Filing1-2 白い絵の具を塗っていく
「こっちには居ませんでした。」
鈍色のロシア帽を被った青年が華奢な少女に状況報告する。
「報告ご苦労様です。」
ボブで長いアホ毛が特徴的な華奢な少女は潮田ノゾミ(14)。
落ち着いた様子で指を伸ばし右手をこめかみに当て軽く敬礼する。
「この辺には、もう居ないんですかねぇ。」
青年は渋い顔をし周囲を見渡す。
「この近くのはず、もう少し捜索してみよ。」
この近くのはずなんだよなぁ...。あたしの第六感鈍ったのかな?
ノゾミは、少し考えこみ右上に視線を向ける。
「ヒデト、もしあんたが逃亡生活中だったとして今になって動き出す理由って何かある?」
「...潜伏先にいられなくなるとか、何かリミットがあったりする時に動くと思います。」
だよねぇ、なんかないと安全地帯から動かないよな。
ここら辺は人通りはそこまで多くないから聞き込みもうまくいかなそうだな。
ふと、ノゾミの視界に高校の校舎が映り込む。
「よしヒデト、今日はあそこの学校で聞き込みやったら引き上げるか。」
まだ、期日まで日はあるから大丈夫でしょ。
ノゾミは顔を上げ狭い路地を2人で進んでいく。
突如、聞き馴染みの無い通知音が鳴り響く。
【のっぺらぼう感知確認】
----被検体は未だ補足不可--- --- - ---
----半径1km圏内確定--- ---
----被験者:東野秀雄 80%、伊藤重徳 10%、嘉山昭彦 5%、鈴雲貞一郎 3%、その他2%... -----
----リミット 10月25日(あと102日)--- ---
2人の携帯用端末が青白く発光していた。
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