《グリフォン討伐依頼》
ラスティアの街、冒険者ギルド。
掲示板に新しい依頼が貼り出されていた。
【討伐依頼】
対象:グリフォンの群れ
推奨ランク:B以上
パーティー編成:3名以上
報酬金:30万円
場所:天空の峡谷(レガルタ・エルディーン大陸境界)
備考:最近、グリフォンの群れが商隊を襲撃している。交易路の安全確保のため、早急な討伐を要請する。
「グリフォンか。前にも戦ったにゃ!」
ミーニャが尻尾を揺らす。
「あの時は、私が」
アリエルがもじもじしながら、前回の戦闘を思い出す。
「今回も頑張ろう!アリエル」
レアが笑う。
「は、はい」
「天空の峡谷か。レガルタとエルディーンの境界だな」
ルークが地図を確認する。
「商隊が通る交易路だから、グリフォンが獲物を狙って集まってるんだろう」
「報酬も悪くない」
「じゃあ、行くにゃ!」
クロス零は、天空の峡谷へ向かった。
ラスティアから馬車で半日。レガルタ大陸の北東へ進むと、景色が変わり始める。
平地が徐々に起伏を帯び、やがて巨大な裂け目が現れる。
それが、天空の峡谷。
二つの大陸の境目に走る、深さ数百メートルの大峡谷。吹き上げる風が強く、上昇気流が常に発生している。
「すっごい風にゃ!」
ミーニャが尻尾を押さえる。
「この上昇気流があるから、グリフォンが住み着くんだな」
ルークが峡谷を見下ろす。
「商隊の馬車、あそこに停まってるにゃ」
峡谷沿いの交易路に、数台の馬車が停車していた。護衛らしき人影も見える。
「襲撃に遭ったのか?」
「いえ、まだみたいです」
アリエルが杖を握る。
「でも、グリフォンが近くにいる気配がします」
その時。
キィィィ!
空から、鋭い鳴き声。
「来たにゃ!」
切り立った崖。吹き抜ける強風。そして、空を舞うグリフォンの群れ。
「数は五体にゃ!」
ミーニャが叫ぶ。
「行くぞ!」
レアが《零・改》を構え、一体目に雷撃を叩き込む。グリフォンが墜落する。
「《雷剣》!」
ルークが二体目を斬り伏せる。
「土魔法・ロックスパイク!」
ミーニャが三体目を撃墜。
残る二体がアリエルに向かって急降下してくる。
「来ます」
アリエルが杖を構える。
《スレッド・リーパー》から無数の魔力の糸が放たれる。グリフォンたちを瞬時に絡め取り、切り裂く。
二体のグリフォンが地面に落下する。
「よし、これで全部にゃ!」
ミーニャが安堵する。
その時。
キィィィィィン!
空気が震える。
「え?」
峡谷の奥、エルディーン大陸側から、巨大な影が飛来する。
それは、グリフォンの二倍以上の大きさ。
鎧のような鱗に覆われ、翼は黒く輝き、爪は剣のように鋭い。
そして、その額には角が生えていた。
「あれは」
ルークが剣を構える。
「グリフォンナイト!グリフォンの進化系にゃ!」
ミーニャが叫ぶ。
グリフォンナイトが咆哮する。その声だけで、峡谷の風が荒れ狂う。
「強い」
レアが認知加速を発動する。
「みんな、気をつけて!こいつ、さっきのグリフォンとは格が違う!」
グリフォンナイトが翼を広げる。風刃が無数に放たれる。
「土魔法・岩壁!」
ミーニャが防御壁を作るが、風刃が壁を切り裂く。
「くそっ!」
「エナジーシールド!」
アリエルが防御魔法を展開する。光の壁が風刃を防ぐ。
「ありがとう、アリエル!」
レアが前に飛び出す。
「《雷迅拳》!」
拳がグリフォンナイトに迫る。グリフォンナイトが翼で受け止める。
ガキィン!
「硬っ!」
レアが弾かれる。
「《雷剣奥義・迅雷斬》!」
ルークが光速の斬撃を放つ。グリフォンナイトが身を翻し、回避する。
「速い!」
グリフォンナイトが反撃する。爪が振るわれる。
ルークが《受け流し》で防ぐが、衝撃で吹き飛ばされる。
「ルーク!」
「大丈夫だ!」
ルークが体勢を立て直す。
「こいつ、攻撃も防御も一流だ。普通の攻撃じゃ通じない!」
「どうするにゃ!」
ミーニャが焦る。




