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第40話 このくらいの距離で、ちょうどいい
「……」
部屋にいる。
静か。
窓の外を見る。
人が歩いている。
遠い。
でも、見えている。
私はそのまま座っている。
スマホを見る。
通知が来ている。
開かない。
少しだけ見る。
閉じる。
「……」
「……このくらいか」
小さくつぶやく。
立ち上がる。
キッチンに向かう。
もやしを取り出す。
袋を開ける。
フライパンを出す。
火をつける。
ジュウウウ、と音がする。
私は箸で動かす。
考えていない。手が動く。
窓の外を見る。
外は動いている。
私は部屋の中にいる。
でも、完全に切れているわけではない。
「……」
少しだけ、うなずく。
火を止める。
皿に移す。
座る。
一口食べる。
「……」
同じ味。
でも、少しだけ違う気がする。
理由はない。
それでも、前より落ち着いている。
「……」
「……まあ」
小さくつぶやく。
窓の外を見る。
遠い。でも、見えている。
そのくらいで、ちょうどいい気がした。
「……いいか」
私は小さくつぶやいた。




