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ぼーいずどんとだい  作者: ゲロブス
第十二章 ある平凡な長い一日!!!
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遅刻して正解!!

「まずい…!伏せ…!」

流の叫びも虚しく、教師は変異した右腕を鞭のようにしならせると、生徒達全員の首を、痛みを感じる間も与えずに、一太刀で刎ねた。

…かと思われたが、実際は少し違った。

「ん…?」

生徒達の首が宙を舞う中、教師が下に目をやると、2人の生徒が床の上で覆い重なっていた。

間一髪のところで、流が由香里を押し倒して救ったのだった。

切断された首の断面から、降り注ぐ血の雨を大量に浴びながら、流は由香里の顔を見つめて、言った。

「大丈夫か…!?」

「な、流さん…!こんな大胆な…♥♥♥」

由香里は顔を赤らめながら、目をハートマークにさせて呟いた。

「おい、こんな時に発情してんじゃ…!」

「あっ!流さんうしろうしろ!!」

「何ッ…!?グホォッ!」

流は振り返った途端、すぐそばに立っていた教師に、針のように変異した右腕で、心臓を一突きに貫かれた。

針はそのまま、彼の背中を突き抜けると、由香里の顔をわずかに逸れて、床に深々と突き刺さった。

「ひょっ…!」

由香里は目を見開きながら、あえなく失神した。

その様子を、首を後ろに曲げて確認すると、何を思ったのか、流は薄っすらと笑みを浮かべた。

「よし、気絶してくれたな…!これで…」

流は続けて、言った。

「変身出来る」

蛾男の姿へと変身すると、流はすかさず前方へパンチを繰り出した。

その一撃により、教師は上半身が砂埃のように霧散し、残った下半身は机や生徒達の死体を巻き込みながら、黒板へと叩きつけられた。

すると、散らばった砂粒が集まって、あっという間に、吹っ飛んだ上半身を形成していった。 

しかし、その姿は先程とは全くの別人だった。

「アンタは確か数学の…」

「おっと!私としたことが、本当の姿に戻ってしまいました」

春野陽気はそう言うと、眼鏡の位置を調整した。

「アンタも誰かさんの命令で僕を殺しに来たクチか…。随分と派手にやってくれたな、狙いは僕だけのはずだろ?」

「おやおや、こうなったのは貴方にも責任があるのですよ?」

「…何だって?」

春野は慇懃無礼な態度で、流を責め立てた。

「貴方が人並みの生活を望もうとしたせいで、彼らは命を落としたのです。疫病神の貴方が普通の人生を送れると思ったのですか?大人しく我々に始末されていればよかったものを。貴方さえ死ねば、この悲劇は終わるんですよ」

「…それじゃ、ついでにアンタも不幸にしてやろうか?」

「出来るものなら…」

その時、廊下から足音が近づいて来たかと思うと、金髪の男が教室にやって来た。

「サーセン、遅刻し…何じゃあこりゃああ!!」

春日は、血の海と化した教室を目の当たりにして腰を抜かすと、ゴキブリのようにカサカサとした動きで、悲鳴を上げて四つん這いのまま去っていった。



一方、隣のクラスでは、壁を隔てた先が血みどろの地獄絵図となっていることにも気付かず、いつものように朝のホームルームが行われていた…!!

「それでは皆さん、体調には十分に気をつけて…」

「ぎゃおおおおおお!!!」

騒がしい声に、教師と生徒達が目を向けると、春日が奇声を上げながら、廊下を四足歩行で走っていく姿がチラリと見えた。

「………え〜、それでは皆さん、体調には十分に気をつけて…」

教師は見なかったことにして話を再開した。


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