〜異世界冒険記2〜海で遊んでみた2
午前が終わり、昼になった。
「そろそろみんな、海から上がってくるだろうな。」
と、僕は海の家についている時計を見ながら言った。
ちなみに、この時計は先ほど時間が分からないと不便だと思ったので作っておいた。
時計は、ちょうど12時を指していた。
なので、先ほどの発言も多分合うだろうな、と予想出来た。
「お昼ご飯はどうしましょうか?
お弁当みたいな物は作ってきませんでしたが…」
と、隣のシャルが心配そうに、こちらに目線を向けて聞いてきたので、
「そのために、あの鉄板を作っておいたんだ。」
と、近くの鉄板を指差しながら僕は答えた。
続けて、
「鉄板で、焼きそばを焼くのが日本だと結構主流だったから作ってみたんだけど…」
と、今度は僕がシャルに向けて視線を向けると、
「道具は作ってみたものの、肝心の料理が作れなくて、困っていると。
そういうことですね?」
と、察しの良いシャルが答えたので、
「そうです…」
と、僕は少し申し訳なさそうに答えたが、
「それなら、遠慮をしないで言ってくれれば良かったのですよ。
ワタルさんの頼みなら断りませんから。」
と、微笑みながら言ったので、まるで聖女だなと僕は思ってしまった。
(そういえば、元聖女だったっけ。)
と、自分自身にツッコミを入れつつ、
「それじゃあ、昼ご飯に焼きそばを作ってもらえないかな?
麺や素材の準備は僕が用意しておいた物を使って欲しい。
後は、道具なんだけど、必要な物が詳しくは分からなかったから必要な物があったら僕に言ってね。」
と、シャルに伝えると、
「分かりました。それではこれから料理の準備を始めますね。」
と、立ち上がり鉄板の方に向かって歩き出した。
(文句も言わずに、料理をしてくれる人ってなかなか居ないよね…
将来は良いお嫁さんになりそうだな〜。)
と、何故か父親目線の考えが頭に浮かんできた。
(こんな目線で考えちゃうからマリやシャル、そしてクロに恋愛感情が湧かないんだな〜。
普通なら、結婚して欲しい、って頼みそうなものだけどね…)
と、自分でも諦めがついたかのような考えが浮かんだので、
「僕は、一生結婚は出来ないだろうな…」
ポツリと、そう呟いていると、
「お腹すいた〜!」
と、声が聞こえたので振り返ってみると、子供たちが帰ってきていた。
「う〜ん、予想よりも早く帰ってきちゃったな…」
と、1人言のように呟いていると、
「今日は疲れたな〜!」
「そうだね〜。」
と、しゃべりながら向かってくる、2人の獣人の子達が近づいてきたので、
「2人共仲いいね〜。この村に来てから仲良くなったの?」
と、まるで世間話をするかのように聞いてみると、
「あ、ワタルだ〜。海を作ってくれてありがと〜!」
と、少し背の高い1人の子がそう言った。
「喜んで貰えて良かったよ。
この村に来たばかりはみんな暗くて心配したけど、もう大丈夫みたいだね。」
と、僕が言うと、
「そういえば、助けられたお礼を言うの忘れてたや。
ワタル、ありがとね!」
「ありがとうございました!」
と、2人がそう言ってお礼を言ってくれた。
続けて、
「確かに、みんなここに来るまでにたくさんの辛い目にあったと思うけど、もうみんな自分なりに何とか乗り越えたと思うよ!
だから、心配は必要ないよ!」
と、元気に答えたので、
「流石だな〜。
僕が君たちぐらいの歳なら、今頃は家で泣きじゃくっていると思うよ…」
と、素直な感想を伝えると、
「俺だって、ワタルに助けられてこの村に来たばかりは泣いたよ?
まぁ、俺の場合は恐怖から解放された安心からなんだけどね。」
と少し照れくさそうに答えた。
すると、
「お兄ちゃんの嘘つき〜!
