出会い
お待たせしました。この頃忙しくやっと更新できました
私が良太さんと初めてあったのは、特設隊での訓練時代だった。良太さんはお姉ちゃんの好きな人だ。
小さい頃から毎日のように良太さんの話を聞かされていて、そこまでお姉ちゃんを夢中にさせる人は一体どんな人なのだろうと思っていた。
だから、私は良太さんを知りたくて特設隊を受け、お姉ちゃんと同じ支部に入った。
特設隊はこの時既に500万人を超えていた。人口の約6割が特設隊に入隊している。
特設隊に入隊した新人は既にある部隊に訓練という形で配属されることになっている。本来どこに配属されるか分からないのだが、私は良太さんの部隊を強く希望し、見事配属先に決まった。
私は良太さんの部隊で任務をすることになった。それが、私と良太さんの初めての出会いだ。
「は、はじめまして!? 本日付けで配属されましたあ、暁凛と申します! こ、これから2ヶ月間訓練生として頑張るので、ど、どうぞよろしくお願いします!」
私が自己紹介すると、チームの皆は温かい拍手で迎え入れてくれた。
「ああ。君がそうか。梨沙から話は聞いてるよ。私の可愛くて天使のような妹が私と同じ支部に入ったよ〜って」
どうやら良太さんは既に私のことを知っていたようだ。私は驚きとお姉ちゃんが言ったらしい言葉に恥ずかしさを覚えながら、挨拶を交わした。
「ご、ごめんなさい。おね···梨沙には、よく言っておきますので!」
研修員の私なんかでは本来話す機会のない良太さんに萎縮しつつ、お姉ちゃんの行動を詫びた。
「そんなにかしこまらなくていいよ。もっと気楽に話してくれ。あと、既に知っていると思うけど、一応自己紹介しておくよ。豊橋良太だ。下の名前で呼んでくれて構わない。」
「よ、よろしくお願いしますりょ、良太さん」
「ああ。よろしくな凛ちゃん」
私は良太さんに下の名前、さらにちゃん付けで呼ばれドキッとした。
「そ、そんな! わた、私にはちゃん付けなんて似合いませんよ!?」
「そうか? 結構似合うと思うけどな······。じゃあよろしくな 凛」
「は、はい。よろしくお願いします良太さん」
私は未だドクンドクンと鳴っている心臓を抑えながら、他の隊員へ挨拶した。
挨拶が終わると、良太さんから実施訓練の内容が伝えられた。
「これからしばらく凛の実施訓練をする。期間は2ヶ月、訓練日程に関しては随時俺から伝えるようにする」
「「「はい!」」」
「あれ、そう言えば良太さん。お姉ちゃんは······?」
良太さんと同じ部隊のはずのお姉ちゃんがいないことに気付き、良太さんに聞いてみた。
「あぁ。梨沙は実施訓練の間は違う部隊なんだよ。なんでも女性だけの部隊に入りたい人が多いらしくこの期間だけは向こうに行ってるんだ」
「そうなんですね! お姉ちゃんすごいなぁ!」
「うっ···!」
「?」
私の言葉の後に良太さんが突然呻いたので首を傾げた。
「どうしたんですか?」
「い、いや。6歳の割にしっかりしてるなぁって思ってたら可愛らしい一面もあったんだな」
「っ!?」
突然良太さんに可愛らしいと言われ私は顔が赤くなってしまった。
「あ、ありがとう······ございま······す」
私は消え入りそうな声でそう言った。
なんせお姉ちゃんにはいつも言われてたが、男の人に言われたのは初めてだったから恥ずかしくて堪らなかった。
お姉ちゃんが言った通りの人かもしれない。そう思うと、何故か私は胸がドキドキしていた。
私は良太さんの部隊で訓練するうちに、お姉ちゃんが良太さんを好きになる理由が分かっていった。
ある日のこと、私は任務中に一人、隊とはぐれてしまった。その日の実施訓練はヴァリアント・モンキーに襲われた人たちの救出活動という任務を行っていた。
ヴァリアント・モンキーを殲滅し終わって、救助している間に私はふと誰かに呼ばれたような気がして、ちょっとだけ持ち場を離れた。
けれど、慣れない場所もあって私はすぐに迷子になってしまった。道が分からなくて途方に暮れていた所にヴァリアント・モンキーが3体もやって来てしまった。
たちまち私は囲まれて、身動きが取れなくなった。3体ものヴァリアント・モンキーを相手にしたことがなく、すぐに防戦一方になった。
隙をみて反撃しようとしたが、1体に持っていた武器を大きく弾かれて、私はその場に倒れ込んでしまった。
