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霊感と家族を見つけました。5。


俺がタクト君に追いついたのは、タクト君と初めて会った201号室の中だった。


俺が出た後に患者が入らなかったのか、ベッドにシーツは被せてあっても掛け布団は置いてなく棚の中も何もなく空っぽだ。

そのシーツだけのベッドの上に腰をかけてタクト君は毛布を深くかぶっていた。

「タクト君、だよね。ひさしぶり?」

「・・・・」

コクンとうなづくタクト君は、前見た時よりも疲れた様な顔をしているようにも見えた。

今走ってきたから疲れたのかな・・・?

「タクト君、自分の病室わかった?」

「・・・201号室」

「え・」

「・・・・じゃなかった」

あ、そうそう。部屋変わったんだってね。どこになったかは俺はわかんないけど、なんでまたここに戻ってきたのかな?まだ俺の病室だと思っているのかな?

「・・・きて、よ」

え・・・?

「少年っ!私を置いていくなんてイイ度胸しているわね。それにその毛布・・・ッ!?」

お姉さんが部屋の扉をガラリと勢い良く開けて入ってくるのと同時に、毛布をふわりと揺らしてタクト君は足早に出て行ってしまった。

「もう、なんて足の速い霊なの!めんどくさいわねッ!!」

お姉さんは文句を言うと、すぐにタクト君の後を追いかけて走って行ってしまった。

って、足の速い霊って誰の事・・・?

俺は病室から出るとお姉さんが走って行った方向を見る事しか出来なかった。

どこまで追いかけて行ったんだろう・・・それに足の速い霊って、もしかしてタクト君の事?病室には俺とタクト君しかいなかったし、言うとすればそうなるけど・・・まさか、タクト君ってすでに死んでいたの・・・?

「・・・・お名前、」

考え込んでいたら急に後ろから声をかけられて驚いた。慌てて振り返ると毛布から顔を出したタクト君が首をかしげてる。

「なに・・・?」

「え・・・え・・・・?」

「お名前・・・・・なに・・・・?」

「あ、え・・・俺の名前?えっと、黄羽っていうんだ。よろしく?」

あれ、これってよろしくなの?てか、普通に答えちゃったけど大丈夫?幽霊・・・なの??

「キワ・・・・追いかけっこ・・・・逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ」

タクト君は、両手を左右にパタパタさせながら同じ事を繰り返し始める。

「追いかけっこ?逃げるって何から?」

「ここ、ダメ・・・・」

「・・・?」

「・・・・逃げなきゃ来てはダメ。逃げなきゃ逃げなきゃ」

トンっと肩を押されるとタクト君が俺を睨んでくる。

なにがどうなっているの・・・?

「どういう、意味?」

なんでだろう・・・?

タクト君に睨まれている意味が分からない。それにタクト君の睨みはとても怖いって感じは全然しないのに、どうしてこんなにも寒気がするんだろう・・・。

夏だけど、もう1枚何かをはおりたくなった。

「キワ・・・・追いかけっこ・・・・逃げなきゃ」

またポツリポツリ、今度は確かめるように呟くタクト君。

少しずつ俺に近づいてくるけど、俺はどうすればいいの?

タクト君が伸ばした手が俺の肩にまた触れると言う所で、俺とタクト君しか居ない筈の201号室、俺の後ろで何かが音を立てて崩れた。

俺は反射的に振り返って201号室を飛び出して走り出していた。

どうして、自分が走り出したのかはよく分からないけど・・・何か、何か後ろにいたんだ。

そうだ、きっとソレのせいで寒気がしたし、タクト君は俺じゃなくてソレを睨んでいて・・・


ソレを、それで、ソレがソレ・・・・ソレってなぁに ?




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