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ある日の休日(5)


 さて、なんか歩き疲れたしそろそろ部屋戻るかな。しゃーねーから、ルカくんのマジメ本でも貸してもらうか。


 と、思ったその時だった。



「うおーーーーい、バーーールツアーーーー」



 この間抜けな声!!トールかっ!?……ん?あれ、どこだ?



「バーーールツアァァァァ!!!」



 おかしい。声はするのに姿が見えん。まさか学院七不思議の一つ、"這い寄る亡者の産声"────!?



「上だああああああああああ!!!」


「げ!?バカぶつかるッ!?」


「ブレーーーーーーッキ!!!」



 上空から箒で急接近してきたトールが、目の前で静止する。


 あっぶねーじゃねーかバカタレッ!!あーヤダヤダ、この惑星が丸いのも知らねーで、公道で俺が先だとくだらねえ張り合いするタイプの人間かよこいつは。無駄なスピード狂マジカッコ悪い。



「って、何よその箒!?授業で使ってんのよりだいぶエグいフォルムしてんじゃん!?」



 トールが乗っている箒、見覚えのあるダッセー掃除用の竹箒じゃねえ!



「テメー、まさかコイツは……!?」


「クククッ、気づいちまったかヨ?そう!これが!アヴァロン社の最新型スピリッツファイアよ!!」


「な、なんだってーーー!?どどど、どうしたんだよコレ!?まさか盗ってきたんか!?」


「いやー、この前街に出たら、第二のボンクラ共が絡んできやがってよ。ちっと撫でてやったらお詫びにどうぞってな」



 うわぁ。ほぼ犯罪じゃんそれ。いつかそういうことすると思ったよトールは。全然予想外じゃないね。



「つーか箒ってこんな感じなのね。俺はじめて見たわ」


「すげーだろ。あのクソ竹箒の5倍はスピード出るんだぜ。魔石で補充すればいつまでも飛んでられるしよ」



 チッ!正直羨ましい!第二の奴らこんなアホより俺に絡んでこいよ!もう!



「フフフ、これで俺も大会にエントリーできるぜ」


「大会?なにそれ。またクソダサ最強決定戦みてえな?」


「バルツァー知らねーのかよ。今年は六年に一度の祭り、学生最速決定戦があるんだぜ?君もはやく箒探してきなさいよ。これ逃したら二度とチャンスないわよ」


「マジ!?六年に一度!?学生時代に一度のチャンスってことかよ!?やっべー、ワン公とラフィにも教えてやらねーと」


「いや、アイツらはどうにでもなるだろ。あの二人、実家がそれなりに金持ってっし」


 

 マジ!?あいつら不良ぶってんのにボンボンなの!?じゃあ俺にもくれよ!!ねえ!!



「クソッ……どうしたら……。ハッ!?俺にもあるじゃねえか!?この国最大級の金持ちのコネがよ!?こうしちゃいられねえ、トール情報ありがとな!あばよ!」


「おー、がんばれよー」



 そして俺は走り出す。"あの御方"の元へと!




◆◇◆◇◆




「え?箒は流石に余ってねえなあ」


「マジ!?お、終わった……俺の青春……」



 そう、"あの御方"ことルカ様。そして即死。あああ、そんなばかな。



「いや、箒って1年の時に基礎講習あるだけであとは自由だしさー。ずいぶん前に処分しちゃったのよ」


「え?自分のもねーの?ルカくん、ナントカスピード王決定戦はノーエントリー?」


「学生最速決定戦な。俺は飛竜の部で出るから。普段空飛ぶのも飛竜だし」



 金持ちのレベルが違った……。そうだよね王族ともなると、庶民の価値観じゃ想像できないことしてくるよね。



「あああ………こうなったら俺もトールリスペクトで、その辺のコゾー捕まえて献上してもらうしか……」



 母さんごめん。俺はついにお日様の下を歩けない身分に────



「まぁ、手が無いわけじゃないぜ」


「出た!?なになになに!?足ビチャビチャになるまで舐めるからどうかその知を授けてくだせえーーー!!」


「舐めんでいいわ…………。この学院に代々伝わる伝説だよ。俺らよりもずーっと先輩の代でな、誰もその人には追いつけないっていう伝説の箒野郎がいたらしいんだよ。その人は箒の事故で死んじまったらしいんだけど、噂によるとこの学院のどこかに、その先輩が使ってたマシンがいまだに保管されてるとかいないとか……」



 う、胡散臭い!!とんでもなく胡散臭い!!……だが、今の俺にはソイツを見つけ出すしか手段がねえ!



「その賭け乗ったぜルカくん!!なーに、見てなさいよ。だいたいその手のヤベー先輩って、どうせあの人だから!ちっと話つけてくんわ!!じゃっ!!」


「お、おう。いってらっしゃい」



 ったく今日は行ったり来たりだぜ。休日だっていうのによ。


 だが、こうなったら止まってらんねえ。六年に一度の祭り、踊らにゃ損損だぜ!?


 あー、助かった。良かったぜあの人が担任で!待ってろよリーナちゃん。


 いや、"伝説の箒野郎"さんよォ!?

休日はこれにて終了

次回からは箒探し回。



アヴァロン社製スピリッツファイアの見た目はご想像にお任せします。


一応作者の想像では、頭の方にカウルがついてて、しっかりとしたシート、ペダルというか脚置き場、エンジンが積んであって、魔法がどうのというより、モロ機械的な見た目だと思ってます。


箒の箒部分(?)柄じゃないところは、マフラー。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 無免で単車乗り回していいの…って思ったけど授業で竹箒乗り回してるからいいのか [一言] 面白かったです なろうでこんなに笑ったのは初めてでした どうもありがとうございました。
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