50. 稲枝
16時42分、稲枝駅に到着。「いなえ」と読む。
ついに、50番の大台に突入した。ゴールが、着実に近づいてきている。
琵琶湖線でお馴染みになりつつある、改札1つ・出口は東西。ホームから見たところ、東口前のロータリーはしっかりしているものの、周囲は住宅街と言わざるを得ない。新快速の停車が絶望的と思えるここ稲枝には、何がある。
改札を出ると、東口から出ろと言わんばかりに目の前に東口階段があったため、下りる。しかし、下りた先で地図はなかったため、ベンチに座って地図検索を開始。
どうやら、西口の方に「稲部遺跡」なるものがあるらしい。敷地がやたら広く、近所の小学校の倍はある。琵琶湖は・・・2キロ以上はあるので敬遠。
西口に行くと地図があったが、随分と広域だったため参考になりそうにない。例の遺跡は線路を背にして垂直方向に進めばあるようなので、少々入り組んでそうだが住宅街に入って進む。
バス会社の看板を見かけ、住所も書いてあり、ここも彦根市のようだ。ひこにゃんがいないのが悔やまれる。
既にオレンジ色になっている空を見ながら歩く。琵琶湖の東側にいると、琵琶湖の方向に夕日があるのだ。
遺跡と思われる場所に着いた。が、田んぼだった。個人的に田んぼのように見えただけで、実際のところは分からない。稲刈りはもう済んでいるはずだが、穂のついた高さ20センチほどの薄茶色のものが大量に植わっている。
その田んぼの右隣はもはや雑草地帯。整備されているようには見えず、こちらとしても手の付けようがない。ただ、建物がない土地が広がっているので、雲が多いながらも夕焼けがよく見える。
地図を見ると、もう少し歩き回れば何かお店がありそうだったが、開いている保証もなく足も疲れてきたので、座れる場所はないがしばらくここで夕焼けを眺めようと思う。ちょうど、少しずつ空の色が変わっていくタイミングだ。
昨日の日没時は尾張一宮駅でスープカレーを食べていたので、まだ年が明けてから一度も夕焼けを見ていない。この機会に見ようと思う。他の駅だと建物の無い場所を探すのに苦労しそうだから、この時間に稲枝を訪れたからこそ見ることができたのだと思う。
ひこにゃんもいなければ新快速を停める理由もない稲枝駅の近くの、地図上に名前だけが残った遺跡のそばで、新年最初の夕焼けを拝ませていただいた。