絶体絶命と思われたその時、私がいないことにいち早く気付いた良太さんが単独で助けにきてくれた。
瞬く間にヴァリアント・モンキー3体を倒した良太さんは座り込んでいた私に駆け寄ってきた。
「大丈夫か、凛!? どこも怪我はしてないか!?」
「は、はい·····」
「良かった···。心配したんだぞ?」
見れば良太さんは汗だくで必死で探してくれてたんだと思った。
「でも、どうしてここが?」
「凛が行きそうな所を探してたら、ヴァリアント・モンキーの鳴き声が聞こえてな。嫌な予感がして駆けつけてみたら、案の定凛が襲われている所だったから急いだんだ」
私はすごい、と思った。たったそれだけで私を見つけだしてくれるなんて。
「はぁ、でも見つかってよかった。怖かっただろ? もう大丈夫だ」
そう言って良太さんは私の頭を優しく触った。すると、今まで緊張状態だったのが弛緩して、溜まっていた涙が溢れ出てきた。
たちまち、涙は止まらなくなり大声で泣く私を、良太さんは困った顔で見ながら優しく頭を撫でてくれていた。
その後、10分ぐらい泣き続けていただろうか。泣き止んだ頃には明るかった空はすっかり赤やけに染まっていた。──ちなみに隊へは既に報告して先に帰ってもらってる。
「すみません。こんなとこで泣いちゃって。もう大丈夫です」
私は付き添ってくれた良太さんにお礼を言った。──もっともまだ鼻声ではあったが。
「いいよ。泣くのは仕方ないし、怖がるのも無理はない。まだ6歳だろ?」
「はい」
「なら仕方ないよ」
そう言って良太さんはまた私の頭を撫でてくれた。どうやら私は頭を撫でられるのが好きみたいだ。良太さんに撫でられると何故か心が落ち着く。
「さぁ帰ろう。皆待ってる」
良太さんはまだ座り込んだままだった 私に向かって手を差し出した。
私はその手を取って強く「はい!」と頷いた。
私たちが支部に着いた頃にはすっかり夜になっていた。支部に着くと、お姉ちゃんが私たちを出迎えてくれた。
お姉ちゃんは私を見つけると、すぐに駆け寄ると思いっきりビンタした。
訳も分からず混乱していると、すぐさま抱きついて来た。
「ちょっ、お姉ちゃん!? なに、苦しいよ?!」
私は頬の痛みと抱きついて来た苦しみに耐えながら、そう抗議した。
「嫌だ。離れてやるもんか」
話したと思ったらそんなことを言ってさらに強く抱き締めた。
その様子を見た良太さんは思いっきり噴き出していた。
「ちょっとりょ、良太さん! 笑ってないで助けてください!」
「ご、ごめ·····あはははは!」
「良太それ以上笑うと、こっちにも考えがあるよ〜」
「その前にお姉ちゃん離して!?」
そうして、良太さんがひとしきり笑ったあと、矛先が良太さんに向いて私はやっとお姉ちゃんから解放された。
5分ぐらいそうしていて、私はを解放したお姉ちゃんは真剣な目をして私を見てきた。
「凛。勝手に部隊を離れちゃダメじゃない。訓練生の単独行動は許されてないよ」
「で、でもあの時は声が──」
「言い訳しちゃダメ! 例えどんな理由があったって単独行動はダメなんだから」
「お姉ちゃん······」
私はお姉ちゃんに怒られ、俯いてしまった。
「心配したんだから。凛がはぐれたって良太から聞かされた時は心臓が止まるかと思った」
どうやら良太さんは私がはぐれたことをお姉ちゃんに伝えていたようだ。私は良太さんの方をチラッと見ると肩を竦めていた。
私はこの時になって皆に心配をかけていたんだなと思った。
「お姉ちゃん。心配かけて、ごめんなさい······」
私がそう言うと、お姉ちゃんは笑顔でまた抱きついてきた。今度は優しく。
するとまた涙腺が緩んできて、泣いてしまった。
私はお姉ちゃんの胸の中で泣きながら、何度もごめんなさいと言った。
お姉ちゃんは大丈夫だとと言いながら、何度も私の頭を撫でて、「もう心配させないでね」と微笑みながら言った。
私はあの時を境にお姉ちゃんを心配させるようなことはしなくなった。
そしてあっという間に2ヶ月という期間は過ぎていった。
読んでいただきありがとうございます!!
やっとこさ更新することができました!
最近はスランプになったり、忙しかったりしてなかなか更新できませんでした。
これから更新していきますので良かったら読み続けてください(´・ω・`)(´-ω-`)) ペコリ




