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恋鬼  作者: 有月 悠
14/14

―終―

 何かを忘れている気がする。


 そんな気はするけど、何を忘れているのか分からない。


 私は少し首を傾げながらも目の前の扉が開くのを待っていた。


 教会の鐘が鳴り、二人を祝福する。

 

 扉が開き、赤いじゅうたんの敷かれた道が目の前に現れる。その脇にはたくさんの人々。祝福の声を受ける。


 おめでとう、おめでとう、おめでとう・・・。


 鐘の鳴り響く音と人々の歓声を聞きながら、遥かな青い空を見上げる。


 紙吹雪の舞う中に、何かを見た気がする。


「どうしたの?」


「ううん、何でもない」


 何だろう、胸の奥がほんの少しだけちりちりと痛む。


 ねぇ、私幸せだよね、私達幸せだよね?


 隣に立つ人を見上げて、ふとした疑問を思う。


 彼は優しく微笑んだ。


 彼とは平凡に出会って、平凡に恋をして、平凡に結婚した。


 ねぇ、私幸せよ、幸せよ・・・ね? 


 答えを返してくれるはずのない虚空に向かって問う。


 空に答えなどない。


 きっと気のせいね。

 

 私は彼と腕を組み、ライスシャワーを浴びながら二人の道を歩き出した。


 大丈夫、私は幸せ、幸せ・・・。ねぇ・・・。


 


 

  

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

感想、批評お待ちしております。



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