第一話
ギャグ系の異世界転生です
冒険者の街アドヴェン。ここは初心者から熟練者まで様々な冒険者が集う活気にあふれた街。
そして、この街にはある噂話がある。どんな依頼でも解決する最強のなんでも屋がいるという噂が...
「ふぅ、今日も疲れたな」
「あぁ。まさか、B級クエストがA級まで上がっちまうとはな」
俺はカイルド。この街で一応A級冒険者をやってる。
今日はB級ダンジョンの攻略クエストだったんだが、突如、A級魔獣のメタルリザードが出現して攻略難易度が
A級まで上がっちまったんだ。
「まぁ、でもラッキーだったよな。A級にしては簡単に倒せたし」
「それは相性が良かっただけだ。それにA級冒険者二人いるしな」
「僕のことですかぁ?」
急にだるい。
「あぁ、そうだよ」
そう、このダルがらみしてくるこいつがこのパーティーの2人目のA級、ロイドだ。
「そういや、カイルド。知ってるか?」
「何を?」
急に話題変えるか?ここで。
「それを今から言おうとしてたんだよ」
ロイドが半ギレ。
「ごめんごめん。それでどうした」
「最近急に難易度が上がることが増えてるらしいぜ、知ってた?」
「いや、知らん。まぁ、確かに今日のダンジョンもコアが赤くなってたしな」
「あぁ、最初は青だったらしいぜ、あれ」
「そうか、まぁどうでもいいけどな」
俺は冷たくあしらう。
「でさー、話題変わるんだけど」
何回かえるんだよ。まだ二回目だよ。
「今日飲み行かね?」
「急に?」
「別にいいだろ、みんなで祝杯あげよーぜっ」
「それほどのクエでもなかったろ、今回のは」
「いいじゃん。なぁ、グラネルとワイズものみたいよなぁ」
味方増やそうとすんな。
「私は超賛成!今日はすっごく頑張ったから飲みたい気分だったの」
こう答えるこいつはグラネル。
黒髪に整った顔、ボディライン、そして青色の瞳。ギルド内でも結構人気の女性冒険者だ。
魔力だけで見たらS級は余裕でいけるほどなんだが、それ以外が点でダメだからB級というかわいそうな奴だ。
「俺はどっちでもいい」
こういうやつが一番困るんだよ。意見しっかり持ってほしいわ、マジで。
っと、そうじゃなくて。若干罵倒から入ってしまったがこいつがワイズだ。
2mを優に超える巨体の持ち主でザ・強者みたいな見た目の冒険者だ。
こいつはグラネルとは正反対で、パワーだけで見たらS級なのに、魔力が全くと言っていいほどないからB級どまりの悲しいやつだ。
マジで二人とも残念な奴だと思う。
「で、二人は賛成って言ってるがお前はどうなんだ?カイルド」
ワイズは賛成とは言ってねぇだろ。
「まぁ、いいぞ。俺も嫌なわけじゃない」
「ツンデレ?」
こういうところがだるいんだ、こいつは。
「よし、そうと決めたらちゃっちゃとギルドに完了報告して飲み行こうぜっ!」
◇◇◇
『かんぱーい!』
「あぁ、沁みるわー」
「だな」
俺たちは完了報告を終わらせ、ギルドの近くの酒場に来ていた。
「やっぱ酒は最高だな。なぁ、カイルド」
「あぁ、うまいな」
なんかあおってくる感じがするが気にしない。
「やっぱ最高だなぁ」
気にしない。俺は断じて気にしてない。
「すいませーん、生のジョッキ一杯追加で」
俺たちが話してるとグラネルがもう二杯目を注文する。
「お前、なんつー速度で飲むんだよ」
「仕方ないじゃない、美味しいんだもの」
「ちゃんと飲んだ分は払えよ」
「えぇー、カイルドの奢りじゃないのー?」
「そんなわけないだろ」
「なー、そんなことよりさー、知ってるか?」
ロイドが話に乱入してくる。
「知らん」
主語を言えよ、質問するなら。
「そうか、なら教えてあげようじゃないか」
「いや、いらん」
ロイドのこういう話はたいてい長いくせにしょうもない話だ。
「まあまあそう言わずに聞いてくれよ」
ロイドが強制的に話し始める。
「この街には何でも依頼を解決してくれる何でも屋があるらしいんだよ」
「誰の情報だ、それ」
「ギルドに受付のねーちゃん」
「で、それどこにあんだよ」
「この店の近くの路地にあるらしいぜ」
「何で知ってんだよ」
「受付のねーちゃんが言ってた」
「で、なんだけど...今日この後行かないか?そこに」
まさかの提案。
「俺はどっちでもいいぞ」
ワイズはあまり興味がなさそうだ。
「私はいっぱーい飲んでからならいいわよ」
そういうグラネルの前にはもう空になったジョッキが7本。どんだけ飲むんだ、こいつ。
「俺もこれに関してはどっちでもいいかな」
少し行ってみたい気もする。何でも依頼を解決するというその店に。
「よし、じゃぁ全員賛成ということでこの後行くことに決定!」
ロイドが元気よくそういった。
◇◇◇
「お会計銀貨17枚になります」
高いっ、あまりに高すぎる。銀貨17枚もあったらD級ぐらいまでの剣買えるぞ。
「カイルドー、早く行こうぜー」
「ちょっと待ってくれ、やっぱり割り勘にしないか?」
「やだ、だってカイルドが賭けに負けたんだろ」
そうだ、俺は誰がおごるかを決める賭けに負けた。ちなみに何の賭けをしたかというと、グラネルが何杯いけるかというものなんだが、グラネルは誰の予想をも超えた47杯という記録をたたき出した。
「頼んだ、カイルド」
「ごちそうさま」
ワイズとグラネルも助けてはくれないようだ。
てかお前が飲みまくったのがすべての原因だろ、グラネル。
「ありがとうございましたー」
俺が泣く泣く金を払い店を出るとロイドは待ちきれないという表情をしていた。
「よし、いくぞー!」
◇◇◇
「おい、ロイド、本当にここなんだろうな。その何でも屋ってのは」
「あぁ、受付のねーちゃんの話だとここらへんだと思うんだけど...」
俺たち4人は酒場近くの路地に来ていた。
「ねぇ」
グラネルが何かを見つけたようだ。
「これじゃないかしら」
そういいながら彼女が指さす方向にはこんな看板の店があった。
【八百万屋 ご依頼なんでも承ります】
「確かにこれっぽいな」
「ほらな、やっぱりあっただろ。だから言ったんだよ、俺は」
ロイドが喜びの声を上げる。
「おい、ちょっと待て」
ワイズの声が店に入ろうとするロイドを止める。
「これを見ろ」
その指先の示す方向にはこんな張り紙があった。
【営業時間 AM9:00~PM9:00】
『今やってねぇじゃねぇか』
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