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「マッティア殿下にお話したいことがあります」
「...そうか。聞こう。まずはお互い腰をかけよう」
「ありがとう存じます」
私はベッドに座り、殿下もまた椅子に腰をかけた。
「私には神々の言葉が聞こえます」
「ほう」
「驚かれないのですか?」
「まずは全て話を聞いてからだろう」
「では...。神々の声は私が産まれた時から聞こえていました。そして神々は常に私に言っていたのです。『お前は神の愛し子だ。将来は教皇となり神へとあがる』と。言葉も文字も全て神々に教わりました」
「病弱だというのは嘘か?」
「え?」
「病弱だというのは嘘か、と聞いている」
「え、ええ。そうですね、嘘になります。私のような年相応の振る舞いができない者は気味悪がられるから寡黙な少女を演じろと神に言われましたので...そして社交の場に出たがらない私を【病弱】という設定にしたのが両親です」
「なるほどな」
「なぜ今そのお話を?」
「君がドアから飛び出して抱きとめた時と、先程の...その、抱きしめた時の感覚で感じたのだ。リーナ嬢は病弱と言う割には体幹も筋肉もしっかりしている。体術か何かを学んでいるだろう」
「ご名答、です。私は父から剣術を習っていましたので...」
「剣術!それは驚いたな...」
「少しでも強くあれば大切な人達を守れると思っていましたので...というか、驚く所そこですか?私、だいぶ突拍子もない頭のおかしなことを言っているのですよ?」
「まぁ確かにそうではあるが、今回の事件を考えれば合点がいくからな。結局君だけ生き残り、君は孤児になった」
「そうです、そしてこの先は...」
「その歳で教皇に選ばれるというのか」
「まだ分かりません。私から神に話しかけることは出来ても、会話するかどうかは向こうが毎回気分で応答してくるので...」
「ふむ...」
「試しに話しかけてみましょうか?」
「ああ、やってみてくれ」
「神よ!聞こえているのよね!?私はこの先どうなるの!」
『君は』
「...!応答がありました!!」
「君は教皇になるよ」
「「えっ?」」
その声とともに、長い白い髪をなびかせた男性が部屋に現れた。
「何奴!」
殿下が腰に据えていた剣に手をかける。
「まってまって!見てよこの見た目!白い髪に金の瞳!僕、神様!」
「確かに今のは白魔法だし、今代の教皇と聖女は2人とも女性だが...」
「殺してやる...殺してやる!!!」
そう言って殿下の剣を私がするりと抜いた。
「「なっ...」」
「死ね!!!!」
「ちょ、ちょっと待って!僕の話を聞いてよ!」
「じゃあ返しなさいよ!!私の家族達を!!!」
斬りかかる。
が、切ったはずのそれはモヤのように消えた。




