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報酬泥棒

クリスマスなのに、残業でなにも祝えんかった。

.+:。 ヾ(◎´∀`◎)ノ 。:+.


チッ!


もー、いーくつねーるとーお正月?


あれから、一週間後になったので酒場に向かう。酒場に入ると、ジコルがもうすでに居て俺に気付き笑顔で手をあげて挨拶する。俺も、ほっとして笑う。


「おはよう、早かったんだな。」


「おはようさん。まぁ、仕事の都合でな。」


俺は、二人ぶんの朝食を頼むとジコルを見る。


「まず、パコと言うクランはあったけど蓮太は所属していなかった。調べて、蓮太と言うプレイヤーはデスポイズンと言う闇クランに所属してた。報酬泥棒やプレイヤーキルなど、悪いことをして稼ぐ闇クランだな。つまりは、そう言う事だ。」


「やっぱりか……。」


ため息をついて、キューブカメラを出し映像をジコルに見せる。それを見て、苦笑するジコル。


蓮太が、ポーションや特殊魔石や武器を転移袋に入れている。しかも、ポーションは入ってるケースごとだ。転移袋とは、袋に物を入れると自動で指定されたストレージやボックスに転送できるアイテムである。これは、ギルドや王宮などの施設でしか使用の許可が出ないはずなんだけど。盗んだか?


キューブカメラとは、レイド映像を保存したいさいとかに使うカメラ。キューブ型で、手のひらサイズのカメラだ。最初に門の近くに置いて、戦闘開始するのだが、カメラに人が写ると自動で撮影され録画される。白金貨30枚と、かなりの高額なのだが。


俺は、これを武器庫と保管庫などに設置してた。その結果、蓮太が盗む瞬間を撮影出来てしまった。


蓮太は、盗んだものを自分のボックスに保存しているらしく使ってもいなかった。だから、分からなかったのだ。まったく、悪ガキも度が過ぎれば腹が立つもんだな。そして、今日はイベント最終日だ。


今日の、夜12時にイベントが終了する。


ちなみに、ブラックサンタは悪い子供を拐うと言うけどあいつも拐ってくれないだろうか?


「それで、若旦那はどうするんだ?」


「害虫駆除をしないとな、逃げられないうちに。」


ため息を、吐き出してコーヒーを飲む。


「あいつは、プレイヤーいわく二刀流でスマホ?とか言う機械を2つ所持していて2つのアバター?とか言うのを使いこなしてるらしい。俺には、良くわからないけどその表情からして理解できたか。」


自分の知らない、単語にクエスチョンマークをつけて言う。俺は、深い笑みを浮かべる。


「なるほど、うまいやり方するなぁ~。」


「それと最近は、小規模クランでも上のランキングのガルゴレってクランからいろいろ盗んでたらしいぞ。調子にのって、場所を小規模クランから中規模クランに変えたんだろうな。馬鹿な奴………。」


ジコルは、冷ややかな瞳で貶すように言う。


「確かに。しかも、一番最初にうちをねらうとはなぁ。ちょっと、運がなかったかな。」


苦笑を浮かべて、呆れたように言う。


「朝食、ごちそうさま。それで若旦那は、これからどうするんだ?と言うか、手伝える事はあるか?」


「手伝いは、もういいかな。ありがとう。」


そう言うと、朝食代金を払い立ち上がる。椅子に座ったまま、ベルを鳴らすとウェイターが来て伝票を見て支払い金額を教えその場で支払う。食い逃げ防止の対策として、この世界では常識である。


「それで、ご贔屓にしてくれるか?」


「もちろん。お前も、たまには俺を頼っても良いんだからな?出来れ、全力で手伝うからさ。」


「おう、その時はよろしくな。」


ジコルと別れ、イベントを進めるべく歩き出す。




俺は、夜の11時52分にギルドに向かう。




「すみません、白銀の刃の仮副マスターです。成績スクロールを貰いに来ました。貰えますか?」


冒険者カードを見せ、暫くするとスクロールを渡される。皆の成績が、全て数字で出されている。数字は、今も動いていてランキングも変わっていく。


紙は、全体ランキング(※イベントに参加した全員のランキング)・個人ランキング(※クランメンバーのみのランキング)・クランランキング(※参加したクランのランキング)そして協力ポイント数(※サンタを助けて貰ったポイント)・クエスト参加回数(※レイド:ブラックサンタの参加回数)の順に表示される。ちなみに、隠蔽不可能だ。


