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青春の楽園  作者: 朝日影
夏に溺れて

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第2話 池袋にて

 ――7月7日。天候は曇りのち晴れ。

そんな今日は土曜日だが、いっ君さんは廣仁の願いを叶えるが為に最近流行りの私服に着替えた姿で池袋に訪れていた。


「ははっ!世界が輝いて見えるな!なあ!廣仁!」

「遠坂君…少し存在が目立つからボリュームだけでも下げて…!」

「あはは…相変わらず遠坂君は陽キャだよね」


 本日、俺・廣仁・神楽坂雅紀の三人で池袋に来ていた。

その理由は期間限定のコラボイベントでプ◯セカがサンシャインシティーとコラボをするようで、実はこっそりプ◯セカをしている廣仁とアニメなどを好む神楽坂雅紀を連れて来ている訳だ。


「ヨシ、サンシャインの如き俺をサンシャインシティーが呼んでいる気がする!さあさあ、早く行くゾ!」


 俺達は池袋駅のみどりの窓口付近で屯っていたが、人の邪魔になりそうだったので、サンシャインシティーの方向に歩き出す。

 通路は蒸し暑い地下なので、蒸し暑い夏の相性は最悪だった。


「暑い…特に地下通路で空気も中々来ないから最悪だぁ…」

「寧ろ冬とかなら丁度良いのかも知れないけどね…」

「うん…」


 何とか通路を歩き出す数分、何とか地上に出た俺達。

そこからサンシャイン通りを通り、先ず付近のセブンイレブンで飲み物だけ購入し、左に曲がって暫く。

 ――其処には池袋のアニメイトが聳え立っていた。


「うっひょ〜!アニメの聖地!我がアニメイトが目の前にある!」

「あはは…神楽坂君がいつも以上に元気に見えるな…」

「普段は優等生で大人しいが、アニメとかの事になると豹変するからなぁ〜」


 盛り上がるのは結構だが、人の目があるから程々にして欲しい。

暫く神楽坂雅紀はスマホでアニメイトを様々な方角から連写すると落ち着いたのか、賢者モードの様な表情になっていた。


「……済まない。少し取り乱してしまった」

「……少々の話では無いとは思うが?」

「あはは…」


 そんなツッコミをしつつ、俺達はアニメイトの中に入る。

一回はグッズやガチャガチャが立ち並び、左端のエスカレーターで二階に上がって行く。


 二階は様々なライトノベルなどが販売され、外国人やオタクなど様々な人達で溢れ返っていた。


「三階が女性用のBLか…俺のお姉ちゃんが興味ありそうなエリアだなぁ…」

「おや?遠坂君?君のお姉さんはそう言ったのが好きな方かい?」

「おん?まあ、化け物で腐女子と言う色々終わってる姉貴だが…」


 俺の姉貴──遠坂碧唯はそんな人間なのであった。

因みに彼氏は男勝りな姉貴なので、居ても長続きはしなかった。

 ……まあ、化け物だし、口が裂けてもこれ以上は言えなかった。


 そうこうしている間にも神楽坂雅紀は様々な棚の上にあるラノベを見物して、興味の引きそうな物が無いかを探していた。

 俺と廣仁はそんな神楽坂雅紀を見つつ、同じく興味のある作品が無いかを探していると…


「あっ!『おうじょシリーズ』があった!ボクのお姉ちゃんが好きな作品の最新刊だし、買って行こうかな…」

「ん?廣仁ってお姉さんがいたんだっけ?」

「あれ?初耳だったけ?ボクの一個上にお姉ちゃんが一人居るよ」


 何とこれは初耳だった。

我等が天使様に姉上が居ようなど知る由も無かった。

……これは機会があればご挨拶に行かなければならないな。


「そ、そうか…ん?『青春ラブコメシリーズ』がこんな所にあったんだな」

「それって面白い?いっ君さんのオススメなら買ってみようかな」

「おう!超絶オススメするゾ。何て言ったてアニメ化もしてるし、原作からアニメを見るとかなり面白いぞ」


 俺は廣仁に色々オススメをし、その中から気に入ったライトノベルを一緒に購入する俺達であった。

 その後、四階〜五階のグッズエリアでプ◯セカのグッズを見つけた廣仁は大喜びしていたのが可愛かったです。




