ラーク様から習った(ここ重要)クッキー作りの準備を始める私なのでした。










 ユル

「タロンは唯一の天敵」


 姫

「ラークの“ミキリ”は平気なのか?」


 ユル

「……た、試したくはないかなぁ~……」



次回、8月1日更新予定です



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― 新着の感想 ―
[良い点] タロンさん、どんなスーパーパワーを使ったらこんなに具体的まで判るですかねw ユルさん、残念美人ですけど、それはそれで素敵だと思います、偶にはもう少しマシの扱いでも良いかも知れませんw
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