俺は、蓮太の成績を見て目を閉じてため息をつく。




名前:蓮太


所属:白銀の刃


全体ランキング:最下位(※やってないから)


個人ランキング:最下位(※やってないから)


クランランキング:18007位


協力ポイント:0P


レイド参加回数:0回


モンスター討伐数:0匹


クラン貢献ポイント:0P




ちなみに、俺の成績はこんなもん。




名前:隼人


所属:白銀の刃


全体ランキング:8位


個人ランキング:1位


クランランキング:18007位


協力ポイント:19807P


レイド参加回数:835回


モンスター討伐数:179989匹


クラン貢献ポイント:13994P


※+α(プラスアルファ)


ギルド貢献ポイント:857964P


地域貢献ポイント:77822P


※魔物の討伐数が多かったため。


※街に被害を出さなかったため。




実は俺、こう言う数字が出る系のイベント大好きなんだよね。何て言うか、凄く燃える!競争心や闘争心が、疼くと言うか何て言うかさ。


昔のメンバーからは、よく『これは、一種の病気のようなものですね。』とか『戦闘狂!』とかボロクソと言われてたなぁー。そして最後は、互いに良く競いあったねと笑い合い次は勝つとか話したりしたなぁー。さて、クランホームにもどりますか。




ホームに帰り、銀時計を片手に成績スクロールを見つめる。イベント終了まで、後3分10秒。


蓮太の数字は、このタイミングでも動かない。


俺は、悲しげに目を閉じると副マスター権限を使用するためにメンバーリストを開く。


マスターと、副マスターだけ使う事の出来る権限。



『除名権』


除名権とは、クランにとって不利益な行為や言動をする者をクランから追い出す権限である。


例えば、長期に渡って無断でログインしない。暴言や暴力、人権をおとしいれるような事をしたばあいなど。二人だけが、その権利を持っている。


イベント終了まで、後1分7秒。


さようなら、報酬泥棒の蓮太。


『蓮太さんが、除名されました。』


俺は、ちゃんとギリギリまでお前を信じて待ってたぞ。せめて、魔物の一匹でも狩れば見逃したのに。


メンバー達が、帰って来た。俺が、勝手に蓮太を除名した事にご立腹のようだ。だが、銀時計を持ちうつむいてる俺を見て静まる。大地は察して、俺を慰めるように軽く肩を叩いてから謝る。


「辛い役目を、一人で背負わせてごめんな。」


俺は、その声を聞いてから運営に蓮太を通報した。


通報とは、運営にバグや異常などを知らせるシステム。悪いプレイヤーがいたさい、プレイヤーのIDとネームさえ押さえればログインできないように運営がしてくれる。暫くは、平和で居られるだろう。


ただ、アンインストールしてからまたインストールされてしまえばまた現れる可能性もある。


相手がアンインストールしたら、運営様々がクランから盗まれたものなどを自動で転送してくれる。


俺は成績スクロールと、情報屋の調べた結果とキューブカメラを机に置いてから右手で銀時計をポケットに入れてクルリと後ろを向いて無言で歩き出す。同時に、盗まれたものが隼人の置いたものを邪魔しないように机に並べられる。


疲れた。とても、酷く疲れた。寝よう………。


そのまま、俺はログアウトした。




「こんばんは!隼人君は、居るかな?」


カレンが、勢いよく入ってくる。大地は、書類と映像を見て怖い表情をしている。カレンの声に、はっとして振り向く。その表情は、疲れていた。


「隼人なら、ログアウトしたぞ?」


カレンは、真剣な表情になる。


「いったい、何があったの?」


大地は、苦笑してスクロールや書類と映像を見せ更に疲れた苦々しい笑みを漏らす。


「なるほどね。」


カレンも、眉をひそめ不愉快そうな表情である。


「そう言えば、何をしに来たんだ?」


「同盟を組まないかって、言ってたでしょう?あの時は、断ったけどやっぱり受けようと思うの。それについての、相談があったんだけどなぁ。」


ガッカリして、ため息を吐き出して笑う。

「そっか、メリークリスマス!良い聖夜を……。」


「メリークリスマス!あなたにとって、明日に光が有ることをいのります。」

次回 青春!


隼人「これで、きっと良かったんだ。」


作者「お疲れ様……。」


隼人「こんなに、裏切られるのが辛いだなんて。」

   (※ポロポロと涙を流している。)


大地「相棒……。」

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