△ △ △




 その後、俺達は近くのサンシャインシティーの地下通路を潜り、地下から地上に出る為に色々と探したのだが…


「こっちに行くと会社員とかが働いているオフィスエリアに行ってしまうから…左側の階段から行けば良いのか?」

「多分そうなんじゃ無いかな?この辺の事は良く分からないけど」


 俺達は何処から出れば良いのか分からず、近くのサンシャインで働く人からルートを教えて貰い、プラネタリウムまで向かった。


 ショッピングエリアの一箇所のエレベーターを登り、上の階まで着くと漸く目的地に到着した。


「この先に行けばプ◯セカとコラボしているプラネタリウムに…」

「何だか楽しみで待ち切れないな…」

「そうだなぁ」


 そう。このプ◯セカコラボの効果が凄まじく、かなりの倍率の中を勝ち抜いて漸く座席を取れたのだ。

 その為、神楽坂雅紀とは座席が離れているが、取れたのだから文句は言えない。

 

 それから暫くし、会場が暗転すると…次の瞬間には夏の星空と共にプ◯セカのキャラ達━━正確には声優さん達が星座をゆっくりと優しい声で分かりやすく紹介してくれた。


「わぁ!?綺麗だな…(小声)」

「俺は君が綺麗だと思うよ(ボソッ)」

「え?何か言った?」


 いえ、何も言っておりませぬ。

俺は首を横に振り、それを見た廣仁は首を傾げつつ上を見上げた。


 全方向に様々な夏の大三角などが浮かび上がり、こと座のベガ・鷲座のアルタイル・白鳥座のデネブの紹介に変わっていた。


(へぇ〜キャラ達の声を聞きながら星座を知れるのは良いな。普通に授業で聴くより何倍も効果的かも知れないな)


 そう思ういっ君さんなのであった。




△ △ △




 さてさて。プラネタリウムを見終わった俺達は出口を抜け、暫く下に下にエスカレーターや階段で降りた後、漸く開けた場所に出るとそのままの足でコラボカフェがやっている場所まで向かった。


 場所は少し離れた地下通路の一角。

其処まで行くとかなりの女性ファンの方々が並んでおり、俺達は最後尾に並んだが、女性陣の視線を感じて落ち着いていられない。


 だが、その視線の大半は廣仁に向けられたものだった。


(まあ、こんなに可愛い男の娘が実在するんだから、そりゃ女性の視線はそっちに向けられるよなぁ〜)


 俺は廣仁の前に立ち、背後から女性陣の視線が背中に突き刺さる中、何も気にする事無く、廣仁達と雑談を交わした。


「いやはや、この後のコラボカフェも楽しみだな!」

「う、うん。何か有難うね…」

「それで確かメニューの方は…」


 俺達は公式サイトに掲載されているメニューを確認した。

えっと…『可愛くて美味しいプレート!』に『ミントのカラフルポンチティー』。他に『コーヒーシェイプアイス』に『マスカルポーネパンケーキ』などか…。


「俺は事前に『コーヒーシェイプアイス』を選んでいたな』

「ボクは『可愛くて美味しいプレート』にしていたね」

「俺は『マスカルポーネパンケーキ』でも頂く事になっています」


 それから暫くし、前の客達が出て行った後に人数制限があったが何無く突破し、チケットを出し、手続きを済ませた俺達は少し奥の座席に着いて予約されていた注文の品が届き、それぞれ頂いた。


 う〜ん。コーヒーシェイプアイスは冷たくて美味しいなぁ〜!

けど一番は廣仁が本当に美味しそうに『可愛くて美味しいプレート』を食べている所であった。


「え、えっと…二人共?ボクの方を見てどうしたの?」

「「いや、美味しそうに食べるなぁ〜って」」


 どうやら神楽坂雅紀君も同じ事を思っていたようだ。

そんな君も美味しそうなパンケーキを食べているのにな。

まあ、廣仁の食べる姿が可愛いのは賛成する。


「んん〜♪口の中が美味しくて幸せ〜♪」

「「あぁ〜草薙君/廣仁が可愛いんじゃ〜^ ^」」


 余りにも幸せそうな廣仁を見て俺達はニヤァ〜とするのだった。

読んで頂き、有難う御座います。

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