来たばかりの時は、
「怖かったよ〜!」
って言いながら私に抱きついてきたくせに!」
と、もう1人の子が少し頬を膨らませながら言った。
「おい、バラすなよ!」
と、慌てた様子で、お兄ちゃんと呼ばれた子が言ったので、
「えっと、君たちって兄妹なの?」
と、僕は聞くと、
「そうですよ。」
と、妹さんが答えてくれた。
(あれ?捕まえてた騎士は、男はみんな殺したって言ってたんだけど…)
と、少し疑問に思ったので、
「助けられた子の中に、他にも男の子っているの?」
と、聞いてみると、
「そうですね、半分くらいは男の子ですね。」
と、答えてくれた。
(なるほど…あの騎士はかなり嘘を言っていたらしいな…)
と、少し考えながら、
「教えてくれてありがとうね。
これからも村でゆっくりと暮らしていってね。」
と、2人の頭を撫でながら伝えた。
「これからもよろしくな!」
「よろしくお願いしますね。それでは失礼します。」
兄は少しぶっきらぼうに、妹は丁寧に挨拶をして、少し遠くのイスに向かっていった。
「 とりあえずは、男の子もちゃんと居ると分かったから良かったよ。
女の子だけなら、少し大変だったからね。」
と、一安心して僕は自分の仕事をしようと、準備を始めた。
「海の家と言えば、こっちも必要だよね〜。」
と言って、事前に作っておいたかき氷機を出してきた。
このかき氷機は、自動ではなく手動で回していくようにした。
理由としては、子供たちが多いのでそちらの方が楽しめるだろうと、自分の子供時代を思い出して作ってみた。
ちなみに材料の氷は、村の近くの水を使って作っており、出来た氷に、【無限】の付与を付けたのでなくならない仕様になっている。
「後は、シロップだけど…
定番のメロンやレモン、それとイチゴを作っておいたんだけど大丈夫かな?」
と、シロップを準備をしながら考えていると、
「ワタルさん。こちらは焼きそばが出来ましたよ〜。」
と、シャルの呼ぶ声が聞こえたので、
「了解だよ。」
と、答えてから、
「みんな、お昼ご飯の焼きそばが出来たよ〜。
だから、順番に並んでシャルのところへ1列に並んでね〜。」
と、みんなに指示をして1列に並んでもらった。
みんなは、しっかりと指示を聞いてくれて1列に並んでくれた。
「よし、ここからは僕も手伝うよ。」
と、シャルに伝えて、2人で子供たちに焼きそばを配っていった。
「よし。これでみんなに行き渡ったかな?」
と、子どもたちに確認をしていると、
「何だかいいニオイがしてきたから海から上がって来たんだけど、焼きそばが出来てる!」
と、マリが海から上がってきたようで僕のところへ来た。
「はい、マリもどうぞ。」
と、僕はマリに焼きそばを渡した。
「ありがと〜!」
と、言って近くのイスに座った。
「クロは?」
と、僕が聞くと、
「今帰ってきました〜!」
と、声が聞こえたので、
「おかえり〜。」
と、言ってクロに焼きそばを渡した。
「ありがとうございます!」
と、お礼を言いながらマリと同じテーブルに座った。
「僕たちも食べようか。」
「そうですね。」
そう言って、僕もシャルと焼きそばを持ってマリ達のテーブルに言って焼きそばを食べた。
焼きそばは、とても美味しかった。
焼きそばを食べ終わって少ししていると、
「ワタル〜。これってかき氷作るやつ?」
と、マリが聞いてきたので、
「そうだよ。みんなも自由に作っていいからね〜!」
と、みんなに伝えると、
「よっしゃ〜、俺が1番!」
「私が先だよ〜!」
と、みんなが一斉に向かったので、
「慌てなくても大丈夫だからね〜」
と、言うとみんながおとなしく1列に並んでそれぞれ作っていった。
その様子を眺めながら、
「みんな、良い子たちばかりだね〜。」
「そうですね、本当に良い子たちばかりで素敵ですね!」
と、僕とシャルは微笑みながら話した。
ちなみに、マリとクロは子どもたちと一緒に仲良くかき氷を作っていた。
そうして、かき氷も食べ終わると、子どもたちは少し眠たそうにしていたので、
「今回はここまでかな?それじゃあ、村に帰ろうか。
帰る前に、みんなは更衣室で身体をしっかりと拭いてきてね〜。」
と、言って子どもたちに、更衣室で身体を拭いてくるように伝えた。
「は〜い…」
と、みんな眠そうに答えながら更衣室へ向かっていった。
「よ〜し、それじゃあ村へ帰ろう。」
と、来たときと同じように僕が先導していき、村へ一旦戻った。
村へ着くと、
「またね〜。」
「今日はありがとう!」
と、子どもたちはお礼を言いながら、それぞれの家へ帰っていった。
みんなが帰るのを確認し終わったので、
「よし、ここからは僕の番だ。遊ぶぞ〜!」
と、元気いっぱいでマリ達がいる海へ走っていった。
続く
今回で海回を終わらせるのもワタルが少し可愛そうだと思ったので、明日も海回にします!
それでは次回もお楽しみに〜!




