君の存在
このページは藍那サイドの話です。
あれから私とたっちゃんは遠い町に来た。
たっちゃんは仕事を見つけて、私はパートをしながら家事をしていた。
「ただいまー」とたっちゃんが帰ってきた。
「お帰りなさい」と私は夜ご飯を作りながら言った。
「相変わらず良い匂いだね・・・」とたっちゃんは鼻をフンフンとさせていた。
「今日はたっちゃんの誕生日でしょ?」と私は冷蔵庫から1ホールのケーキを取り出したっちゃんに見せた。
「そうだった!ありがとう・・・」とたっちゃんはケーキを見た。
「どうしたの?」と私は聞いた。
「藍那ってさぁーショートケーキが好きなの?」とたっちゃんはケーキを指して言った。
「1番好きだけど?」と答えた。
「俺はチョコが1番好きなの!」とたっちゃんは頬を膨らませて言った。
「藍那が好きなのを買ってどうするの?全く・・・罰として3/4食べろよ?」と笑ってケーキに指を挿して口に運び「うん。美味い。」と言った。
「そんなー太っちゃうよ・・・」とご飯の準備を再開させた。
「そう言えばさぁー今日、加奈ちゃんに会ったよ!」とたっちゃんが着替えながら言った。
「そうなの?加奈ココに居るんだ・・・」と答えた。
「藍那は元気かって言ってたぞ!」とたっちゃんは後ろから私を抱きしめた。
「だから、元気有り余ってるから遊んであげてって頼んどいた。」と笑った。
「私は・・・」とむきになって言いかけると「はいはい。餓鬼じゃないんでしょ?」とたっちゃんは両手を挙げて私から離れた。
「からかわないでよ・・・」と私は頬を膨らませて言った。
藍紅の事思い出したじゃない・・・
「元気かなぁ・・・」とつい言葉にしてしまった。
「ん?加奈ちゃんは元気そうだったよ!」とたっちゃんが答えた。
「そっか!」と私は慌てて言った。
「・・・・?」たっちゃんは変な顔をしていた。
藍紅・・・あなたの存在はあまりにも大きすぎる。
私は藍紅。あなたに会いたい・・・
心の中は藍紅で一杯だった。
「今度、加奈に会いに行こうかな?」と私は食卓に少し豪華な料理を並べた。
「いいじゃん!行ってきなよ!」とたっちゃんは私の頭を撫でながら言った。
「じゃあ・・・食べる?」とたっちゃんに言った。
「お誕生日おめでとう・・・」と私はプレゼントを渡しながら言った。
「ありがとう。」とたっちゃんはプレゼントを広げた。
「何がいいか分かんなくて・・・悩んじゃった。」と私は言った。
「藍那がくれるなら何でも嬉しいよ!」とたっちゃんは答えた。
「・・・・これって」とたっちゃんはプレゼントを手に持った。
「指輪・・・深い意味はないけど!私も貰ったし・・・」と言った。
するとたっちゃんは立ち上がって部屋にこもった。
「嬉しくなかったのかなぁ・・・」と呟くと
「あった。」とたっちゃんが出てきた。
「はい。これ・・・」とたっちゃんは私にくれた。
「あの時の指輪・・・?」と私は驚いた。
「唯一捨てれなかった・・・」とたっちゃんが言った。
「言っとくけど!俺ももうその指輪に深い意味なんてないから!」とたっちゃんが慌てて言った。
「まぁー気軽に付けてくれよ?」と恥ずかしそうに言いながら「食べよう?」と言った。
「ありがとう・・・」と私は指輪を付けてご飯を食べた。
たっちゃんも指輪を付けて食べ始めた。
私はもう2度と藍紅に会えない覚悟を決めた。




